基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題41 解説
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解説
方針・初手
与えられた式
$$ \frac{\overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OQ}}{|\overrightarrow{OP}||\overrightarrow{OQ}|}
$$
は、ベクトル $\overrightarrow{OP}$ と $\overrightarrow{OQ}$ のなす角の余弦である。
したがって、点 $Q$ が領域 $D$ 上を動くとき、原点から見た $Q$ の方向がどの範囲を動くかを調べればよい。
解法1
まず領域 $D$ を調べる。直線
$$ y-(1+\sqrt{2})x=\sqrt{2}
$$
と円
$$ x^2+y^2=2
$$
の交点を求める。
直線を
$$ y=(1+\sqrt{2})x+\sqrt{2}
$$
として円に代入すると、
$$ x^2+{(1+\sqrt{2})x+\sqrt{2}}^2=2
$$
より、
$$ x{(4+2\sqrt{2})x+2\sqrt{2}(1+\sqrt{2})}=0
$$
である。よって
$$ x=0,\ -1
$$
を得る。
それぞれの $y$ 座標は
$$ x=0 \quad \Rightarrow \quad y=\sqrt{2},
$$
$$ x=-1 \quad \Rightarrow \quad y=-1
$$
である。したがって交点は
$$ A(0,\sqrt{2}),\quad B(-1,-1)
$$
である。
また、原点 $O(0,0)$ は
$$ 0-(1+\sqrt{2})\cdot 0=0<\sqrt{2}
$$
を満たすので、領域 $D$ は直線の原点と反対側、すなわち円 $x^2+y^2\leqq 2$ の内部のうち直線
$$ y=(1+\sqrt{2})x+\sqrt{2}
$$
の上側である。
したがって $D$ は、弦 $AB$ と円弧 $AB$ に囲まれる部分である。ただし円弧 $AB$ は点 $(-\sqrt{2},0)$ を含む側の円弧である。
次に、点 $Q$ の方向を調べる。点 $Q$ が原点から見て偏角 $\varphi$ の方向にあるとし、
$$ Q=\rho(\cos\varphi,\sin\varphi)
$$
とおく。ただし $0<\rho\leqq\sqrt{2}$ である。
点 $Q$ が直線の上側にある条件は
$$ \rho\sin\varphi-(1+\sqrt{2})\rho\cos\varphi\geqq\sqrt{2}
$$
すなわち
$$ \rho{\sin\varphi-(1+\sqrt{2})\cos\varphi}\geqq\sqrt{2}
$$
である。
ここで $\rho\leqq\sqrt{2}$ であるから、この方向に $D$ の点が存在するための条件は
$$ \sin\varphi-(1+\sqrt{2})\cos\varphi\geqq 1
$$
である。この等号は、先ほど求めた交点 $A,B$ の方向に対応し、
$$ \varphi=\frac{\pi}{2},\quad \frac{5\pi}{4}
$$
で成り立つ。また、その間で不等式が成り立つので、原点から見た $D$ の方向は
$$ \frac{\pi}{2}\leqq \varphi\leqq \frac{5\pi}{4}
$$
である。
一方、
$$ P=(\cos t,\sin t)
$$
であるから、$\overrightarrow{OP}$ の方向は $t$ である。よって、$\overrightarrow{OQ}$ の方向を $\varphi$ とすると、
$$ \frac{\overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OQ}}{|\overrightarrow{OP}||\overrightarrow{OQ}|} =\cos(t-\varphi)
$$
である。
これは、$\overrightarrow{OP}$ と $\overrightarrow{OQ}$ のなす角を $\theta$ とすれば
$$ \frac{\overrightarrow{OP}\cdot\overrightarrow{OQ}}{|\overrightarrow{OP}||\overrightarrow{OQ}|} =\cos\theta
$$
である。
