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数学C 複素数平面「複素数平面(軌跡問題)」の問題30 解説

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数学C複素数平面複素数平面(軌跡問題)問題30
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数学C 複素数平面 複素数平面(軌跡問題) 問題30の問題画像
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解説

方針・初手

$$ \left|z-\frac12\right|=\frac12

$$

は、$z=x+yi$ とおくと

$$ x^2+y^2=x

$$

と表せる。この式は逆数の実部を調べるのに都合がよい。

(2) では $1/\alpha,\ 1/\beta$ が直線 $\operatorname{Re} w=1$ 上にあることを使い、$1/\alpha=1+si,\ 1/\beta=1+ti$ とおく。

(3) では (2) で得た領域の補集合上で、$\operatorname{Re}(1/\gamma)$ の最大・最小を調べる。

解法1

$z=x+yi$ とおく。$z$ は曲線 $C$ 上にあるから、

$$ \left|z-\frac12\right|=\frac12,\qquad z\ne 0

$$

である。したがって

$$ \left(x-\frac12\right)^2+y^2=\frac14

$$

より、

$$ x^2+y^2=x

$$

を得る。

ここで

$$ \frac1z=\frac{x-yi}{x^2+y^2}

$$

であるから、

$$ \operatorname{Re}\frac1z=\frac{x}{x^2+y^2}

$$

である。$z\ne 0$ より $x^2+y^2\ne 0$ なので、$x^2+y^2=x$ を用いて

$$ \operatorname{Re}\frac1z=\frac{x}{x}=1

$$

となる。よって (1) が示された。

次に (2) を考える。(1) より、$C$ 上の点 $\alpha,\beta$ に対して

$$ \frac1\alpha=1+si,\qquad \frac1\beta=1+ti

$$

とおける。ただし $s,t$ は実数である。また、$\alpha\ne\beta$ であるから、逆数をとっても

$$ s\ne t

$$

である。

このとき

$$ \frac1{\alpha^2}+\frac1{\beta^2} =(1+si)^2+(1+ti)^2

$$

である。展開すると

$$ \begin{aligned} (1+si)^2+(1+ti)^2 &=(1-s^2+2si)+(1-t^2+2ti)\\ &=2-(s^2+t^2)+2(s+t)i \end{aligned}

$$

となる。

ここで

$$ w=\frac1{\alpha^2}+\frac1{\beta^2}=X+Yi

$$

とおくと、

$$ X=2-(s^2+t^2),\qquad Y=2(s+t)

$$

である。

実数 $s,t$ について

$$ s^2+t^2\ge \frac{(s+t)^2}{2}

$$

が成り立ち、等号成立は $s=t$ のときに限る。今は $s\ne t$ であるから、

$$ s^2+t^2>\frac{(s+t)^2}{2}

$$

である。したがって

$$ X=2-(s^2+t^2)<2-\frac{(s+t)^2}{2}

$$

となる。さらに $Y=2(s+t)$ より、

$$ \frac{(s+t)^2}{2}=\frac{Y^2}{8}

$$

であるから、

$$ X<2-\frac{Y^2}{8}

$$

を得る。

逆に、実数 $X,Y$ が

$$ X<2-\frac{Y^2}{8}

$$

を満たすとする。$p=Y/2,\ q=2-X$ とおくと、

$$ q>\frac{p^2}{2}

$$

である。

$r$ を

$$ r^2=\frac12\left(q-\frac{p^2}{2}\right)>0

$$

を満たす実数とし、

$$ s=\frac p2+r,\qquad t=\frac p2-r

$$

とおく。このとき $s,t$ は実数で、$s\ne t$ であり、

$$ s+t=p

$$

かつ

$$ s^2+t^2=\frac{p^2}{2}+2r^2=q

$$

である。したがって、このような $X+Yi$ はすべて実現できる。

よって (2) の範囲は

$$ \left\{X+Yi\mid X<2-\frac{Y^2}{8}\right\}

$$

である。すなわち、複素数平面上では放物線

$$ X=2-\frac{Y^2}{8}

$$

の左側の領域であり、境界の放物線は含まない。

次に (3) を考える。$\gamma$ を (2) で求めた範囲に属さない複素数とし、

$$ \gamma=a+bi

$$

とおく。(2) の範囲に属さないことは、

$$ a\ge 2-\frac{b^2}{8}

$$

を意味する。また、$0$ は (2) の範囲に属するので、$\gamma\ne 0$ である。

求める値は

$$ \operatorname{Re}\frac1\gamma =\operatorname{Re}\frac{a-bi}{a^2+b^2} =\frac{a}{a^2+b^2}

