基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題77 解説
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解説
方針・初手
まず $O$ を原点とし、$\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OP}$ を位置ベクトルで表す。与えられたベクトル方程式から $\overrightarrow{OP}$ を $\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB}$ の一次結合で表し、直線 $OP$ と直線 $AB$ の交点条件を用いて $C$ の位置を決める。
面積比は、三角形 $OAB$ と $PAB$ が共通の底辺 $AB$ をもつことに注目し、$O,P,C$ が一直線上にあることから高さの比に帰着させる。
解法1
$\overrightarrow{OA}=\mathbf{u},\ \overrightarrow{OB}=\mathbf{v},\ \overrightarrow{OP}=\mathbf{p}$ とおく。
このとき
$$ \overrightarrow{PO}=-\mathbf{p},\quad \overrightarrow{PA}=\mathbf{u}-\mathbf{p},\quad \overrightarrow{PB}=\mathbf{v}-\mathbf{p}
$$
であるから、与えられた式は
$$ (2-t)(-\mathbf{p})+2(1-t)(\mathbf{u}-\mathbf{p})+3t(\mathbf{v}-\mathbf{p})=\mathbf{0}
$$
となる。$\mathbf{p}$ の係数をまとめると
$$ -4\mathbf{p}+2(1-t)\mathbf{u}+3t\mathbf{v}=\mathbf{0}
$$
である。したがって
$$ \mathbf{p} = \frac{1-t}{2}\mathbf{u} + \frac{3t}{4}\mathbf{v}
$$
を得る。
(1)
$C$ は直線 $OP$ 上にあるので、ある実数 $r$ を用いて
$$ \overrightarrow{OC}=r\mathbf{p}
$$
と表せる。先ほどの式を代入すると
$$ \overrightarrow{OC} = r\frac{1-t}{2}\mathbf{u} + r\frac{3t}{4}\mathbf{v}
$$
である。
一方、$C$ は直線 $AB$ 上にあるから、$\overrightarrow{OC}$ を $\mathbf{u},\mathbf{v}$ の一次結合で表したとき、係数の和は $1$ である。よって
$$ r\left(\frac{1-t}{2}+\frac{3t}{4}\right)=1
$$
であり、
$$ r\cdot \frac{t+2}{4}=1
$$
だから
$$ r=\frac{4}{t+2}
$$
となる。したがって
$$ \overrightarrow{OC} = \frac{2(1-t)}{t+2}\mathbf{u} + \frac{3t}{t+2}\mathbf{v}
$$
である。
ここで、直線 $AB$ 上の点 $C$ を
$$ \overrightarrow{OC} = (1-\lambda)\mathbf{u} + \lambda \mathbf{v}
$$
と表すと、
$$ \lambda=\frac{3t}{t+2}
$$
である。よって
$$ |AC|=\lambda |AB|, \quad |BC|=|1-\lambda||AB|
$$
であるから、
$$ \frac{|BC|}{|AC|} = \frac{|1-\lambda|}{\lambda}
$$
となる。これに $\lambda=\dfrac{3t}{t+2}$ を代入すると
$$ \begin{aligned} \frac{|BC|}{|AC|} &= \frac{\left|1-\dfrac{3t}{t+2}\right|}{\dfrac{3t}{t+2}}\\ &= \frac{\left|\dfrac{2-2t}{t+2}\right|}{\dfrac{3t}{t+2}}\\ &= \frac{2|1-t|}{3t} \end{aligned}
$$
である。
(2)
線分 $OC$ が $\angle AOB$ の二等分線であるとする。このとき $C$ は辺 $AB$ 上にある。
三角形 $OAC$ と三角形 $OCB$ は、底辺をそれぞれ $AC,CB$ と見れば、高さが共通である。したがって
$$ \frac{[OAC]}{[OCB]} = \frac{|AC|}{|CB|}
