基礎問題集
数学C 平面ベクトル「平面の位置ベクトル」の問題12 解説
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解説
方針・初手
外接円の中心 $D$ を原点として、位置ベクトルで処理する。すると、$A,B,C$ は同じ円周上にあるため
$$ |\vec{DA}|=|\vec{DB}|=|\vec{DC}|
$$
が使える。また、$F$ は三角形 $ABC$ の2本の中線の交点なので重心である。
解法1
$D$ を原点とし、
$$ \vec{DA}=\vec{a},\quad \vec{DB}=\vec{b},\quad \vec{DC}=\vec{c}
$$
とおく。$D$ は外接円の中心であるから、
$$ |\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|
$$
である。
点 $E$ は
$$ \overrightarrow{DA}+\overrightarrow{DB}+\overrightarrow{DC}=\overrightarrow{DE}
$$
を満たすので、
$$ \overrightarrow{DE}=\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}
$$
である。
また、$F$ は2本の中線の交点であるから、三角形 $ABC$ の重心である。したがって
$$ \overrightarrow{DF}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
$$
である。
**(1)**
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AF}+\overrightarrow{BF}+\overrightarrow{CF} &=(\overrightarrow{DF}-\overrightarrow{DA}) +(\overrightarrow{DF}-\overrightarrow{DB}) +(\overrightarrow{DF}-\overrightarrow{DC})\\ &=3\overrightarrow{DF}-(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\\ &=3\cdot \frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}-(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\\ &=\vec{0}. \end{aligned}
$$
よって、
$$ \overrightarrow{AF}+\overrightarrow{BF}+\overrightarrow{CF}=\vec{0}
$$
が成り立つ。
**(2)**
直線 $AE$ の方向ベクトルは
$$ \overrightarrow{AE} =\overrightarrow{DE}-\overrightarrow{DA} =(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})-\vec{a} =\vec{b}+\vec{c}
$$
である。
一方、直線 $BC$ の方向ベクトルは
$$ \overrightarrow{BC}=\vec{c}-\vec{b}
$$
である。
内積をとると、
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AE}\cdot\overrightarrow{BC} &=(\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{c}-\vec{b})\\ &=\vec{b}\cdot\vec{c}-|\vec{b}|^2+|\vec{c}|^2-\vec{c}\cdot\vec{b}\\ &=|\vec{c}|^2-|\vec{b}|^2\\ &=0. \end{aligned}
$$
したがって、
$$ AE\perp BC
$$
である。
**(3)**
先に求めた式より、
$$ \overrightarrow{DE}=\vec{a}+\vec{b}+\vec{c},\quad \overrightarrow{DF}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
$$
である。したがって
$$ \overrightarrow{DE}=3\overrightarrow{DF}
$$
となる。
$E$ と $F$ が異なるとき、$\overrightarrow{DF}\neq \vec{0}$ であり、$D,F,E$ はこの順に一直線上に並ぶ。よって
$$ EF=DE-DF=3DF-DF=2DF
$$
であるから、
$$ DF:EF=1:2
$$
となる。
**(4)**
$E=F$ とする。このとき
$$ \overrightarrow{DE}=\overrightarrow{DF}
$$
であるから、
$$ \vec{a}+\vec{b}+\vec{c} =\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
$$
となる。したがって
$$ \vec{a}+\vec{b}+\vec{c}=\vec{0}
$$
である。
この式から
$$ \vec{a}+\vec{b}=-\vec{c}
$$
である。両辺の長さの2乗をとると、
$$ |\vec{a}+\vec{b}|^2=|\vec{c}|^2
$$
である。$|\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|$ を $R$ とおくと、
$$ R^2+R^2+2\vec{a}\cdot\vec{b}=R^2
$$
より、
$$ \vec{a}\cdot\vec{b}=-\frac{R^2}{2}
$$
である。同様に、
$$ \vec{a}\cdot\vec{c}=-\frac{R^2}{2}
$$
も成り立つ。
したがって、
$$ \begin{aligned} AB^2 &=|\vec{b}-\vec{a}|^2\\ &=|\vec{b}|^2+|\vec{a}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{b}\\ &=R^2+R^2-2\left(-\frac{R^2}{2}\right)\\ &=3R^2, \end{aligned}
$$
また、
$$ \begin{aligned} AC^2 &=|\vec{c}-\vec{a}|^2\\ &=|\vec{c}|^2+|\vec{a}|^2-2\vec{a}\cdot\vec{c}\\ &=R^2+R^2-2\left(-\frac{R^2}{2}\right)\\ &=3R^2. \end{aligned}
$$
よって
$$ AB=AC
$$
であるから、
$$ AB:AC=1:1
$$
である。
解説
この問題では、外接円の中心 $D$ を原点に取るのが最も自然である。すると、$A,B,C$ の位置ベクトルの長さがすべて等しいことが使える。
点 $E$ は
$$ \overrightarrow{DE}=\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}
$$
で表され、点 $F$ は重心なので
$$ \overrightarrow{DF}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
$$
で表される。この2式から、$D,F,E$ の位置関係が一気に分かる。
また、垂直を示す部分では、方向ベクトル
$$ \overrightarrow{AE}=\vec{b}+\vec{c},\quad \overrightarrow{BC}=\vec{c}-\vec{b}
$$
の内積を計算するだけでよい。外接円の中心を原点にしたことで、$|\vec{b}|=|\vec{c}|$ が使え、内積が $0$ になる。
答え
**(1)**
$$ \overrightarrow{AF}+\overrightarrow{BF}+\overrightarrow{CF}=\vec{0}
$$
が成り立つ。
**(2)**
$$ AE\perp BC
$$
である。
**(3)**
$$ DF:EF=1:2
$$
である。
**(4)**
$$ AB:AC=1:1
$$