ここで $0\leqq t\leqq \pi$ である。$Q$ の方向は
$$ \frac{\pi}{2}\leqq \varphi\leqq \frac{5\pi}{4}
$$
であるから、$t$ がこの範囲に入るかどうかで最大値が変わる。
**(i)**
$0\leqq t\leqq \dfrac{\pi}{2}$ のとき
$P$ の方向 $t$ に最も近い $D$ の方向は $\varphi=\dfrac{\pi}{2}$ である。よって
$$ f(t)=\cos\left(\frac{\pi}{2}-t\right)=\sin t
$$
である。
**(ii)**
$\dfrac{\pi}{2}\leqq t\leqq \pi$ のとき
$P$ の方向 $t$ 自体が $D$ の方向の範囲に含まれている。したがって $Q$ を $P$ と同じ方向に取ることができ、このときなす角は $0$ である。よって
$$ f(t)=1
$$
である。
以上より、
$$ f(t)= \begin{cases} \sin t & \left(0\leqq t\leqq \dfrac{\pi}{2}\right),\\ 1 & \left(\dfrac{\pi}{2}\leqq t\leqq \pi\right) \end{cases}
$$
である。
特に、$t=\dfrac{\pi}{4}$ のときは $0\leqq t\leqq\dfrac{\pi}{2}$ に含まれるので、最大にする点 $Q$ は方向 $\varphi=\dfrac{\pi}{2}$ にある。これは
$$ Q=(0,\sqrt{2})
$$
である。
したがって
$$ f\left(\frac{\pi}{4}\right)=\sin\frac{\pi}{4}=\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
である。
また、
$$ f\left(\frac{\pi}{3}\right)=\sin\frac{\pi}{3}=\frac{\sqrt{3}}{2}
$$
であり、
$$ f\left(\frac{3\pi}{4}\right)=1
$$
である。
最後に積分を求める。
$$ \int_0^\pi f(t),dt = \int_0^{\pi/2}\sin t,dt+\int_{\pi/2}^{\pi}1,dt
$$
であるから、
$$ \int_0^{\pi/2}\sin t,dt = [-\cos t]_0^{\pi/2} =1
$$
また、
$$ \int_{\pi/2}^{\pi}1,dt = \frac{\pi}{2}
$$
である。よって
$$ \int_0^\pi f(t),dt = 1+\frac{\pi}{2}
$$
である。
解説
この問題の核心は、点 $Q$ の位置そのものではなく、原点から見た点 $Q$ の方向だけが値に影響する点である。
内積を長さで割った式は、2つのベクトルのなす角の余弦である。したがって最大値を考えるには、領域 $D$ が原点から見てどの角度範囲にあるかを把握すればよい。
領域 $D$ は円の内部と半平面の共通部分であり、原点から見ると方向角
$$ \frac{\pi}{2}\leqq \varphi\leqq \frac{5\pi}{4}
$$
の範囲に存在する。そのため、$P$ の方向 $t$ がこの範囲に入っていれば最大値は $1$、入っていなければ最も近い端の方向を選ぶことになる。
答え
**(1)**
領域 $D$ は、円 $x^2+y^2\leqq2$ の内部のうち、直線
$$ y=(1+\sqrt{2})x+\sqrt{2}
$$
の上側である。境界の交点は
$$ (0,\sqrt{2}),\quad (-1,-1)
$$
であり、弦と点 $(-\sqrt{2},0)$ を含む円弧で囲まれる部分である。
**(2)**
$$ [②]=\cos\theta
$$
**(3)**
$$ Q(0,\sqrt{2})
$$
より、
$$ [③]=0,\quad [④]=\sqrt{2}
$$
また、
$$ f\left(\frac{\pi}{4}\right)=\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
であるから、
$$ [⑤]=\frac{\sqrt{2}}{2}
$$
**(4)**
$$ f\left(\frac{\pi}{3}\right)=\frac{\sqrt{3}}{2}
$$
$$ f\left(\frac{3\pi}{4}\right)=1
$$
**(5)**
$$ \int_0^\pi f(t),dt=1+\frac{\pi}{2}
$$