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数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題1 解説

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数学C複素数平面ド・モアブルの定理問題1
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数学C 複素数平面 ド・モアブルの定理 問題1の問題画像
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解説

方針・初手

(1) は各複素数の偏角が $0$ 以上 $\dfrac{\pi}{2}$ 以下であることから、どの $2$ つの複素数のなす角も $90^\circ$ 以下である点に注目する。したがって、和の絶対値の2乗を展開したときに現れる交差項がすべて非負になる。

(2) は (1) に

$$ z_k=\cos\theta_k+i\sin\theta_k

$$

を代入するのが自然である。このとき $|z_k|=1$ かつ $\arg z_k=\theta_k$ である。

解法1

まず (1) を示す。

各 $z_k$ について、$0\leq \arg z_k\leq \dfrac{\pi}{2}$ であるから、$z_k$ は第1象限またはその境界上にある。任意の $j,k$ に対して、偏角の差は

$$ -\frac{\pi}{2}\leq \arg z_j-\arg z_k\leq \frac{\pi}{2}

$$

を満たすので、

$$ \cos(\arg z_j-\arg z_k)\geq 0

$$

である。

ここで、和の絶対値の2乗を展開する。

$$ \left|z_1+z_2+\cdots+z_n\right|^2 = \sum_{k=1}^n |z_k|^2 + 2\sum_{1\leq j<k\leq n}\operatorname{Re}(z_j\overline{z_k})

$$

また、

$$ \operatorname{Re}(z_j\overline{z_k}) = |z_j||z_k|\cos(\arg z_j-\arg z_k)

$$

であるから、上で見たように

$$ \operatorname{Re}(z_j\overline{z_k})\geq 0

$$

が成り立つ。

したがって、

$$ \left|z_1+z_2+\cdots+z_n\right|^2 \geq \sum_{k=1}^n |z_k|^2

$$

すなわち

$$ |z_1|^2+|z_2|^2+\cdots+|z_n|^2 \leq |z_1+z_2+\cdots+z_n|^2

$$

が成り立つ。

次に (2) を示す。

各 $k$ に対して

$$ z_k=\cos\theta_k+i\sin\theta_k

$$

とおく。このとき $0\leq \theta_k\leq \dfrac{\pi}{2}$ より

$$ 0\leq \arg z_k\leq \frac{\pi}{2}

$$

であり、また

$$ |z_k|^2=\cos^2\theta_k+\sin^2\theta_k=1

$$

である。

よって (1) より、

$$ n =

|z_1|^2+|z_2|^2+\cdots+|z_n|^2 \leq |z_1+z_2+\cdots+z_n|^2

$$

が成り立つ。

一方、

$$ z_1+z_2+\cdots+z_n = (\cos\theta_1+\cdots+\cos\theta_n) + i(\sin\theta_1+\cdots+\sin\theta_n)

$$

である。条件より

$$ \cos\theta_1+\cos\theta_2+\cdots+\cos\theta_n=1

$$

だから、

$$ |z_1+z_2+\cdots+z_n|^2 = 1^2+ (\sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n)^2

$$

である。

したがって

$$ n \leq 1+ (\sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n)^2

$$

となるので、

$$ n-1 \leq (\sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n)^2

$$

を得る。

ここで $0\leq\theta_k\leq \dfrac{\pi}{2}$ より $\sin\theta_k\geq 0$ であるから、

$$ \sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n\geq 0

$$

である。よって両辺の平方根をとって、

$$ \sqrt{n-1} \leq \sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n

$$

が成り立つ。

解法2

(2) は複素数を使わずに示すこともできる。

条件より $0\leq \theta_k\leq \dfrac{\pi}{2}$ であるから、

$$ \cos\theta_k\geq 0,\qquad \sin\theta_k\geq 0

$$

である。

まず、

$$ \left(\sum_{k=1}^n \cos\theta_k\right)^2 = \sum_{k=1}^n \cos^2\theta_k + 2\sum_{1\leq j<k\leq n}\cos\theta_j\cos\theta_k

$$

であり、右辺第2項は非負である。したがって、

$$ \sum_{k=1}^n \cos^2\theta_k \leq \left(\sum_{k=1}^n \cos\theta_k\right)^2 = 1

$$

である。

よって、

$$ \sum_{k=1}^n \sin^2\theta_k = \sum_{k=1}^n (1-\cos^2\theta_k)

n-\sum_{k=1}^n \cos^2\theta_k \geq n-1

$$

が成り立つ。

また、$\sin\theta_k\geq 0$ なので、

$$ \left(\sum_{k=1}^n \sin\theta_k\right)^2 = \sum_{k=1}^n \sin^2\theta_k + 2\sum_{1\leq j<k\leq n}\sin\theta_j\sin\theta_k \geq \sum_{k=1}^n \sin^2\theta_k

$$

である。

したがって、

$$ \left(\sum_{k=1}^n \sin\theta_k\right)^2 \geq n-1

$$

となる。さらに $\sum_{k=1}^n \sin\theta_k\geq 0$ より、

$$ \sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n \geq \sqrt{n-1}

$$

が従う。

解説

(1) の本質は、偏角がすべて $0$ から $\dfrac{\pi}{2}$ の範囲にあるため、任意の2つの複素数のなす角が $90^\circ$ 以下になり、内積に相当する交差項が非負になることである。

(2) は、$\cos\theta_k+i\sin\theta_k$ を考えると、各点が単位円上の第1象限にある複素数になる。この置き方により、(1) の不等式をそのまま利用できる。特に、条件 $\sum \cos\theta_k=1$ が和の実部を固定する条件として働き、虚部の和、すなわち $\sum \sin\theta_k$ の下限が得られる。

複素数を使う解法では、(1) と (2) のつながりが明確になる。一方、解法2のように、非負数の平方和と和の平方の関係だけでも (2) は示せる。

答え

**(1)**

$$ |z_1|^2+|z_2|^2+\cdots+|z_n|^2 \leq |z_1+z_2+\cdots+z_n|^2

$$

が成り立つ。

**(2)**

$$ \sqrt{n-1} \leq \sin\theta_1+\sin\theta_2+\cdots+\sin\theta_n

$$

が成り立つ。

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