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数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題42 解説
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解説
方針・初手
半径 $1$ の円が外接円であることから、三角形の外接円半径は $1$ である。したがって、正弦定理により各辺を角の正弦で表せる。
一方、上限 $9$ の証明には、円の中心を原点とするベクトル表示を用いると簡潔である。
解法1
辺の長さを
$$ a=BC,\quad b=CA,\quad c=AB
$$
とし、対応する角をそれぞれ
$$ A=\angle BAC,\quad B=\angle CBA,\quad C=\angle ACB
$$
とする。
半径 $1$ の円が外接円であるから、正弦定理より
$$ a=2\sin A,\quad b=2\sin B,\quad c=2\sin C
$$
である。したがって
$$ AB^2+BC^2+CA^2=c^2+a^2+b^2 =4(\sin^2 A+\sin^2 B+\sin^2 C)
$$
である。
ここで、三角形の角について
$$ \sin^2 A+\sin^2 B+\sin^2 C =2+2\cos A\cos B\cos C
$$
が成り立つ。実際、$C=\pi-(A+B)$ より
$$ \begin{aligned} \sin^2 A+\sin^2 B+\sin^2 C &=\sin^2 A+\sin^2 B+\sin^2(A+B)\\ &=2-2\cos A\cos B\cos(A+B)\\ &=2+2\cos A\cos B\cos C \end{aligned}
$$
である。
よって
$$ AB^2+BC^2+CA^2 =8+8\cos A\cos B\cos C
$$
となる。
**(1)**
条件
$$ AB^2+BC^2+CA^2>8
$$
は
$$ 8+8\cos A\cos B\cos C>8
$$
と同値であるから、
$$ \cos A\cos B\cos C>0
$$
である。
三角形の角のうち、$90^\circ$ 以上の角は高々 $1$ つである。もし三角形が鋭角三角形でなければ、ある角が $90^\circ$ 以上である。
その角が直角なら、対応する余弦は $0$ であるから
$$ \cos A\cos B\cos C=0
$$
となる。
その角が鈍角なら、その角の余弦は負であり、残りの二角は鋭角なので余弦は正である。したがって
$$ \cos A\cos B\cos C<0
$$
となる。
いずれの場合も
$$ \cos A\cos B\cos C>0
$$
に反する。したがって、$A,B,C$ はすべて鋭角であり、$\triangle ABC$ は鋭角三角形である。
**(2)**
円の中心を $O$ とし、$O$ を原点とする位置ベクトルを
$$ \vec{OA}=\mathbf{a},\quad \vec{OB}=\mathbf{b},\quad \vec{OC}=\mathbf{c}
$$
とおく。
半径が $1$ であるから
$$ |\mathbf{a}|=|\mathbf{b}|=|\mathbf{c}|=1
$$
である。
このとき
$$ AB^2=|\mathbf{a}-\mathbf{b}|^2 =|\mathbf{a}|^2+|\mathbf{b}|^2-2\mathbf{a}\cdot\mathbf{b} =2-2\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}
$$
である。同様にして
$$ BC^2=2-2\mathbf{b}\cdot\mathbf{c},\quad CA^2=2-2\mathbf{c}\cdot\mathbf{a}
$$
である。
したがって
$$ AB^2+BC^2+CA^2 =6-2(\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}+\mathbf{b}\cdot\mathbf{c}+\mathbf{c}\cdot\mathbf{a})
$$
である。
一方、
$$ |\mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}|^2\geqq 0
$$
より
$$ |\mathbf{a}|^2+|\mathbf{b}|^2+|\mathbf{c}|^2 +2(\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}+\mathbf{b}\cdot\mathbf{c}+\mathbf{c}\cdot\mathbf{a})\geqq 0
$$
である。ここで $|\mathbf{a}|=|\mathbf{b}|=|\mathbf{c}|=1$ だから
$$ 3+2(\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}+\mathbf{b}\cdot\mathbf{c}+\mathbf{c}\cdot\mathbf{a})\geqq 0
$$
となり、
$$ \mathbf{a}\cdot\mathbf{b}+\mathbf{b}\cdot\mathbf{c}+\mathbf{c}\cdot\mathbf{a} \geqq -\frac{3}{2}
$$
を得る。
よって
$$ AB^2+BC^2+CA^2 =6-2(\mathbf{a}\cdot\mathbf{b}+\mathbf{b}\cdot\mathbf{c}+\mathbf{c}\cdot\mathbf{a}) \leqq 6-2\left(-\frac{3}{2}\right)=9
$$
である。
等号が成り立つのは
$$ |\mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}|^2=0
$$
すなわち
$$ \mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}=\mathbf{0}
$$
のときである。
このとき、$|\mathbf{a}|=|\mathbf{b}|=|\mathbf{c}|=1$ であるから、3つの単位ベクトルが和 $0$ になる。これは、3点 $A,B,C$ が円周を $3$ 等分する位置にあることを意味する。
したがって
$$ AB=BC=CA
$$
であり、$\triangle ABC$ は正三角形である。
逆に、$\triangle ABC$ が正三角形であれば、半径 $1$ の外接円における一辺の長さは
$$ 2\sin 60^\circ=\sqrt{3}
$$
であるから
$$ AB^2+BC^2+CA^2 =3\cdot(\sqrt{3})^2=9
$$
となる。
よって等号成立は、$\triangle ABC$ が正三角形である場合に限られる。
解説
**(1)**
では、半径 $1$ の外接円をもつ三角形であることから、辺の長さを $2\sin$ で表すのが自然である。辺の二乗和は角の余弦積に変換され、
$$ AB^2+BC^2+CA^2=8+8\cos A\cos B\cos C
$$
となる。この式により、$8$ との大小が三角形の角の鋭角・鈍角の判定に直結する。
**(2)**
では、三角関数で最大値を調べるよりも、中心を原点にしたベクトル表示の方が処理しやすい。特に
$$ |\mathbf{a}+\mathbf{b}+\mathbf{c}|^2\geqq 0
$$
から内積和の下限を得ることができ、それがそのまま辺の二乗和の上限 $9$ を与える。
答え
**(1)**
$$ AB^2+BC^2+CA^2>8
$$
ならば、$\triangle ABC$ は鋭角三角形である。
**(2)**
$$ AB^2+BC^2+CA^2\leqq 9
$$
である。
等号成立は、$A,B,C$ が円周を $3$ 等分する位置にあるとき、すなわち $\triangle ABC$ が正三角形であるときである。