基礎問題集
数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題23 解説
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解説
方針・初手
2つの複素数
$$ \frac{1-\sqrt{3}i}{2},\qquad \frac{1+\sqrt{3}i}{2}
$$
は絶対値が $1$ で、偏角がそれぞれ $-\frac{\pi}{3}$ $\frac{\pi}{3}$ である。したがって三角関数表示に直すと、$z_n$ は正弦を用いて簡単に表せる。
解法1
まず、
$$ \frac{1-\sqrt{3}i}{2} = \cos\left(-\frac{\pi}{3}\right)+i\sin\left(-\frac{\pi}{3}\right)
$$
$$ \frac{1+\sqrt{3}i}{2} = \cos\frac{\pi}{3}+i\sin\frac{\pi}{3}
$$
であるから、ド・モアブルの定理より
$$ \left(\frac{1-\sqrt{3}i}{2}\right)^n = \cos\left(-\frac{n\pi}{3}\right)+i\sin\left(-\frac{n\pi}{3}\right)
$$
$$ \left(\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)^n = \cos\frac{n\pi}{3}+i\sin\frac{n\pi}{3}
$$
である。
ここで
$$ \cos\left(-\frac{n\pi}{3}\right)=\cos\frac{n\pi}{3},\qquad \sin\left(-\frac{n\pi}{3}\right)=-\sin\frac{n\pi}{3}
$$
より、
$$ \begin{aligned} \left(\frac{1-\sqrt{3}i}{2}\right)^n &= \left(\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)^n \\ -2i\sin\frac{n\pi}{3} \end{aligned} $$
となる。
したがって
$$ \begin{aligned} z_n &= \frac{i}{\sqrt{3}}\left(-2i\sin\frac{n\pi}{3}\right)\\ &= \frac{2}{\sqrt{3}}\sin\frac{n\pi}{3} \end{aligned} $$
である。
よって $n$ を $6$ で割った余りごとに $z_n$ を調べると、
$$ \begin{array}{c|cccccc} n \bmod 6 & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & 0 \\ \hline z_n & 1 & 1 & 0 & -1 & -1 & 0 \end{array}
$$
となる。
$100$ を $6$ で割ると
$$ 100=6\cdot 16+4
$$
であるから、$100\equiv 4 \pmod{6}$ である。したがって
$$ z_{100}=-1
$$
である。
次に、$z_n$ は周期 $6$ をもち、
$$ \begin{aligned} z_1+z_2+z_3+z_4+z_5+z_6 &= 1+1+0-1-1+0\\ &= 0 \end{aligned} $$
である。
したがって、$1$ から $96$ までの和は $6$ 項ずつまとめると $0$ である。残りは $z_{97}$ から $z_{100}$ までである。
$$ 97\equiv 1,\quad 98\equiv 2,\quad 99\equiv 3,\quad 100\equiv 4 \pmod{6}
$$
より、
$$ \begin{aligned} z_{97}+z_{98}+z_{99}+z_{100} &= 1+1+0-1\\ &= 1 \end{aligned} $$
である。
よって
$$ \sum_{k=1}^{100}z_k=1
$$
である。
解説
この問題の本質は、与えられた複素数が
$$ \cos\frac{\pi}{3}\pm i\sin\frac{\pi}{3}
$$
の形になっていることを見抜く点である。
そのまま二項展開するのではなく、極形式にしてド・モアブルの定理を使うと、$z_n$ は
$$ z_n=\frac{2}{\sqrt{3}}\sin\frac{n\pi}{3}
$$
という実数列になる。あとは周期 $6$ の数列として処理すればよい。
答え
イ:$-1$
ウ:$1$