基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題25 解説
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解説
方針・初手
半直線 $OX,OY$ の向きは、それぞれ単位ベクトル
$$ \frac{\vec a}{|\vec a|},\qquad \frac{\vec b}{|\vec b|}
$$
で表される。角の二等分線の方向ベクトルは、2つの単位方向ベクトルの和で表せることを用いる。
また、$\angle XAB$ は、三角形 $OAB$ における $A$ の外角である。したがって、$A$ から見た2つの半直線 $AX,AB$ の単位方向ベクトルを用いて、その二等分線上にある条件を立てる。
解法1
まず
$$ \vec u=\frac{\vec a}{|\vec a|},\qquad \vec v=\frac{\vec b}{|\vec b|}
$$
とおく。半直線 $OX,OY$ は相異なり、$\angle XOY<180^\circ$ であるから、$\vec u$ と $\vec v$ は反対向きではない。よって $\vec u+\vec v\neq \vec 0$ である。
このとき
$$ (\vec u+\vec v)\cdot \vec u=1+\vec u\cdot \vec v
$$
であり、同様に
$$ (\vec u+\vec v)\cdot \vec v=1+\vec u\cdot \vec v
$$
である。したがって、$\vec u+\vec v$ は $\vec u,\vec v$ の両方となす角が等しい。また、$\vec u+\vec v$ は $\vec u,\vec v$ の正の係数による和であるから、$\angle XOY$ の内部に向かう。
よって、$\angle XOY$ の二等分線の方向ベクトルは
$$ \frac{\vec a}{|\vec a|}+\frac{\vec b}{|\vec b|}
$$
である。したがって、点 $C$ が $\angle XOY$ の二等分線上にあるとき、ある実数 $t$ を用いて
$$ \vec c =t\left(\frac{\vec a}{|\vec a|}+\frac{\vec b}{|\vec b|}\right)
$$
と表される。
次に、点 $P$ を考える。(1) より、$P$ は $\angle XOY$ の二等分線上にあるから、ある実数 $t$ を用いて
$$ \vec p =t\left(\frac{\vec a}{|\vec a|}+\frac{\vec b}{|\vec b|}\right)
$$
と表される。
ここで
$$ x=|\vec a|,\qquad y=|\vec b|,\qquad z=|\vec b-\vec a|
$$
とおく。すると
$$ \vec p=t\left(\frac{\vec a}{x}+\frac{\vec b}{y}\right)
$$
である。
一方、点 $A$ から半直線 $AX$ へ向かう単位方向ベクトルは
$$ \frac{\vec a}{|\vec a|}=\frac{\vec a}{x}
$$
であり、点 $A$ から点 $B$ へ向かう単位方向ベクトルは
$$ \frac{\vec b-\vec a}{|\vec b-\vec a|}=\frac{\vec b-\vec a}{z}
$$
である。したがって、$\angle XAB$ の二等分線の方向ベクトルは
$$ \frac{\vec a}{x}+\frac{\vec b-\vec a}{z}
$$
である。
$P$ はこの二等分線上にもあるので、ある実数 $s$ を用いて
$$ \vec p =\vec a+s\left(\frac{\vec a}{x}+\frac{\vec b-\vec a}{z}\right)
$$
と表される。右辺を $\vec a,\vec b$ について整理すると
$$ \vec p =\vec a+s\left(\frac{1}{x}-\frac{1}{z}\right)\vec a+\frac{s}{z}\vec b
$$
である。
一方、
$$ \vec p=\frac{t}{x}\vec a+\frac{t}{y}\vec b
$$
である。$\vec a,\vec b$ は同一直線上にないから、係数を比較できる。よって
$$ \begin{cases} \dfrac{t}{x}=1+s\left(\dfrac{1}{x}-\dfrac{1}{z}\right),\\ \dfrac{t}{y}=\dfrac{s}{z} \end{cases}
$$
を得る。
第2式から
$$ s=\frac{zt}{y}
$$
である。これを第1式に代入すると
$$ \frac{t}{x} =1+\frac{zt}{y}\left(\frac{1}{x}-\frac{1}{z}\right)
$$
となる。右辺を整理して
$$ \frac{t}{x} =1+\frac{t(z-x)}{xy}
$$
である。両辺に $xy$ をかけると
$$ ty=xy+t(z-x)
$$
となるから、
$$ t(x+y-z)=xy
$$
である。三角形 $OAB$ において $x+y>z$ であるから、
$$ t=\frac{xy}{x+y-z}
$$
を得る。
したがって
$$ \vec p =\frac{xy}{x+y-z}\left(\frac{\vec a}{x}+\frac{\vec b}{y}\right)
$$
であり、整理すると
$$ \vec p =\frac{y\vec a+x\vec b}{x+y-z}
$$
となる。すなわち
$$ \vec p =\frac{|\vec b|\vec a+|\vec a|\vec b}{|\vec a|+|\vec b|-|\vec b-\vec a|}
$$
である。
解説
角の二等分線をベクトルで扱うときは、2つの方向ベクトルをそのまま足すのではなく、まず単位ベクトルにそろえてから足す点が重要である。長さをそろえないまま $\vec a+\vec b$ とすると、角の二等分線ではなく、平行四辺形の対角線方向になってしまう。
また、$\angle XAB$ は三角形 $OAB$ の内角 $\angle OAB$ ではなく、半直線 $AX$ と $AB$ のなす角である。したがって、$A$ から $X$ へ向かう方向は $\vec a$ の向きであり、$A$ から $B$ へ向かう方向は $\vec b-\vec a$ の向きである。この2つの単位方向ベクトルの和を使うことで、$\angle XAB$ の二等分線条件を正しく式にできる。
答え
**(1)**
$$ \vec c =t\left(\frac{\vec a}{|\vec a|}+\frac{\vec b}{|\vec b|}\right)
$$
と表される。
**(2)**
$$ \vec p =\frac{|\vec b|\vec a+|\vec a|\vec b}{|\vec a|+|\vec b|-|\vec b-\vec a|}
$$