基礎問題集
数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題14 解説
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解説
方針・初手
分母 $z-z^{-1}$ は共通なので、まず $z^{n-1}a_n$ を等比数列の和に直す。これにより $a_n$ の形が見えやすくなり、三角関数表示や周期性も処理しやすくなる。
解法1
まず
$$ a_n=\frac{z^n-z^{-n}}{z-z^{-1}}
$$
であるから、両辺に $z^{n-1}$ をかけると
$$ z^{n-1}a_n = \frac{z^{2n-1}-z^{-1}}{z-z^{-1}}
$$
となる。分母を $z-z^{-1}=\dfrac{z^2-1}{z}$ と直すと、
$$ z^{n-1}a_n = \frac{z^{2n}-1}{z^2-1}
$$
である。ここで $z\neq \pm 1$ より $z^2\neq 1$ なので、等比数列の和の公式を用いて
$$ z^{n-1}a_n = 1+z^2+z^4+\cdots+z^{2n-2}
$$
となる。したがって、求める多項式は
$$ z^{n-1}a_n=\sum_{j=0}^{n-1}z^{2j}
$$
である。
次に、$z=\cos\theta+i\sin\theta$ とする。このとき
$$ z^{-1}=\cos\theta-i\sin\theta
$$
であり、一般に
$$ z^k+z^{-k}=2\cos k\theta
$$
が成り立つ。
まず
$$ a_2=\frac{z^2-z^{-2}}{z-z^{-1}}
$$
について、分子を因数分解すると
$$ z^2-z^{-2}=(z-z^{-1})(z+z^{-1})
$$
であるから、
$$ a_2=z+z^{-1}=2\cos\theta
$$
である。
次に
$$ a_3=\frac{z^3-z^{-3}}{z-z^{-1}}
$$
について、
$$ z^3-z^{-3}=(z-z^{-1})(z^2+1+z^{-2})
$$
より、
$$ a_3=z^2+1+z^{-2}
$$
である。したがって
$$ a_3=1+2\cos2\theta
$$
となる。
同様に、
$$ z^4-z^{-4}=(z-z^{-1})(z^3+z+z^{-1}+z^{-3})
$$
であるから、
$$ a_4=z^3+z+z^{-1}+z^{-3}
$$
となる。よって
$$ a_4=2\cos3\theta+2\cos\theta
$$
である。
次に、$z^m=1$ とする。このとき
$$ z^{m+n}=z^m z^n=z^n
$$
であり、また $z^m=1$ より $z^{-m}=1$ も成り立つので
$$ z^{-(m+n)}=z^{-m}z^{-n}=z^{-n}
$$
である。したがって
$$ \begin{aligned} a_{m+n} &= \frac{z^{m+n}-z^{-(m+n)}}{z-z^{-1}}\\ &= \frac{z^n-z^{-n}}{z-z^{-1}}\\ &= a_n \end{aligned} $$
となる。よって
$$ a_n=a_{m+n}
$$
が示された。
最後に、
$$ z=\cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}
$$
とする。このとき $z^6=1$ であるから、前問より
$$ a_{n+6}=a_n
$$
である。したがって $a_n$ は周期 $6$ をもつ。
また、
$$ z=e^{i\pi/3}
$$
と書けるので、
$$ \begin{aligned} a_n &= \frac{e^{in\pi/3}-e^{-in\pi/3}}{e^{i\pi/3}-e^{-i\pi/3}}\\ &= \frac{2i\sin\frac{n\pi}{3}}{2i\sin\frac{\pi}{3}}\\ &= \frac{\sin\frac{n\pi}{3}}{\sin\frac{\pi}{3}} \end{aligned} $$
である。ここで
$$ \sin\frac{\pi}{3}=\frac{\sqrt{3}}{2}
$$
なので、
$$ a_n=\frac{2}{\sqrt{3}}\sin\frac{n\pi}{3}
$$
となる。
$n$ を $6$ で割った余りで分類すると、
$$ a_n= \begin{cases} 1 & (n\equiv 1,2 \pmod 6),\\ 0 & (n\equiv 0,3 \pmod 6),\\ -1 & (n\equiv 4,5 \pmod 6). \end{cases}
$$
解説
この問題の中心は、$a_n$ が
$$ \frac{z^n-z^{-n}}{z-z^{-1}}
$$
という形をしている点である。これは $z$ と $z^{-1}$ の差で割っているので、等比数列の和として整理できる。
特に
$$ z^{n-1}a_n=1+z^2+z^4+\cdots+z^{2n-2}
$$
とできることが重要である。この形にしておくと、多項式表示だけでなく、$z^m=1$ のときの周期性も見通しやすい。
また、$z=\cos\theta+i\sin\theta$ のときは
$$ z^k+z^{-k}=2\cos k\theta
$$
を使うのが基本である。$a_2,a_3,a_4$ は、分子を因数分解してから $z^k+z^{-k}$ の形にまとめればよい。
答え
**(1)**
$$ z^{n-1}a_n=1+z^2+z^4+\cdots+z^{2n-2} = \sum_{j=0}^{n-1}z^{2j}
$$
**(2)**
$$ a_2=2\cos\theta
$$
$$ a_3=1+2\cos2\theta
$$
$$ a_4=2\cos\theta+2\cos3\theta
$$
**(3)**
$$ a_n=a_{m+n}
$$
**(4)**
$$ a_n= \frac{2}{\sqrt{3}}\sin\frac{n\pi}{3}
$$
すなわち
$$ a_n= \begin{cases} 1 & (n\equiv 1,2 \pmod 6),\\ 0 & (n\equiv 0,3 \pmod 6),\\ -1 & (n\equiv 4,5 \pmod 6). \end{cases}
$$