基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面ベクトル(斜交座標)」の問題5 解説
数学Cの平面ベクトル「平面ベクトル(斜交座標)」にある問題5の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
まず $\vec a,\vec b$ が一次独立であることを確認し、$\vec c=x\vec a+y\vec b$ とおく。内積をとれば $x,y$ が求まる。
垂線の足は「直線上の点」と「垂直条件」で決める。最後の最小値問題では、条件 $(s+t-1)(s+3t-3)\leqq 0$ が、$s,t$ 平面上で2直線
$$ s+t=1,\qquad s+3t=3
$$
に挟まれる領域を表すことを利用する。
解法1
まず
$$ |\vec a|^2|\vec b|^2-(\vec a\cdot \vec b)^2 =2\cdot 10-2^2=16>0
$$
であるから、$\vec a,\vec b$ は一次独立である。したがって、$\vec c$ は $\vec a,\vec b$ の一次結合で一意に表せる。
(1)
$$ \vec c=x\vec a+y\vec b
$$
とおく。両辺と $\vec a,\vec b$ との内積をとる。
まず $\vec a$ との内積より
$$ \vec a\cdot \vec c =x|\vec a|^2+y(\vec a\cdot \vec b) =2x+2y
$$
である。$\vec a\cdot \vec c=8$ なので、
$$ 2x+2y=8
$$
すなわち
$$ x+y=4
$$
を得る。
次に $\vec b$ との内積より
$$ \vec b\cdot \vec c =x(\vec a\cdot \vec b)+y|\vec b|^2 =2x+10y
$$
である。$\vec b\cdot \vec c=20$ なので、
$$ 2x+10y=20
$$
すなわち
$$ x+5y=10
$$
を得る。
よって
$$ \begin{aligned} x+y&=4,\\ x+5y&=10 \end{aligned}
$$
を解いて、
$$ y=\frac{3}{2},\qquad x=\frac{5}{2}
$$
である。したがって
$$ \vec c=\frac{5}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b
$$
である。
(2)
点 $H$ は直線 $AB$ 上にあるから、実数 $u$ を用いて
$$ \overrightarrow{OH} =\vec a+u(\vec b-\vec a)
$$
と表せる。
また、$CH$ は直線 $AB$ に垂直であるから、
$$ (\vec c-\overrightarrow{OH})\cdot(\vec b-\vec a)=0
$$
が成り立つ。
ここで
$$ \vec c-\vec a =\frac{5}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b-\vec a =\frac{3}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b =\frac{3}{2}(\vec a+\vec b)
$$
であり、
$$ |\vec b-\vec a|^2 =|\vec b|^2-2\vec a\cdot \vec b+|\vec a|^2 =10-4+2=8
$$
である。また、
$$ \begin{aligned} (\vec c-\vec a)\cdot(\vec b-\vec a) &=\frac{3}{2}(\vec a+\vec b)\cdot(\vec b-\vec a)\\ &=\frac{3}{2}\{(\vec a\cdot \vec b-|\vec a|^2)+(|\vec b|^2-\vec a\cdot \vec b)\}\\ &=\frac{3}{2}\{(2-2)+(10-2)\}\\ &=12 \end{aligned}
$$
である。
垂直条件は
$$ {(\vec c-\vec a)-u(\vec b-\vec a)}\cdot(\vec b-\vec a)=0
$$
だから、
$$ 12-8u=0
$$
より
$$ u=\frac{3}{2}
$$
である。したがって
$$ \overrightarrow{OH} =\vec a+\frac{3}{2}(\vec b-\vec a) =-\frac{1}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b
$$
である。
さらに
$$ \overrightarrow{CH} =\overrightarrow{OH}-\vec c =\left(-\frac{1}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b\right) -\left(\frac{5}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b\right) =-3\vec a
$$
より、
$$ |\overrightarrow{CH}| =3|\vec a| =3\sqrt{2}
$$
である。
(3)
点 $P$ は
$$ \overrightarrow{OP}=s\vec a+t\vec b