$$

である。

まず最大値を調べる。

$$ \frac{a}{a^2+b^2}\le \frac12

$$

$$ 2a\le a^2+b^2

$$

すなわち

$$ (a-1)^2+b^2\ge 1

$$

と同値である。

ここで $u=b^2$ とおく。条件は

$$ a\ge 2-\frac{u}{8}

$$

である。

**(i)**

$2-\frac{u}{8}\ge 1$、すなわち $u\le 8$ のとき、

$$ (a-1)^2+u

$$

は $a\ge 2-\frac{u}{8}$ において、$a=2-\frac{u}{8}$ のとき最小となる。したがって

$$ (a-1)^2+u \ge \left(1-\frac{u}{8}\right)^2+u =1+\frac{3u}{4}+\frac{u^2}{64} \ge 1

$$

である。

**(ii)**

$2-\frac{u}{8}<1$、すなわち $u>8$ のとき、$a=1$ が許される範囲に入るので、

$$ (a-1)^2+u\ge u>8>1

$$

である。

よって常に

$$ (a-1)^2+b^2\ge 1

$$

が成り立つから、

$$ \operatorname{Re}\frac1\gamma\le \frac12

$$

である。等号は $b=0,\ a=2$、すなわち

$$ \gamma=2

$$

のとき成立する。よって最大値は

$$ \frac12

$$

である。

次に最小値を調べる。

$$ \frac{a}{a^2+b^2}\ge -\frac1{16}

$$

$$ 16a\ge -(a^2+b^2)

$$

すなわち

$$ (a+8)^2+b^2\ge 64

$$

と同値である。

再び $u=b^2$ とおく。

**(i)**

$2-\frac{u}{8}\ge -8$、すなわち $u\le 80$ のとき、

$$ (a+8)^2+u

$$

は $a\ge 2-\frac{u}{8}$ において、$a=2-\frac{u}{8}$ のとき最小となる。したがって

$$ \begin{aligned} (a+8)^2+u &\ge \left(10-\frac{u}{8}\right)^2+u\\ &=64+\frac{(u-48)^2}{64}\\ &\ge 64 \end{aligned}

$$

である。

**(ii)**

$2-\frac{u}{8}<-8$、すなわち $u>80$ のとき、$a=-8$ が許される範囲に入るので、

$$ (a+8)^2+u\ge u>80>64

$$

である。

よって常に

$$ (a+8)^2+b^2\ge 64

$$

が成り立つから、

$$ \operatorname{Re}\frac1\gamma\ge -\frac1{16}

$$

である。

等号は

$$ u=48,\qquad a=2-\frac{48}{8}=-4

$$

のとき成立する。すなわち

$$ b=\pm 4\sqrt3

$$

であり、

$$ \gamma=-4\pm 4\sqrt3,i

$$

のとき

$$ \operatorname{Re}\frac1\gamma=-\frac1{16}

$$

となる。よって最小値は

$$ -\frac1{16}

$$

である。

解説

この問題の中心は、円

$$ \left|z-\frac12\right|=\frac12

$$

が逆数変換によって直線

$$ \operatorname{Re} w=1

$$

に移る点である。

(2) では $1/\alpha,\ 1/\beta$ を直線上の点 $1+si,\ 1+ti$ とおけば、あとは実数 $s,t$ の対称式の処理になる。特に $\alpha\ne\beta$ が $s\ne t$ に対応するため、境界の放物線が含まれないことに注意する。

(3) では (2) の範囲が開領域であるため、その補集合は放物線の境界を含む。最大値・最小値はいずれも境界上で達成されるが、直接微分するよりも、$\operatorname{Re}(1/\gamma)$ の評価を円の外部条件に変形すると整理しやすい。

答え

**(1)**

$$ \operatorname{Re}\frac1z=1

$$

である。

**(2)**

$$ \left\{X+Yi\mid X<2-\frac{Y^2}{8}\right\}

$$

である。複素数平面上では、放物線

$$ X=2-\frac{Y^2}{8}

$$

の左側の領域であり、境界は含まない。

**(3)**

$$ \max \operatorname{Re}\frac1\gamma=\frac12,\qquad \min \operatorname{Re}\frac1\gamma=-\frac1{16}

$$

である。最大値は $\gamma=2$、最小値は $\gamma=-4\pm 4\sqrt3,i$ のときにとる。

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