基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル(斜交座標)」の問題4 解説
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解説
方針・初手
回転の問題であるが、$O$ を原点とし、$\vec a=\overrightarrow{OA}$ と $\vec c=\overrightarrow{OC}$ を直交する基底として扱えばよい。$|\vec a|=|\vec c|=1$ であり、$\vec c$ は $\vec a$ を反時計回りに $\dfrac{\pi}{2}$ 回転したベクトルである。
この基底で各点の位置ベクトルを表し、交点は直線のパラメータ表示で求める。
解法1
$\vec a$ と $\vec c$ は互いに垂直で、どちらも長さ $1$ である。
また、$\vec b$ は $\vec a$ を反時計回りに $\dfrac{\pi}{6}$ 回転したベクトルであるから、$\vec a,\vec c$ を基底として
$$ \vec b=\cos \frac{\pi}{6}\,\vec a+\sin \frac{\pi}{6}\,\vec c
$$
と表せる。したがって
$$ \vec b=\frac{\sqrt3}{2}\vec a+\frac12\vec c
$$
である。
次に、$\triangle OAB$ の面積は、$OA=OB=1$、$\angle AOB=\dfrac{\pi}{6}$ より
$$ \frac12\cdot 1\cdot 1\cdot \sin \frac{\pi}{6} =\frac14
$$
である。
また、$\angle BOC=\dfrac{\pi}{2}-\dfrac{\pi}{6}=\dfrac{\pi}{3}$ であるから、$\triangle OBC$ の面積は
$$ \frac12\cdot 1\cdot 1\cdot \sin \frac{\pi}{3} =\frac{\sqrt3}{4}
$$
である。
次に、点 $D$ を求める。
$D$ は直線 $AC$ と直線 $OB$ の交点である。直線 $AC$ 上の点は、実数 $u$ を用いて
$$ (1-u)\vec a+u\vec c
$$
と表せる。また、直線 $OB$ 上の点は、実数 $\lambda$ を用いて
$$ \lambda \vec b
$$
と表せる。
したがって、$D$ について
$$ \lambda \vec b=(1-u)\vec a+u\vec c
$$
が成り立つ。ここで
$$ \vec b=\frac{\sqrt3}{2}\vec a+\frac12\vec c
$$
を代入すると
$$ \lambda\left(\frac{\sqrt3}{2}\vec a+\frac12\vec c\right) =(1-u)\vec a+u\vec c
$$
となる。$\vec a,\vec c$ の係数を比較して
$$ \begin{cases} \dfrac{\sqrt3}{2}\lambda=1-u,\\ \dfrac12\lambda=u \end{cases}
$$
を得る。第2式より $u=\dfrac{\lambda}{2}$ であり、これを第1式に代入すると
$$ \frac{\sqrt3}{2}\lambda=1-\frac{\lambda}{2}
$$
である。よって
$$ \frac{\sqrt3+1}{2}\lambda=1
$$
となるから
$$ \lambda=\frac{2}{\sqrt3+1}=\sqrt3-1
$$
である。
したがって
$$ \vec d=\overrightarrow{OD}=\lambda\vec b=(\sqrt3-1)\vec b
$$
であり、$|\vec b|=1$ より
$$ |\vec d|=\sqrt3-1
$$
である。
次に、点 $E$ を求める。
$E$ は、点 $B$ を通り直線 $AC$ に平行な直線と、直線 $OA$ の交点である。直線 $AC$ の方向ベクトルは
$$ \vec c-\vec a
$$
であるから、点 $B$ を通り直線 $AC$ に平行な直線上の点は、実数 $r$ を用いて
$$ \vec b+r(\vec c-\vec a)
$$
と表せる。
一方、直線 $OA$ 上の点は実数 $\mu$ を用いて
$$ \mu\vec a
$$
と表せる。したがって
$$ \mu\vec a=\vec b+r(\vec c-\vec a)
$$
である。
$\vec b=\dfrac{\sqrt3}{2}\vec a+\dfrac12\vec c$ を代入すると
$$ \mu\vec a =\left(\frac{\sqrt3}{2}\vec a+\frac12\vec c\right)+r(\vec c-\vec a)
$$
である。整理して
$$ \mu\vec a =\left(\frac{\sqrt3}{2}-r\right)\vec a+\left(\frac12+r\right)\vec c
$$
となる。
$\vec c$ の係数が $0$ でなければならないから
$$ \frac12+r=0
$$
より
$$ r=-\frac12
$$
である。したがって
$$ \mu=\frac{\sqrt3}{2}-\left(-\frac12\right) =\frac{\sqrt3+1}{2}
$$
である。
よって
$$ \vec e=\overrightarrow{OE}=\frac{\sqrt3+1}{2}\vec a
$$
であり、
$$ |\vec e|=\frac{\sqrt3+1}{2}
$$
である。
最後に、点 $P$ の存在する領域の面積を求める。
条件
$$ \overrightarrow{OP}=s\vec e+t\vec c,\qquad 0\leq s,\quad 0\leq t,\quad 1\leq s+t\leq 2
$$
を考える。$s,t$ 平面において、条件 $0\leq s,\ 0\leq t,\ 1\leq s+t\leq 2$ が表す領域は、第1象限内の三角形 $s+t\leq 2$ から、三角形 $s+t<1$ を除いた部分である。
その面積は
$$ \frac12\cdot 2^2-\frac12\cdot 1^2 =2-\frac12 =\frac32
$$
である。
一方、$\vec e$ は $\vec a$ と同じ向きであり、$\vec c$ は $\vec a$ に垂直である。したがって $\vec e$ と $\vec c$ は垂直である。
$s,t$ 平面での面積は、写像
$$ (s,t)\mapsto s\vec e+t\vec c
$$
によって
$$ |\vec e|,|\vec c|\sin\frac{\pi}{2}
$$
倍される。ここで $|\vec c|=1$、$|\vec e|=\dfrac{\sqrt3+1}{2}$ であるから、面積倍率は
$$ \frac{\sqrt3+1}{2}
$$
である。
よって、点 $P$ の存在する領域の面積は
$$ \frac32\cdot \frac{\sqrt3+1}{2} =\frac{3(\sqrt3+1)}{4}
$$
である。
解説
この問題では、回転を直接図形的に追うよりも、$\vec a,\vec c$ を直交基底として使うのが最も整理しやすい。特に $\vec c$ は $\vec a$ を $90^\circ$ 回転したベクトルなので、$\vec a,\vec c$ は座標軸のように扱える。
交点 $D,E$ は、直線をパラメータ表示して係数比較するのが確実である。図から長さを推測すると誤りやすいので、$\vec a,\vec c$ の係数を比較して求めるのがよい。
最後の領域の面積は、$s,t$ 平面上の領域の面積を先に求め、その後で線形変換による面積倍率をかける。$\vec e$ と $\vec c$ が垂直であるため、倍率は単に $|\vec e||\vec c|$ になる。
答え
**(1)**
$$ \vec b=\frac{\sqrt3}{2}\vec a+\frac12\vec c
$$
**(2)**
$$ \triangle OAB=\frac14,\qquad \triangle OBC=\frac{\sqrt3}{4}
$$
**(3)**
$$ |\vec d|=\sqrt3-1,\qquad |\vec e|=\frac{\sqrt3+1}{2}
$$
**(4)**
$$ \frac{3(\sqrt3+1)}{4}
$$