基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題81 解説
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解説
方針・初手
内心 $I$ は角の二等分線上にあるので,$D$ は $\angle A$ の二等分線と $BC$ の交点である。したがって,まず角の二等分線定理から $BD:DC$ と $BD$ を求める。
また,接点 $H$ については接線の長さの等しさを使う。最後に,$\overrightarrow{AI}$ と $\overrightarrow{AD}$ の比は,内接円の半径と $A$ から $BC$ への高さを比べて求める。
解法1
$AB=3,\ BC=4,\ CA=2$ とする。内心 $I$ は $\angle A$ の二等分線上にあるから,$AD$ は $\angle A$ の二等分線である。
角の二等分線定理より,
$$ BD:DC=AB:AC=3:2
$$
である。$BC=4$ より,
$$ BD=\frac{3}{3+2}\cdot 4=\frac{12}{5},\qquad DC=\frac{2}{3+2}\cdot 4=\frac{8}{5}
$$
となる。
次に,内接円と $BC$ の接点を $H$ とする。半周長を $s$ とすると,
$$ s=\frac{AB+BC+CA}{2} =\frac{3+4+2}{2} =\frac{9}{2}
$$
である。接線の長さの等しさより,$BH$ は
$$ BH=s-CA=\frac{9}{2}-2=\frac{5}{2}
$$
である。
よって,$B$ から見た位置は
$$ BD=\frac{12}{5},\qquad BH=\frac{5}{2}
$$
であるから,
$$ DH=BH-BD=\frac{5}{2}-\frac{12}{5} =\frac{25-24}{10} =\frac{1}{10}
$$
となる。
次に,$\overrightarrow{AI}$ と $\overrightarrow{AD}$ の比を求める。三角形の面積を $S$ とすると,ヘロンの公式より,
$$ S=\sqrt{ \frac{9}{2}\cdot \frac{1}{2}\cdot \frac{5}{2}\cdot \frac{3}{2} } =\frac{3\sqrt{15}}{4}
$$
である。
$BC=4$ だから,$A$ から $BC$ への高さを $h$ とすると,
$$ S=\frac{1}{2}\cdot 4\cdot h
$$
より,
$$ h=\frac{S}{2} =\frac{3\sqrt{15}}{8}
$$
である。
また,内接円の半径を $r$ とすると,
$$ S=rs
$$
より,
$$ r=\frac{S}{s} = \frac{\frac{3\sqrt{15}}{4}}{\frac{9}{2}} =\frac{\sqrt{15}}{6}
$$
である。
点 $I$ は線分 $AD$ 上にあり,$I$ から $BC$ までの距離は $r$,$A$ から $BC$ までの距離は $h$ である。$A$ から $D$ へ進むと,$BC$ までの距離は比例的に減少するので,
$$ \frac{AI}{AD}=1-\frac{r}{h}
$$
である。ここで,
$$ \frac{r}{h} = \frac{\frac{\sqrt{15}}{6}}{\frac{3\sqrt{15}}{8}} = \frac{4}{9} $$
だから,
$$ \frac{AI}{AD}=1-\frac{4}{9}=\frac{5}{9}
$$
となる。したがって,
$$ \overrightarrow{AI}=\frac{5}{9}\overrightarrow{AD}
$$
である。
最後に,面積比を求める。座標を用いて,$B=(0,0),\ C=(4,0)$ とおく。$A=(x,y)$ とすると,
$$ x^2+y^2=9,\qquad (x-4)^2+y^2=4
$$
である。差をとると,
$$ x=\frac{21}{8}
$$
となり,
$$ y=\frac{3\sqrt{15}}{8}
$$
である。
また,$BH=\frac{5}{2}$ より,
$$ H=\left(\frac{5}{2},0\right)
$$
である。$IH$ は $BC$ に垂直で,$IH=r=\frac{\sqrt{15}}{6}$ である。直線 $IH$ は $x=\frac{5}{2}$ であるから,$A$ から直線 $IH$ までの距離は
$$ \frac{21}{8}-\frac{5}{2} = \frac{21}{8}-\frac{20}{8} = \frac{1}{8} $$
である。
したがって,
$$ [AIH] = \frac{1}{2}\cdot IH\cdot \frac{1}{8} = \frac{1}{2}\cdot \frac{\sqrt{15}}{6}\cdot \frac{1}{8} = \frac{\sqrt{15}}{96} $$
である。一方,
$$ [ABC]=\frac{3\sqrt{15}}{4}
$$
だから,
$$ \frac{[AIH]}{[ABC]} = \frac{\frac{\sqrt{15}}{96}}{\frac{3\sqrt{15}}{4}} = \frac{1}{72} $$
となる。
解説
この問題では,$D$ と $H$ がどちらも辺 $BC$ 上の点であることを利用し,$B$ からの距離で整理すると計算が簡潔になる。
$D$ は角の二等分線定理で決まり,$H$ は接線の長さの等しさで決まる。特に $D$ と $H$ は一致せず,
$$ BD=\frac{12}{5},\qquad BH=\frac{5}{2}
$$
であるため,その差として $DH$ が求まる。
また,$\overrightarrow{AI}$ と $\overrightarrow{AD}$ の比は,線分上の位置を直接計算するよりも,$BC$ までの距離を用いる方が自然である。内心から $BC$ までの距離は内接円の半径 $r$ であり,$A$ から $BC$ までの高さ $h$ と比べれば,$AI:AD$ が求まる。
答え
$$ BD:DC=3:2
$$
$$ BD=\frac{12}{5}
$$
$$ BH=\frac{5}{2}
$$
$$ DH=\frac{1}{10}
$$
$$ \overrightarrow{AI}=\frac{5}{9}\overrightarrow{AD}
$$
$$ [AIH]=\frac{1}{72}[ABC]
$$
したがって,
$$ [ア]=3,\quad [キ]=2,\quad [ク]=\frac{12}{5},\quad [ケ]=\frac{5}{2},\quad [コ]=\frac{1}{10},\quad [サ]=\frac{5}{9},\quad [シ]=\frac{1}{72}
$$