基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題51 解説
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解説
方針・初手
任意の自然数の組 $(m,n)$ について常に $AE\perp DF$ が成り立つ条件を調べる。比の条件から点 $D,E,F$ の位置ベクトルを表し、垂直条件を内積で式にする。
解法1
点 $A$ を原点とし、
$$ \overrightarrow{AB}=\mathbf{b},\qquad \overrightarrow{AC}=\mathbf{c}
$$
とおく。
$D,E,F$ はそれぞれ辺 $AB,BC,CA$ を $m:n$ に分ける点なので、
$$ D=\frac{m}{m+n}\mathbf{b}
$$
である。また、$E$ は $BE:EC=m:n$ を満たすから、
$$ E=\frac{n\mathbf{b}+m\mathbf{c}}{m+n}
$$
であり、$F$ は $CF:FA=m:n$ を満たすから、
$$ F=\frac{n\mathbf{c}}{m+n}
$$
である。
したがって、
$$ \overrightarrow{AE} = \frac{n\mathbf{b}+m\mathbf{c}}{m+n}
$$
また、
$$ \overrightarrow{DF} = \frac{n\mathbf{c}-m\mathbf{b}}{m+n}
$$
である。
条件 $AE\perp DF$ は
$$ \overrightarrow{AE}\cdot\overrightarrow{DF}=0
$$
と表せる。よって、
$$ (n\mathbf{b}+m\mathbf{c})\cdot(n\mathbf{c}-m\mathbf{b})=0
$$
である。これを展開すると、
$$ n^2\mathbf{b}\cdot\mathbf{c} -mn|\mathbf{b}|^2 +mn|\mathbf{c}|^2 -m^2\mathbf{b}\cdot\mathbf{c} =0
$$
すなわち、
$$ (n^2-m^2)\mathbf{b}\cdot\mathbf{c} +mn\left(|\mathbf{c}|^2-|\mathbf{b}|^2\right)=0
$$
である。
この式がすべての自然数 $m,n$ について成り立つ。
まず $m=n$ とすると、第1項は $0$ になるので、
$$ mn\left(|\mathbf{c}|^2-|\mathbf{b}|^2\right)=0
$$
である。$m,n$ は自然数だから $mn\neq 0$ であり、
$$ |\mathbf{c}|^2=|\mathbf{b}|^2
$$
が得られる。したがって、
$$ AC=AB
$$
である。
次に、$m\neq n$ となる自然数の組をとる。すでに $|\mathbf{c}|^2=|\mathbf{b}|^2$ が分かっているので、垂直条件の式は
$$ (n^2-m^2)\mathbf{b}\cdot\mathbf{c}=0
$$
となる。ここで $m\neq n$ だから $n^2-m^2\neq 0$ である。よって、
$$ \mathbf{b}\cdot\mathbf{c}=0
$$
である。
これは
$$ \overrightarrow{AB}\perp\overrightarrow{AC}
$$
を意味する。したがって、
$$ AB=AC,\qquad \angle BAC=90^\circ
$$
である。
逆に、$AB=AC$ かつ $\angle BAC=90^\circ$ ならば、
$$ |\mathbf{b}|^2=|\mathbf{c}|^2,\qquad \mathbf{b}\cdot\mathbf{c}=0
$$
であるから、
$$ (n^2-m^2)\mathbf{b}\cdot\mathbf{c} +mn\left(|\mathbf{c}|^2-|\mathbf{b}|^2\right)=0
$$
がすべての自然数 $m,n$ について成り立つ。よって、確かに常に $AE\perp DF$ となる。
解説
「どんな自然数の組 $(m,n)$ をとっても」という条件が強い。垂直条件を一度 $m,n$ の式に直すと、その式が恒等的に成り立つ必要がある。
特に $m=n$ を代入すると辺の長さの条件が出て、次に $m\neq n$ を代入すると内積が $0$ であることが出る。この2段階で、$AB=AC$ と $AB\perp AC$ が決まる。
答え
$\triangle ABC$ は、$A$ を直角とする直角二等辺三角形である。
すなわち、
$$ AB=AC,\qquad \angle BAC=90^\circ
$$
である。