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数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題90 解説

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数学C 平面ベクトル 平面ベクトル 問題90の問題画像
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解説

方針・初手

点 $O$ から $A,B,C$ へ向かう単位ベクトルを用いて、$\vec a,\vec b,\vec c$ の内積を角度で表す。

$O$ は三角形の内部にあるから、$O$ のまわりの角の和より

$$ \alpha+\beta+\gamma=2\pi

$$

である。この関係を三角関数の加法定理と組み合わせる。

解法1

$\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OC}$ と同じ向きの単位ベクトルをそれぞれ $\vec u,\vec v,\vec w$ とする。

このとき、定義より

$$ \vec a=\sin\alpha,\vec u,\qquad \vec b=\sin\beta,\vec v,\qquad \vec c=\sin\gamma,\vec w

$$

である。また、角の定義から

$$ \vec u\cdot\vec v=\cos\gamma,\qquad \vec v\cdot\vec w=\cos\alpha,\qquad \vec w\cdot\vec u=\cos\beta

$$

である。

まず $\left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec a$ を計算する。

$$ \begin{aligned} \left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec a &=\vec a\cdot\vec a+\vec b\cdot\vec a+\vec c\cdot\vec a\\ &=\sin^2\alpha+\sin\beta\sin\alpha\cos\gamma+\sin\gamma\sin\alpha\cos\beta\\ &=\sin\alpha\left(\sin\alpha+\sin\beta\cos\gamma+\sin\gamma\cos\beta\right). \end{aligned}

$$

ここで、$O$ は三角形の内部にあるので

$$ \alpha+\beta+\gamma=2\pi

$$

である。したがって

$$ \alpha=2\pi-(\beta+\gamma)

$$

より

$$ \sin\alpha = \sin{2\pi-(\beta+\gamma)}

-\sin(\beta+\gamma)

$$

である。加法定理より

$$ \sin(\beta+\gamma)=\sin\beta\cos\gamma+\cos\beta\sin\gamma

$$

だから、

$$ \sin\alpha+\sin\beta\cos\gamma+\sin\gamma\cos\beta=0

$$

となる。よって

$$ \left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec a=0

$$

が示された。

次に、同じ計算を巡回的に用いると

$$ \left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec b=0,\qquad \left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec c=0

$$

も成り立つ。実際、例えば

$$ \begin{aligned} \left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec b &=\sin\beta\left(\sin\beta+\sin\gamma\cos\alpha+\sin\alpha\cos\gamma\right), \end{aligned}

$$

であり、

$$ \beta=2\pi-(\gamma+\alpha)

$$

を用いれば、括弧内は $0$ になる。同様に $\vec c$ との内積も $0$ である。

ここで

$$ \vec s=\vec a+\vec b+\vec c

$$

とおくと、

$$ \vec s\cdot\vec a=0,\qquad \vec s\cdot\vec b=0

$$

である。

$\vec a,\vec b$ はそれぞれ $\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB}$ と同じ向きであり、$\angle AOB=\gamma$ である。条件より $0<\gamma<\pi$ だから、$\vec a$ と $\vec b$ は平行でない。また、$0<\alpha,\beta<\pi$ より $\sin\alpha>0,\sin\beta>0$ なので、$\vec a,\vec b$ はともに零ベクトルではない。

平面上で、互いに平行でない2つのベクトル $\vec a,\vec b$ の両方に垂直なベクトルは零ベクトルしかない。したがって

$$ \vec s=\vec 0

$$

である。すなわち

$$ \vec a+\vec b+\vec c=\vec 0

$$

が示された。

解説

この問題の中心は、$\vec a,\vec b,\vec c$ の大きさがそれぞれ反対側の角の正弦になっている点である。内積を計算すると、三角関数の加法定理

$$ \sin(\beta+\gamma)=\sin\beta\cos\gamma+\cos\beta\sin\gamma

$$

がそのまま現れる。

また、通常の三角形の内角ではなく、点 $O$ のまわりの角 $\alpha,\beta,\gamma$ を使っているため、

$$ \alpha+\beta+\gamma=2\pi

$$

となる点に注意する。ここを $\pi$ としてしまうと符号が合わない。

(2) では、(1) の結果を巡回的に用いて、$\vec a+\vec b+\vec c$ が互いに平行でない2つのベクトルに同時に垂直であることを示すのが自然である。

答え

**(1)**

$$ \left(\vec a+\vec b+\vec c\right)\cdot\vec a=0

$$

である。

**(2)**

$$ \vec a+\vec b+\vec c=\vec 0

$$

である。

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