$$
である。
一方、$OC$ が角の二等分線であるから
$$ \angle AOC=\angle COB
$$
である。よって
$$ [OAC] = \frac{1}{2}|OA||OC|\sin\angle AOC
$$
かつ
$$ [OCB] = \frac{1}{2}|OB||OC|\sin\angle COB
$$
である。したがって
$$ \begin{aligned} \frac{[OAC]}{[OCB]} &= \frac{|OA|}{|OB|}\\ &= \frac{a}{b} \end{aligned} $$
となる。
以上より
$$ \frac{|AC|}{|CB|}=\frac{a}{b}
$$
である。したがって、$C$ は辺 $AB$ を $a:b$ に内分する点である。
(3)
(2) より
$$ |AC|:|CB|=a:b
$$
であるから、
$$ \frac{|BC|}{|AC|}=\frac{b}{a}
$$
である。
また、(2) の状況では $C$ は辺 $AB$ 上にあるので、(1) の式では $0<t<1$ の場合に対応する。したがって
$$ \frac{b}{a} = \frac{2(1-t)}{3t}
$$
である。これを解くと
$$ 3bt=2a(1-t)
$$
より
$$ 3bt=2a-2at
$$
したがって
$$ (2a+3b)t=2a
$$
であるから
$$ t=\frac{2a}{2a+3b}
$$
を得る。
また、すでに求めた
$$ \overrightarrow{OC} = \frac{4}{t+2}\overrightarrow{OP}
$$
より
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{t+2}{4}\overrightarrow{OC}
$$
である。$0<t<1$ であるから、$P$ は線分 $OC$ 上にある。よって
$$ \begin{aligned} \frac{|PC|}{|OC|} &= 1-\frac{|OP|}{|OC|}\\ &= 1-\frac{t+2}{4}\\ &= \frac{2-t}{4} \end{aligned} $$
である。
三角形 $OAB$ と三角形 $PAB$ は共通の底辺 $AB$ をもつ。さらに $O,P,C$ は一直線上にあり、$C$ は直線 $AB$ 上にあるため、$AB$ に対する高さの比は
$$ \frac{|PC|}{|OC|}
$$
に等しい。したがって
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= \frac{|PC|}{|OC|}\\ &= \frac{2-t}{4} \end{aligned} $$
である。
ここに
$$ t=\frac{2a}{2a+3b}
$$
を代入すると
$$ \begin{aligned} \frac{S_2}{S_1} &= \frac{1}{4}\left(2-\frac{2a}{2a+3b}\right)\\ &= \frac{1}{4}\cdot \frac{2(2a+3b)-2a}{2a+3b}\\ &= \frac{1}{4}\cdot \frac{2a+6b}{2a+3b}\\ &= \frac{a+3b}{2(2a+3b)} \end{aligned}
$$
となる。
解説
この問題の中心は、与えられたベクトル方程式を位置ベクトルの式に直すことである。$\overrightarrow{PO},\overrightarrow{PA},\overrightarrow{PB}$ はすべて始点が $P$ のベクトルなので、$O$ を原点にすると整理しやすい。
(1) では、$C$ が直線 $OP$ 上にあることと直線 $AB$ 上にあることを同時に使う。直線 $AB$ 上の点は、$\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB}$ の係数の和が $1$ になる形で表されるため、そこから $C$ の位置が決まる。
(3) では、面積比を直接求めようとせず、共通の底辺 $AB$ に対する高さの比に変換するのが要点である。$O,P,C$ が一直線上にあり、$C$ が $AB$ 上にあるため、高さの比は $|PC|:|OC|$ に等しくなる。
答え
**(1)**
$$ \frac{|BC|}{|AC|} = \frac{2|1-t|}{3t}
$$
**(2)**
$C$ は辺 $AB$ を $a:b$ に内分する点である。すなわち
$$ |AC|:|CB|=a:b
$$
である。
**(3)**
$$ \frac{S_2}{S_1} = \frac{a+3b}{2(2a+3b)}
$$