基礎問題集
数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題3 解説
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解説
方針・初手
漸化式は一次式であるから、定数項を消すために平行移動する。すなわち、ある複素数 $\alpha$ を用いて $z_n-\alpha$ が等比数列になるようにするのが基本方針である。
ここで
$$ r=\frac{1+\sqrt{3}i}{2}
$$
とおくと、漸化式は
$$ z_{n+1}=rz_n+1
$$
である。
解法1
まず、$z_2,z_3$ を求める。
$$ z_2=rz_1+1=r+1
$$
より、
$$ z_2=\frac{1+\sqrt{3}i}{2}+1 =\frac{3+\sqrt{3}i}{2}
$$
である。
次に、
$$ z_3=rz_2+1=r(r+1)+1=r^2+r+1
$$
である。ここで
$$ r^2=\left(\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)^2 =\frac{-1+\sqrt{3}i}{2}
$$
だから、
$$ z_3=\frac{-1+\sqrt{3}i}{2} +\frac{1+\sqrt{3}i}{2} +1 =1+\sqrt{3}i
$$
である。
次に、漸化式を
$$ z_{n+1}-\alpha=r(z_n-\alpha)
$$
と表せるようにする。この式を展開すると、
$$ z_{n+1}=rz_n+(1-r)\alpha
$$
である。もとの漸化式 $z_{n+1}=rz_n+1$ と比較して、
$$ (1-r)\alpha=1
$$
が必要である。
したがって、
$$ \alpha=\frac{1}{1-r}
$$
である。ここで
$$ 1-r=1-\frac{1+\sqrt{3}i}{2} =\frac{1-\sqrt{3}i}{2}
$$
だから、
$$ \alpha =\frac{2}{1-\sqrt{3}i} =\frac{2(1+\sqrt{3}i)}{1+3} =\frac{1+\sqrt{3}i}{2}
$$
となる。よって
$$ \alpha=r=\frac{1+\sqrt{3}i}{2}
$$
である。
このとき、
$$ z_{n+1}-r=r(z_n-r)
$$
であるから、数列 $z_n-r$ は公比 $r$ の等比数列である。したがって、
$$ z_n-r=r^{n-1}(z_1-r)
$$
である。
$z_1=1$ より、
$$ z_1-r =1-\frac{1+\sqrt{3}i}{2} =\frac{1-\sqrt{3}i}{2}
$$
である。また
$$ \frac{1-\sqrt{3}i}{2}=r^{-1}
$$
であるから、
$$ z_n-r=r^{n-1}r^{-1}=r^{n-2}
$$
となる。よって一般項は
$$ z_n=r+r^{n-2}
$$
すなわち
$$ z_n=\frac{1+\sqrt{3}i}{2} +\left(\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)^{n-2}
$$
である。
最後に、
$$ z_n=-\frac{1-\sqrt{3}i}{2}
$$
となる自然数 $n$ を求める。
右辺は
$$ -\frac{1-\sqrt{3}i}{2} =-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}i =r^2
$$
である。したがって、
$$ z_n=r^2
$$
となる条件を求めればよい。
一般項 $z_n=r+r^{n-2}$ より、
$$ r+r^{n-2}=r^2
$$
である。よって
$$ r^{n-2}=r^2-r
$$
となる。
ここで
$$ r^2-r = \frac{-1+\sqrt{3}i}{2} -\frac{1+\sqrt{3}i}{2} =-1
$$
であるから、
$$ r^{n-2}=-1
$$
である。
また、
$$ r=\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}
$$
なので $r^6=1$ かつ $r^3=-1$ である。したがって
$$ r^{n-2}=r^3
$$
となる条件は
$$ n-2\equiv 3 \pmod{6}
$$
である。よって
$$ n\equiv 5 \pmod{6}
$$
である。
したがって、求める自然数は
$$ n=6k+5 \quad (k=0,1,2,\ldots)
$$
である。
解説
一次漸化式 $z_{n+1}=az_n+b$ は、固定点 $\alpha$ を使って $z_n-\alpha$ の形に直すのが標準的である。本問では $\alpha=r$ となるため、漸化式は等比数列に帰着する。
また、
$$ \frac{1+\sqrt{3}i}{2} =\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}
$$
であることから、累乗は周期 $6$ をもつ。この周期性を使うと、最後の条件 $z_n=-\dfrac{1-\sqrt{3}i}{2}$ は合同式で処理できる。
答え
**(1)**
$$ z_2=\frac{3+\sqrt{3}i}{2},\qquad z_3=1+\sqrt{3}i
$$
**(2)**
$$ \alpha=\frac{1+\sqrt{3}i}{2}
$$
**(3)**
$$ z_n=\frac{1+\sqrt{3}i}{2} +\left(\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)^{n-2}
$$
**(4)**
$$ n=6k+5 \quad (k=0,1,2,\ldots)
$$