基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題85 解説
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解説
方針・初手
**(1)**
は、直線の垂直条件を内積で表す。点 $P(\vec{p})$ が点 $A(\vec{a})$ を通る直線上にあるとき、$\overrightarrow{AP}=\vec{p}-\vec{a}$ である。
**(2)**
は、距離の不等式である。両辺はいずれも非負なので、2乗して半平面と円の外部に直す。
解法1
**(1)(ア)**
点 $P(\vec{p})$ は、点 $A(\vec{a})$ を通り、ベクトル $\vec{a}$ に垂直な直線上にある。
したがって、$\overrightarrow{AP}=\vec{p}-\vec{a}$ は $\vec{a}$ に垂直であるから、
$$ \vec{a}\cdot(\vec{p}-\vec{a})=0
$$
が成り立つ。これを整理すると、
$$ \vec{a}\cdot\vec{p}-|\vec{a}|^2=0
$$
である。よって、
$$ \vec{a}\cdot\vec{p}=|\vec{a}|^2
$$
が成り立つ。
**(1)(イ)**
与えられたベクトル方程式は
$$ |\vec{p}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{p}=0
$$
である。ここで、
$$ |\vec{p}-\vec{a}|^2 = |\vec{p}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{p}+|\vec{a}|^2
$$
より、
$$ |\vec{p}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{p} = |\vec{p}-\vec{a}|^2-|\vec{a}|^2
$$
である。したがって、もとの式は
$$ |\vec{p}-\vec{a}|^2=|\vec{a}|^2
$$
と変形できる。
これは、点 $A(\vec{a})$ を中心とし、半径 $|\vec{a}|$ の円を表す。
この円は原点 $O$ を通る。実際、$\vec{p}=\vec{0}$ とすると、
$$ |\vec{0}-\vec{a}|=|\vec{a}|
$$
である。
よって、図形は点 $A(\vec{a})$ を中心とし、原点 $O$ を通る円である。
**(2)**
点 $P$ の座標を $P(x,y)$ とする。すなわち、
$$ \vec{p}=(x,y),\qquad \vec{b}=(1,1)
$$
とおく。
まず、
$$ |\vec{p}-\vec{b}|\leq |\vec{p}+3\vec{b}|
$$
を考える。両辺は非負なので、2乗してよい。
$$ |\vec{p}-\vec{b}|^2\leq |\vec{p}+3\vec{b}|^2
$$
これを展開すると、
$$ |\vec{p}|^2-2\vec{b}\cdot\vec{p}+|\vec{b}|^2 \leq |\vec{p}|^2+6\vec{b}\cdot\vec{p}+9|\vec{b}|^2
$$
である。整理して、
$$ \vec{b}\cdot\vec{p}\geq -|\vec{b}|^2
$$
を得る。
ここで $|\vec{b}|^2=1^2+1^2=2$、また $\vec{b}\cdot\vec{p}=x+y$ であるから、
$$ x+y\geq -2
$$
となる。これは直線 $x+y=-2$ を境界とする半平面である。
次に、
$$ |\vec{p}+3\vec{b}|\leq 3|\vec{p}-\vec{b}|
$$
を考える。同様に2乗して、
$$ |\vec{p}+3\vec{b}|^2\leq 9|\vec{p}-\vec{b}|^2
$$
である。展開すると、
$$ |\vec{p}|^2+6\vec{b}\cdot\vec{p}+9|\vec{b}|^2 \leq 9|\vec{p}|^2-18\vec{b}\cdot\vec{p}+9|\vec{b}|^2
$$
となる。整理して、
$$ |\vec{p}|^2-3\vec{b}\cdot\vec{p}\geq 0
$$
を得る。
座標で書くと、
$$ x^2+y^2-3(x+y)\geq 0
$$
すなわち、
$$ x^2+y^2-3x-3y\geq 0
$$
である。平方完成すると、
$$ \left(x-\frac{3}{2}\right)^2+\left(y-\frac{3}{2}\right)^2\geq \frac{9}{2}
$$
となる。
これは、中心
$$ \left(\frac{3}{2},\frac{3}{2}\right)
$$
半径
$$ \frac{3}{\sqrt{2}}
$$
の円の外部および円周上を表す。
したがって、求める領域は
$$ x+y\geq -2
$$
かつ
$$ \left(x-\frac{3}{2}\right)^2+\left(y-\frac{3}{2}\right)^2\geq \frac{9}{2}
$$
を同時に満たす領域である。
図示するときは、直線 $x+y=-2$ を境界として、その右上側の半平面をとる。さらに、中心 $\left(\frac{3}{2},\frac{3}{2}\right)$、半径 $\frac{3}{\sqrt{2}}$ の円の内部を除き、円周は含める。
この円は、例えば
$$ (0,0),\ (3,3),\ (3,0),\ (0,3)
$$
を通るので、これらの点を目印に描けばよい。
解説
**(1)(ア)** は、直線の垂直条件を $\vec{a}\cdot(\vec{p}-\vec{a})=0$ と表せるかが要点である。点 $P$ の位置ベクトルそのものではなく、点 $A$ から点 $P$ へのベクトル $\vec{p}-\vec{a}$ を使う。
**(1)(イ)** は、式
$$ |\vec{p}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{p}
$$
を平方完成して
$$ |\vec{p}-\vec{a}|^2-|\vec{a}|^2
$$
と見ることが重要である。これは円の標準形である。
**(2)**
は、距離の不等式を2乗して処理する。ただし、距離は常に非負なので、2乗しても不等号の向きは変わらない。1つ目の不等式から半平面、2つ目の不等式から円の外部が得られる。
答え
**(1)(ア)**
$$ \vec{a}\cdot\vec{p}=|\vec{a}|^2
$$
が成り立つ。
**(1)(イ)**
点 $A(\vec{a})$ を中心とし、半径 $|\vec{a}|$ の円。すなわち、原点 $O$ を通る円である。
**(2)**
求める領域は
$$ x+y\geq -2
$$
かつ
$$ \left(x-\frac{3}{2}\right)^2+\left(y-\frac{3}{2}\right)^2\geq \frac{9}{2}
$$
を満たす点全体である。
すなわち、直線 $x+y=-2$ の右上側の半平面のうち、中心 $\left(\frac{3}{2},\frac{3}{2}\right)$、半径 $\frac{3}{\sqrt{2}}$ の円の内部を除いた領域である。境界はすべて含む。