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数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題10 解説

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数学C空間ベクトル空間ベクトル問題10
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数学C 空間ベクトル 空間ベクトル 問題10の問題画像
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解説

方針・初手

$\cos\alpha,\cos\beta,\cos\gamma$ は、それぞれ単位ベクトルどうしの内積である。したがって、3本のベクトルのグラム行列の行列式を考えると、目的の式が自然に現れる。

解法1

$\vec a,\vec b,\vec c$ は長さ $1$ であり、角の定義より

$$ \vec a\cdot \vec b=\cos\gamma,\qquad \vec b\cdot \vec c=\cos\alpha,\qquad \vec c\cdot \vec a=\cos\beta

$$

である。

そこで、$\vec a,\vec b,\vec c$ のグラム行列

$$ G= \begin{pmatrix} 1 & \cos\gamma & \cos\beta\\ \cos\gamma & 1 & \cos\alpha\\ \cos\beta & \cos\alpha & 1 \end{pmatrix}

$$

を考える。

この行列式は、$\vec a,\vec b,\vec c$ の作る平行六面体の体積の2乗に等しい。すなわち

$$ \det G={\vec a\cdot(\vec b\times \vec c)}^2

$$

である。よって

$$ \det G\geqq 0

$$

である。

一方、行列式を展開すると

$$ \begin{aligned} \det G &= 1+2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma -\cos^2\alpha-\cos^2\beta-\cos^2\gamma\\ &= 1-\left(\cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma\right). \end{aligned}

$$

よって

$$ \cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma\leqq 1

$$

が従う。

次に、下側の不等式を示す。三重積について

$$ |\vec a\cdot(\vec b\times \vec c)| \leqq |\vec a|,|\vec b\times \vec c| \leqq 1\cdot |\vec b|,|\vec c| =1

$$

であるから、

$$ \det G={\vec a\cdot(\vec b\times \vec c)}^2\leqq 1

$$

である。したがって

$$ 1-\left(\cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma\right)\leqq 1

$$

より

$$ \cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma\geqq 0

$$

である。

以上より

$$ 0\leqq \cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma \leqq 1

$$

が示された。

等号成立条件を調べる。

**(i) 左の等号**

左の等号が成り立つのは

$$ \cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma=0

$$

のときである。これは $\det G=1$ と同値である。

上で用いた評価

$$ |\vec a\cdot(\vec b\times \vec c)| \leqq |\vec a|,|\vec b\times \vec c| \leqq 1

$$

において等号がすべて成立する必要がある。

まず

$$ |\vec b\times \vec c|=1

$$

であるから、$\vec b,\vec c$ は直交する。よって

$$ \alpha=\frac{\pi}{2}

$$

である。

また、$\vec a$ は $\vec b\times\vec c$ と平行でなければならない。したがって $\vec a$ は $\vec b,\vec c$ のどちらにも直交する。よって

$$ \beta=\frac{\pi}{2},\qquad \gamma=\frac{\pi}{2}

$$

である。

したがって、左の等号は $\vec a,\vec b,\vec c$ が互いに直交するとき、すなわち

$$ \alpha=\beta=\gamma=\frac{\pi}{2}

$$

のときに成り立つ。

**(ii) 右の等号**

右の等号が成り立つのは

$$ \cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma=1

$$

のときである。これは $\det G=0$ と同値である。

つまり

$$ {\vec a\cdot(\vec b\times \vec c)}^2=0

$$

であるから、

$$ \vec a\cdot(\vec b\times \vec c)=0

$$

である。

これは $\vec a,\vec b,\vec c$ の作る平行六面体の体積が $0$ であることを表す。したがって、$\vec a,\vec b,\vec c$ は一次従属である。

すなわち、右の等号は $\vec a,\vec b,\vec c$ が同一平面上にあるとき、正確には原点を通る同一平面内に含まれるときに成り立つ。

解説

この問題の核心は、角の余弦を内積として見て、グラム行列の行列式に結びつけることである。

目的の式そのものを直接変形するよりも、

$$ \det \begin{pmatrix} 1 & \cos\gamma & \cos\beta\\ \cos\gamma & 1 & \cos\alpha\\ \cos\beta & \cos\alpha & 1 \end{pmatrix}

$$

を計算すると、式が一度に現れる。

また、等号条件では、単に行列式が $0$ や $1$ になると述べるだけでなく、それが幾何的に何を意味するかを確認する必要がある。$\det G=0$ は3本のベクトルが一次従属であること、$\det G=1$ は3本の単位ベクトルが互いに直交することを意味する。

答え

$$ 0\leqq \cos^2\alpha+\cos^2\beta+\cos^2\gamma -2\cos\alpha\cos\beta\cos\gamma \leqq 1

$$

である。

左の等号が成り立つのは、$\vec a,\vec b,\vec c$ が互いに直交するとき、すなわち

$$ \alpha=\beta=\gamma=\frac{\pi}{2}

$$

のときである。

右の等号が成り立つのは、$\vec a,\vec b,\vec c$ が一次従属であるとき、すなわち3本のベクトルが原点を通る同一平面内に含まれるときである。

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