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数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題24 解説

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数学C複素数平面ド・モアブルの定理問題24
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数学C 複素数平面 ド・モアブルの定理 問題24の問題画像
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解説

方針・初手

各 $Y_k$ は偏角が $\dfrac{\pi}{3}X_k$ の複素数であるから,積 $Z_n$ の偏角は $X_1+\cdots+X_n$ で決まる。

そこで

$$ S_n=X_1+X_2+\cdots+X_n

$$

とおくと,

$$ Z_n=\cos\left(\frac{\pi}{3}S_n\right)+i\sin\left(\frac{\pi}{3}S_n\right)

$$

である。したがって,$Z_n$ が実数である条件は

$$ \sin\left(\frac{\pi}{3}S_n\right)=0

$$

すなわち

$$ S_n\equiv 0 \pmod 3

$$

である。

解法1

まず,$X_k$ の確率分布は

$$ P(X_k=1)=\frac16,\quad P(X_k=-1)=\frac16,\quad P(X_k=0)=\frac46=\frac23

$$

である。

(1)

$Z_2$ が実数である条件は

$$ S_2=X_1+X_2\equiv 0 \pmod 3

$$

である。

$S_2$ は $-2,-1,0,1,2$ のいずれかなので,$S_2\equiv 0 \pmod 3$ となるのは $S_2=0$ の場合だけである。

$S_2=0$ となるのは,次のいずれかである。

よって

$$ P(S_2=0)=\left(\frac23\right)^2+2\cdot\frac16\cdot\frac16 =\frac49+\frac1{18} =\frac12

$$

したがって,$Z_2$ が実数でない確率は

$$ 1-\frac12=\frac12

$$

である。

(2)

$Z_k$ が実数でない条件は

$$ S_k\not\equiv 0 \pmod 3

$$

である。したがって,$Z_1,Z_2,\ldots,Z_n$ がいずれも実数でないとは,

$$ S_1,S_2,\ldots,S_n

$$

がすべて $3$ の倍数でないということである。

はじめは $S_0=0$ である。まず $S_1$ が $3$ の倍数でないためには,$X_1=1$ または $X_1=-1$ でなければならない。よってその確率は

$$ \frac16+\frac16=\frac13

$$

である。

次に,ある時点で $S_k\not\equiv 0 \pmod 3$ であるとする。このとき,次の $X_{k+1}$ によって $S_{k+1}\equiv 0 \pmod 3$ になってしまう値は,$X_{k+1}=1,-1,0$ のうちちょうど1つである。

その値が出る確率は $\dfrac16$ であるから,$S_{k+1}\not\equiv 0 \pmod 3$ のままである確率は

$$ 1-\frac16=\frac56

$$

である。

よって,$Z_1,Z_2,\ldots,Z_n$ がいずれも実数でない確率は

$$ \frac13\left(\frac56\right)^{n-1}

$$

である。

(3)

$Z_n$ が実数である確率を

$$ p_n=P(S_n\equiv 0 \pmod 3)

$$

とする。

また,対称性より

$$ P(S_n\equiv 1 \pmod 3)=P(S_n\equiv 2 \pmod 3)

$$

である。したがって,この共通の確率を $q_n$ とおくと,

$$ p_n+2q_n=1

$$

より

$$ q_n=\frac{1-p_n}{2}

$$

である。

$S_{n+1}\equiv 0 \pmod 3$ となるのは,次の3通りである。

したがって

$$ p_{n+1} =\frac23p_n+\frac16q_n+\frac16q_n =\frac23p_n+\frac13q_n

$$

である。ここに $q_n=\dfrac{1-p_n}{2}$ を代入すると,

$$ p_{n+1} =\frac23p_n+\frac13\cdot\frac{1-p_n}{2} =\frac12p_n+\frac16

$$

となる。

よって

$$ p_{n+1}-\frac13 =\frac12\left(p_n-\frac13\right)

$$

である。

また,$S_0=0$ だから $p_0=1$ である。したがって

$$ p_n-\frac13 =\left(\frac12\right)^n\left(p_0-\frac13\right) =\left(\frac12\right)^n\cdot\frac23

$$

より

$$ p_n=\frac13+\frac23\left(\frac12\right)^n

$$

である。

したがって

$$ \lim_{n\to\infty}p_n = \lim_{n\to\infty}\left\{\frac13+\frac23\left(\frac12\right)^n\right\} =\frac13

$$

である。

解説

この問題の本質は,複素数の積を直接計算することではなく,偏角の和に変換することである。

$Y_k$ は $X_k=1,-1,0$ に応じて偏角が $\dfrac{\pi}{3},-\dfrac{\pi}{3},0$ だけ変化する。したがって,$Z_n$ が実数かどうかは,偏角の合計が $\pi$ の整数倍になるかどうか,つまり $S_n=X_1+\cdots+X_n$ が $3$ の倍数になるかどうかで判定できる。

**(2)**

では,各時点で $S_k$ が $3$ の倍数に戻らない確率を考える。非零の剰余にいるとき,次に $0$ に戻してしまう目はただ1通りで,その確率が常に $\dfrac16$ である点が重要である。

**(3)**

では,$S_n$ の値そのものではなく,$3$ で割った余りだけを追えばよい。剰余 $1$ と $2$ は対称なので,実数となる確率 $p_n$ だけの漸化式に落とせる。

答え

**(1)**

$$ \frac12

$$

**(2)**

$$ \frac13\left(\frac56\right)^{n-1}

$$

**(3)**

$$ p_n=\frac13+\frac23\left(\frac12\right)^n

$$

$$ \lim_{n\to\infty}p_n=\frac13

$$

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