基礎問題集
数学C 複素数平面「ド・モアブルの定理」の問題28 解説
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解説
方針・初手
$z^2$ をひとまとまりに見る。与えられた方程式は $z^2$ についての2次方程式であり、その根が5乗して $1$ になる複素数であることを示せば、$z^{10}=1$ が従う。
その後、$z+z^3+z^5+z^7+z^9$ は初項 $z$、公比 $z^2$ の等比数列の和として処理する。
解法1
$w=z^2$ とおくと、与えられた方程式は
$$ 2w^2+(1-\sqrt{5})w+2=0
$$
である。両辺を $2$ で割ると、
$$ w^2-\frac{\sqrt{5}-1}{2}w+1=0
$$
となる。
この2次方程式の2つの根を $\alpha,\beta$ とすると、解と係数の関係より
$$ \alpha+\beta=\frac{\sqrt{5}-1}{2},\qquad \alpha\beta=1
$$
である。
一方、5乗根の性質から、$1$ でない5乗根 $\omega$ について
$$ 1+\omega+\omega^2+\omega^3+\omega^4=0
$$
が成り立つ。ここで $\omega+\omega^4$ と $\omega^2+\omega^3$ を分けて考える。
$\omega=e^{2\pi i/5}$ とすると、$\omega^4=\omega^{-1}$ であるから
$$ \omega+\omega^4=2\cos\frac{2\pi}{5}
$$
である。また
$$ 1+\omega+\omega^2+\omega^3+\omega^4=0
$$
より
$$ 1+2\cos\frac{2\pi}{5}+2\cos\frac{4\pi}{5}=0
$$
である。
$\cos\frac{4\pi}{5}=-\cos\frac{\pi}{5}$ であるから、
$$ 1+2\cos\frac{2\pi}{5}-2\cos\frac{\pi}{5}=0
$$
が成り立つ。さらに後で示すように
$$ \cos\frac{\pi}{5}\cos\frac{2\pi}{5}=\frac14
$$
であることと合わせれば、
$$ 2\cos\frac{2\pi}{5}=\frac{\sqrt5-1}{2}
$$
となる。
したがって、$w=z^2$ は
$$ w^2-\frac{\sqrt{5}-1}{2}w+1=0
$$
を満たすので、$w$ は
$$ e^{2\pi i/5},\ e^{-2\pi i/5}
$$
のいずれかである。よって
$$ w^5=1
$$
である。
$w=z^2$ であったから、
$$ (z^2)^5=1
$$
すなわち
$$ z^{10}=1
$$
である。これで (1) が示された。
次に (2) を求める。求める和を $S$ とおくと、
$$ S=z+z^3+z^5+z^7+z^9
$$
である。これは
$$ S=z(1+z^2+z^4+z^6+z^8)
$$
と書ける。
ここで $w=z^2$ とおくと、上で見たように $w^5=1$ である。また、$w=1$ だとすると、もとの方程式に代入して
$$ 2+(1-\sqrt5)+2=5-\sqrt5\neq 0
$$
となり矛盾する。したがって
$$ w\neq 1
$$
である。
よって、等比数列の和より
$$ 1+w+w^2+w^3+w^4=\frac{w^5-1}{w-1}=0
$$
である。したがって
$$ S=z(1+w+w^2+w^3+w^4)=0
$$
となる。
よって
$$ z+z^3+z^5+z^7+z^9=0
$$
である。
最後に (3) を示す。
5乗根の和
$$ 1+\omega+\omega^2+\omega^3+\omega^4=0
$$
において、$\omega=e^{2\pi i/5}$ とする。両辺の実部をとると、
$$ 1+\cos\frac{2\pi}{5}+\cos\frac{4\pi}{5} +\cos\frac{6\pi}{5}+\cos\frac{8\pi}{5}=0
$$
である。
ここで
$$ \cos\frac{6\pi}{5}=\cos\frac{4\pi}{5},\qquad \cos\frac{8\pi}{5}=\cos\frac{2\pi}{5}
$$
より、
$$ 1+2\cos\frac{2\pi}{5}+2\cos\frac{4\pi}{5}=0
$$
となる。さらに
$$ \cos\frac{4\pi}{5}=-\cos\frac{\pi}{5}
$$
だから、
$$ 1+2\cos\frac{2\pi}{5}-2\cos\frac{\pi}{5}=0
$$
である。したがって
$$ \cos\frac{\pi}{5}-\cos\frac{2\pi}{5}=\frac12
$$
を得る。
一方、積和公式より
$$ \cos\frac{\pi}{5}\cos\frac{2\pi}{5} = \frac12\left( \cos\frac{3\pi}{5}+\cos\left(-\frac{\pi}{5}\right) \right)
$$
である。ここで
$$ \cos\frac{3\pi}{5}=-\cos\frac{2\pi}{5},\qquad \cos\left(-\frac{\pi}{5}\right)=\cos\frac{\pi}{5}
$$
であるから、
$$ \cos\frac{\pi}{5}\cos\frac{2\pi}{5} = \frac12\left( \cos\frac{\pi}{5}-\cos\frac{2\pi}{5} \right)
$$
となる。上で得た
$$ \cos\frac{\pi}{5}-\cos\frac{2\pi}{5}=\frac12
$$
を代入して、
$$ \begin{aligned} \cos\frac{\pi}{5}\cos\frac{2\pi}{5} &= \frac12\cdot\frac12\\ &= \frac14 \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の中心は、$z$ を直接扱わず、$z^2$ を1つの文字として見ることである。与えられた4次方程式は $z^2$ についての2次方程式なので、$z^2$ が5乗根に関係していることを見抜くと、$z^{10}=1$ が自然に出る。
また、$z+z^3+z^5+z^7+z^9$ は、奇数乗だけを並べた和であるが、$z$ をくくると $z^2$ を公比とする等比数列になる。ここで $z^2\neq 1$ を確認しておくことが重要である。これを省くと、等比数列の和の公式を使う際の条件確認が抜ける。
三角関数の等式は、5乗根の和の実部を取ることで導くのが自然である。$\cos\frac{\pi}{5}$ と $\cos\frac{2\pi}{5}$ の差を先に求め、積和公式で積に変換するのが簡潔である。
答え
**(1)**
$$ z^{10}=1
$$
が成り立つ。
**(2)**
$$ z+z^3+z^5+z^7+z^9=0
$$
**(3)**
$$ \cos\frac{\pi}{5}\cos\frac{2\pi}{5}=\frac14
$$