基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題89 解説
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解説
方針・初手
点 $P$ は直線 $AN$ 上にも直線 $BM$ 上にもあるので、まずそれぞれの直線上の点として $\overrightarrow{OP}$ を表し、係数を比較する。
後半は、求めた $\overrightarrow{OP}$ が $\angle AOB$ の二等分線方向であることから $OA:OB$ と $t$ の関係を出し、さらに $\overrightarrow{OP}\perp BM$ を内積で表して $t$ を決定する。
解法1
$\overrightarrow{OA}=\mathbf{a},\ \overrightarrow{OB}=\mathbf{b}$ とおく。
点 $M$ は辺 $OA$ を $2:1$ に内分するので、
$$ \overrightarrow{OM}=\frac{2}{3}\mathbf{a}
$$
である。また、点 $N$ は辺 $OB$ を $t:1$ に内分するので、
$$ \overrightarrow{ON}=\frac{t}{t+1}\mathbf{b}
$$
である。
点 $P$ は直線 $BM$ 上にあるから、ある実数 $s$ を用いて
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{OP} &= \overrightarrow{OM}+s(\overrightarrow{OB}-\overrightarrow{OM})\\ &= \frac{2}{3}(1-s)\mathbf{a}+s\mathbf{b} \end{aligned} $$
と表せる。
一方、点 $P$ は直線 $AN$ 上にあるから、ある実数 $u$ を用いて
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{OP} &= \overrightarrow{OA}+u(\overrightarrow{ON}-\overrightarrow{OA})\\ &= (1-u)\mathbf{a}+\frac{ut}{t+1}\mathbf{b} \end{aligned} $$
と表せる。
ここで、$\mathbf{a},\mathbf{b}$ は三角形 $OAB$ の2辺の方向を表すから一次独立である。したがって係数を比較して、
$$ \frac{2}{3}(1-s)=1-u,\qquad s=\frac{ut}{t+1}
$$
を得る。
第2式より
$$ u=\frac{s(t+1)}{t}
$$
であるから、第1式に代入して
$$ \frac{2}{3}(1-s)=1-\frac{s(t+1)}{t}
$$
となる。両辺を $3t$ 倍すると、
$$ 2t(1-s)=3t-3s(t+1)
$$
すなわち
$$ 2t-2ts=3t-3ts-3s
$$
である。整理して
$$ s(t+3)=t
$$
より、
$$ s=\frac{t}{t+3}
$$
となる。
よって
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{2}{3}\left(1-\frac{t}{t+3}\right)\mathbf{a} + \frac{t}{t+3}\mathbf{b} = \frac{2}{t+3}\mathbf{a} + \frac{t}{t+3}\mathbf{b}
$$
である。したがって、
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{2\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}}{t+3}
$$
である。
次に、$\overrightarrow{OP}$ が $\angle AOB$ の二等分線であるとする。
$OA=x,\ OB=y$ とおく。$\angle AOB$ の内角の二等分線方向のベクトルは
$$ \frac{\mathbf{a}}{x}+\frac{\mathbf{b}}{y}
$$
である。
一方、
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{2\mathbf{a}+t\mathbf{b}}{t+3}
$$
であるから、$\overrightarrow{OP}$ が角の二等分線方向であるためには、係数比が一致して
$$ 2:t=\frac{1}{x}:\frac{1}{y}
$$
でなければならない。よって
$$ \frac{2}{t}=\frac{y}{x}
$$
より、
$$ x:y=t:2
$$
を得る。
したがって
$$ OA:OB=t:2
$$
である。
次に、$\overrightarrow{OP}\perp BM$ を用いる。直線 $BM$ の方向ベクトルは
$$ \overrightarrow{BM} = \mathbf{b}-\frac{2}{3}\mathbf{a}
$$
である。
よって
$$ (2\mathbf{a}+t\mathbf{b})\cdot\left(\mathbf{b}-\frac{2}{3}\mathbf{a}\right)=0
$$
が成り立つ。
$\angle AOB=\theta$ とおくと、
$$ \mathbf{a}\cdot\mathbf{b}=xy\cos\theta
$$
であるから、
$$ 2xy\cos\theta-\frac{4}{3}x^2+ty^2-\frac{2t}{3}xy\cos\theta=0
$$
となる。
先ほど得た $x:y=t:2$ より、$x=\dfrac{t}{2}y$ とおける。これを代入すると、
$$ 2\cdot \frac{t}{2}y^2\cos\theta -\frac{4}{3}\cdot \frac{t^2}{4}y^2 +ty^2 -\frac{2t}{3}\cdot \frac{t}{2}y^2\cos\theta =0
$$
すなわち
$$ ty^2\cos\theta-\frac{t^2}{3}y^2+ty^2-\frac{t^2}{3}y^2\cos\theta=0
$$
である。$t>0,\ y>0$ なので、両辺を $ty^2$ で割ると、
$$ \cos\theta-\frac{t}{3}+1-\frac{t}{3}\cos\theta=0
$$
となる。整理して、
$$ \left(1-\frac{t}{3}\right)(1+\cos\theta)=0
$$
を得る。
三角形 $OAB$ であるから、$\angle AOB$ は $180^\circ$ ではない。したがって
$$ 1+\cos\theta\neq 0
$$
である。よって
$$ 1-\frac{t}{3}=0
$$
より、
$$ t=3
$$
となる。
したがって、
$$ OA:OB=t:2=3:2
$$
である。
解説
この問題では、交点 $P$ の位置ベクトルを求める段階で、直線 $AN$ 上の表し方と直線 $BM$ 上の表し方を係数比較するのが自然である。
後半では、「角の二等分線方向」の扱いが重要である。$\overrightarrow{OA}$ と $\overrightarrow{OB}$ の単位ベクトルの和
$$ \frac{\overrightarrow{OA}}{OA}+\frac{\overrightarrow{OB}}{OB}
$$
が内角の二等分線方向を表すことを用いると、$\overrightarrow{OP}$ の係数比からすぐに $OA:OB=t:2$ が得られる。
その後、垂直条件は内積で処理する。角 $\theta$ は最終的に消去され、三角形であることから $1+\cos\theta\neq 0$ と判断できる点が詰まりやすい。
答え
**(1)**
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{2\overrightarrow{OA}+t\overrightarrow{OB}}{t+3}
$$
**(2)**
$$ OA:OB=3:2,\qquad t=3
$$