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数学C 平面ベクトル「平面ベクトル」の問題91 解説
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解説
方針・初手
点 $P,Q$ を位置ベクトルで表す。条件 (a), (b) から $\vec{OQ}$ は $\vec{OP}$ の正の実数倍であり、その倍率が $|\vec{OP}|$ によって決まる。
円 $C$ は中心 $A$、半径 $r$ で原点 $O$ を通るので、$\vec{OA}$ を用いて円の方程式を内積の形に直すと、点 $Q$ の満たす直線の方程式が自然に現れる。
解法1
$\vec{OA}=\mathbf{a}$、$\vec{OP}=\mathbf{p}$、$\vec{OQ}=\mathbf{q}$ とおく。円 $C$ は中心 $A$、半径 $r$ で原点を通るから、
$$ |\mathbf{a}|=r
$$
である。
点 $P$ は円 $C$ 上にあるので、
$$ |\mathbf{p}-\mathbf{a}|=r
$$
である。両辺を2乗して、$|\mathbf{a}|^2=r^2$ を用いると、
$$ |\mathbf{p}-\mathbf{a}|^2=r^2
$$
より
$$ |\mathbf{p}|^2-2\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}+|\mathbf{a}|^2=r^2
$$
したがって、
$$ |\mathbf{p}|^2-2\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}=0
$$
すなわち
$$ |\mathbf{p}|^2=2\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}
$$
を得る。
次に、条件 (a) より $\mathbf{q}$ は $\mathbf{p}$ と同じ向きであるから、ある正の実数 $t$ を用いて
$$ \mathbf{q}=t\mathbf{p}
$$
と表せる。条件 (b) より、
$$ |\mathbf{p}||\mathbf{q}|=1
$$
である。ここで $|\mathbf{q}|=t|\mathbf{p}|$ だから、
$$ t|\mathbf{p}|^2=1
$$
となり、
$$ t=\frac{1}{|\mathbf{p}|^2}
$$
である。よって
$$ \mathbf{q}=\frac{\mathbf{p}}{|\mathbf{p}|^2}
$$
となる。
この両辺と $\mathbf{a}$ の内積をとると、
$$ \mathbf{a}\cdot \mathbf{q} = \frac{\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}}{|\mathbf{p}|^2}
$$
である。先ほど得た $|\mathbf{p}|^2=2\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}$ より、
$$ \frac{\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}}{|\mathbf{p}|^2} = \frac{1}{2}
$$
したがって、
$$ \mathbf{a}\cdot \mathbf{q}=\frac{1}{2}
$$
である。
これは点 $Q$ の位置ベクトル $\mathbf{q}$ が満たす直線の方程式である。この直線は法線ベクトルが $\mathbf{a}=\vec{OA}$ であるから、$\vec{OA}$ に垂直である。
よって、点 $P$ が $O$ を除く $C$ 上を動くとき、点 $Q$ は $\vec{OA}$ に直交する直線
$$ \ell:\ \mathbf{a}\cdot \mathbf{x}=\frac{1}{2}
$$
上を動く。
さらに、逆に $\ell$ 上の任意の点 $Q$ について $\mathbf{q}\neq \mathbf{0}$ であり、
$$ \mathbf{p}=\frac{\mathbf{q}}{|\mathbf{q}|^2}
$$
とおけば、
$$ |\mathbf{p}|^2 = \frac{1}{|\mathbf{q}|^2}
$$
また
$$ \begin{aligned} \mathbf{a}\cdot \mathbf{p} &= \frac{\mathbf{a}\cdot \mathbf{q}}{|\mathbf{q}|^2}\\ &= \frac{1}{2|\mathbf{q}|^2} \end{aligned} $$
である。したがって、
$$ |\mathbf{p}|^2=2\mathbf{a}\cdot \mathbf{p}
$$
となるので、$P$ は円 $C$ 上にある。よって、点 $Q$ の軌跡は直線 $\ell$ 全体である。
次に、$\ell$ が円 $C$ と2点で交わる条件を求める。
直線 $\ell$ は
$$ \mathbf{a}\cdot \mathbf{x}=\frac{1}{2}
$$
であり、円 $C$ の中心は $A$、すなわち位置ベクトル $\mathbf{a}$ をもつ点である。
中心 $A$ から直線 $\ell$ までの距離 $d$ は、
$$ d= \frac{\left|\mathbf{a}\cdot \mathbf{a}-\frac{1}{2}\right|}{|\mathbf{a}|}
$$
である。ここで $|\mathbf{a}|=r$ だから、
$$ d= \frac{\left|r^2-\frac{1}{2}\right|}{r}
$$
である。
直線 $\ell$ が円 $C$ と2点で交わるための条件は、中心から直線までの距離が半径より小さいことである。したがって、
$$ \frac{\left|r^2-\frac{1}{2}\right|}{r}<r
$$
である。$r>0$ より両辺に $r$ をかけて、
$$ \left|r^2-\frac{1}{2}\right|<r^2
$$
を得る。これは
$$ -r^2<r^2-\frac{1}{2}<r^2
$$
と同値である。
右側の不等式
$$ r^2-\frac{1}{2}<r^2
$$
は常に成り立つ。左側の不等式から、
$$ -r^2<r^2-\frac{1}{2}
$$
すなわち
$$ 2r^2>\frac{1}{2}
$$
である。よって、
$$ r^2>\frac{1}{4}
$$
となる。$r>0$ であるから、
$$ r>\frac{1}{2}
$$
を得る。
解説
この問題の本質は、条件 (a), (b) が点 $P$ から点 $Q$ への反転に近い対応を与えていることである。具体的には、
$$ \vec{OQ}=\frac{\vec{OP}}{|\vec{OP}|^2}
$$
となる。
一方、円 $C$ が原点を通ることから、円の方程式は
$$ |\vec{OP}|^2=2\vec{OA}\cdot \vec{OP}
$$
という内積の形に変形できる。この式に $\vec{OQ}=\vec{OP}/|\vec{OP}|^2$ を代入することで、
$$ \vec{OA}\cdot \vec{OQ}=\frac{1}{2}
$$
という直線の方程式が出る。
(2) は、得られた直線と円が2点で交わる条件を距離で判定すればよい。直線と円が2点で交わる条件は、中心から直線までの距離が半径より小さいことである。接する場合は1点共有なので、等号は含まない。
答え
**(1)**
点 $Q$ の軌跡は
$$ \ell:\ \vec{OA}\cdot \vec{OX}=\frac{1}{2}
$$
で表される直線である。この直線の法線ベクトルは $\vec{OA}$ であるから、$\ell$ は $\vec{OA}$ に直交する。
**(2)**
$\ell$ が円 $C$ と2点で交わるための $r$ の範囲は
$$ r>\frac{1}{2}
$$
である。