基礎問題集
数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題11 解説
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解説
方針・初手
$x^n=1$ の解は、複素平面上の単位円を $n$ 等分する点である。したがって、まず $1$ の $n$ 乗根を三角関数表示で書く。
そのうえで、(2) は解と係数の関係を用いる。(3) は (1) で求めた $1$ の $n$ 乗根の和が $0$ になることを利用して、実部を取り出せばよい。
解法1
**(1)**
複素数 $x$ を極形式で
$$ x=r(\cos\theta+i\sin\theta)
$$
とおく。
$x^n=1$ であるから、絶対値について
$$ r^n=1
$$
となる。$r\geqq0$ より $r=1$ である。
また、偏角については、$1$ の偏角が $2m\pi$ と表せるので、
$$ n\theta=2m\pi
$$
すなわち
$$ \theta=\frac{2m\pi}{n}
$$
である。
$m$ を整数全体で動かしても、異なる解は $n$ 個だけであり、$m=0,1,2,\dots,n-1$ とすればすべて得られる。
したがって、方程式 $x^n=1$ を満たす複素数は
$$ x=\cos\frac{2k\pi}{n}+i\sin\frac{2k\pi}{n} \quad (k=0,1,2,\dots,n-1)
$$
である。
**(2)**
方程式
$$ c_0x^n+c_1x^{n-1}+\cdots+c_n=0
$$
の解を $\alpha_1,\alpha_2,\dots,\alpha_n$ とする。ただし、重解がある場合は重複して数える。
左辺は
$$ c_0(x-\alpha_1)(x-\alpha_2)\cdots(x-\alpha_n)
$$
と表せる。
これを展開すると、$x^{n-1}$ の係数は
$$ -c_0(\alpha_1+\alpha_2+\cdots+\alpha_n)
$$
である。
一方、もとの多項式の $x^{n-1}$ の係数は $c_1$ であるから、
$$ -c_0(\alpha_1+\alpha_2+\cdots+\alpha_n)=c_1
$$
となる。よって、
$$ \alpha_1+\alpha_2+\cdots+\alpha_n=-\frac{c_1}{c_0}
$$
である。
**(3)**
(1) より、方程式 $x^n=1$ の解は
$$ 1,\ \cos\frac{2\pi}{n}+i\sin\frac{2\pi}{n},\ \cos\frac{4\pi}{n}+i\sin\frac{4\pi}{n},\ \dots,\ \cos\frac{2(n-1)\pi}{n}+i\sin\frac{2(n-1)\pi}{n}
$$
である。
一方、$x^n=1$ は
$$ x^n-1=0
$$
であり、これは
$$ x^n+0x^{n-1}+\cdots-1=0
$$
と見られる。
(2) の結果を用いると、この方程式の解の和は
$$ -\frac{0}{1}=0
$$
である。
したがって、
$$ \sum_{k=0}^{n-1} \left( \cos\frac{2k\pi}{n}+i\sin\frac{2k\pi}{n} \right)=0
$$
となる。
この等式の実部を比較すると、
$$ \sum_{k=0}^{n-1}\cos\frac{2k\pi}{n}=0
$$
である。ここで $k=0$ の項は
$$ \cos0=1
$$
なので、
$$ 1+\sum_{k=1}^{n-1}\cos\frac{2k\pi}{n}=0
$$
となる。
よって、
$$ \sum_{k=1}^{n-1}\cos\frac{2k\pi}{n}=-1
$$
である。
解説
この問題では、$1$ の $n$ 乗根を単位円上の点として捉えることが中心である。
(1) では、絶対値が $1$ で、偏角が $\frac{2\pi}{n}$ ずつずれる $n$ 個の点を求める。
(2) では、一般の $n$ 次方程式に対して、解の和が $x^{n-1}$ の係数だけで決まることを確認する。
(3) では、$1$ の $n$ 乗根全体の和が $0$ になることを使い、その実部を取り出す。$k=0$ の項である $\cos0=1$ を引く点に注意する必要がある。
答え
**(1)**
$$ x=\cos\frac{2k\pi}{n}+i\sin\frac{2k\pi}{n} \quad (k=0,1,2,\dots,n-1)
$$
**(2)**
$$ \alpha_1+\alpha_2+\cdots+\alpha_n=-\frac{c_1}{c_0}
$$
**(3)**
$$ \sum_{k=1}^{n-1}\cos\frac{2k\pi}{n}=-1
$$