$$
で定められる。点 $C$ は
$$ \vec c=\frac{5}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b
$$
であるから、$s,t$ 平面で点 $C$ に対応する座標は
$$ \left(\frac{5}{2},\frac{3}{2}\right)
$$
である。
条件
$$ (s+t-1)(s+3t-3)\leqq 0
$$
の境界は
$$ s+t=1,\qquad s+3t=3
$$
である。
点 $C$ に対応する $(s,t)=\left(\frac{5}{2},\frac{3}{2}\right)$ について、
$$ s+t-1=3,\qquad s+3t-3=4
$$
であり、どちらも正である。したがって、条件を満たす領域へ行くには、少なくともどちらか一方の境界直線を越えなければならない。
よって $|CP|$ の最小値は、点 $C$ から2本の境界直線への距離のうち小さい方である。
まず
$$ s+t=1
$$
は直線 $AB$ を表す。したがって、点 $C$ からこの直線への距離は、(2)より
$$ 3\sqrt{2}
$$
である。
次に
$$ s+3t=3
$$
を考える。この直線上の点は
$$ s=3-3t
$$
より、
$$ \overrightarrow{OP}=(3-3t)\vec a+t\vec b =3\vec a+t(\vec b-3\vec a)
$$
と表せる。したがって、この直線は点 $3A$ と点 $B$ を通る直線であり、方向ベクトルは
$$ \vec b-3\vec a
$$
である。
点 $B$ を基準にして、点 $C$ からこの直線への垂線の足を $K$ とし、
$$ \overrightarrow{OK} =\vec b+\lambda(\vec b-3\vec a)
$$
とおく。垂直条件より
$$ {\vec c-\vec b-\lambda(\vec b-3\vec a)}\cdot(\vec b-3\vec a)=0
$$
である。
ここで
$$ \vec c-\vec b =\frac{5}{2}\vec a+\frac{1}{2}\vec b
$$
であるから、
$$ \begin{aligned} (\vec c-\vec b)\cdot(\vec b-3\vec a) &=\left(\frac{5}{2}\vec a+\frac{1}{2}\vec b\right)\cdot(\vec b-3\vec a)\\ &=\frac{5}{2}(2-6)+\frac{1}{2}(10-6)\\ &=-10+2\\ &=-8 \end{aligned}
$$
また、
$$ |\vec b-3\vec a|^2 =|\vec b|^2-6\vec a\cdot\vec b+9|\vec a|^2 =10-12+18=16
$$
である。
よって
$$ -8-16\lambda=0
$$
より
$$ \lambda=-\frac{1}{2}
$$
である。したがって
$$ \overrightarrow{OK} =\vec b-\frac{1}{2}(\vec b-3\vec a) =\frac{3}{2}\vec a+\frac{1}{2}\vec b
$$
である。
このとき
$$ \vec c-\overrightarrow{OK} =\left(\frac{5}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b\right) -\left(\frac{3}{2}\vec a+\frac{1}{2}\vec b\right) =\vec a+\vec b
$$
だから、
$$ \begin{aligned} |CK|^2 &=|\vec a+\vec b|^2\\ &=|\vec a|^2+2\vec a\cdot\vec b+|\vec b|^2\\ &=2+4+10\\ &=16 \end{aligned}
$$
より、
$$ |CK|=4
$$
である。
したがって、2本の境界直線への距離は
$$ 3\sqrt{2},\qquad 4
$$
であり、
$$ 4<3\sqrt{2}
$$
だから、$|CP|$ の最小値は
$$ 4
$$
である。
解説
この問題の中心は、内積条件から位置ベクトルの係数を決めることである。$\vec a,\vec b$ が一次独立であるため、$\vec c$ は $\vec a,\vec b$ の一次結合として一意に表せる。
(2)では、垂線の足を直線上の点としておき、方向ベクトル $\vec b-\vec a$ との内積が $0$ になる条件を使えばよい。
(3)では、$s,t$ の条件をそのまま扱うより、境界直線
$$ s+t=1,\qquad s+3t=3
$$
に着目するのが自然である。点 $C$ はこの2本の直線で分けられた領域の外側にあるため、最短距離は境界直線への距離を比べればよい。
答え
**(1)**
$$ \vec c=\frac{5}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b
$$
**(2)**
$$ \overrightarrow{OH} =-\frac{1}{2}\vec a+\frac{3}{2}\vec b
$$
$$ |CH|=3\sqrt{2}
$$
**(3)**
$$ |CP|_{\min}=4
$$