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数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題33 解説

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数学C空間ベクトル空間ベクトル問題33
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数学C 空間ベクトル 空間ベクトル 問題33の問題画像
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解説

方針・初手

正十二面体の各面は正五角形であるから、同じ頂点から出る隣り合う2辺のなす角は正五角形の内角

$$ \frac{3\pi}{5}

$$

である。まず $\vec a,\vec b,\vec c$ の相互の内積を求め、正五角形の対角線をベクトルで表す。

以下、

$$ \alpha=\frac{1-\sqrt5}{4},\qquad \varphi=\frac{1+\sqrt5}{2}

$$

とおく。このとき

$$ 2\alpha=1-\varphi,\qquad 1-2\alpha=\varphi,\qquad \varphi^2=\varphi+1

$$

である。

解法1

各辺の長さは $1$ であり、$\vec a,\vec b,\vec c$ は点 $O$ から出る3本の辺を表す。したがって

$$ |\vec a|=|\vec b|=|\vec c|=1

$$

である。

また、$\vec a$ と $\vec b$ は同じ正五角形の隣り合う2辺の方向であるから、そのなす角は正五角形の内角 $\dfrac{3\pi}{5}$ である。よって

$$ \begin{aligned} \vec a\cdot \vec b &= |\vec a||\vec b|\cos\frac{3\pi}{5}\\ &= \frac{1-\sqrt5}{4}\\ &= \alpha \end{aligned} $$

である。同様に

$$ \vec b\cdot \vec c=\vec c\cdot \vec a=\alpha

$$

も成り立つ。

次に、$\overrightarrow{OD}=k\vec a+\vec b$ とする。図の正五角形 $OADGB$ において、$AD$ は辺であるから

$$ |\overrightarrow{AD}|=1

$$

である。ここで

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AD} &= \overrightarrow{OD}-\overrightarrow{OA}\\ &= (k-1)\vec a+\vec b \end{aligned} $$

なので、

$$ \begin{aligned} 1 &= |(k-1)\vec a+\vec b|^2\\ &= (k-1)^2|\vec a|^2+|\vec b|^2+2(k-1)\vec a\cdot\vec b\\ &= (k-1)^2+1+2(k-1)\alpha. \end{aligned}

$$

したがって

$$ (k-1)^2+2(k-1)\alpha=0

$$

より

$$ (k-1){(k-1)+2\alpha}=0

$$

である。よって

$$ k=1,\quad 1-2\alpha

$$

を得る。図の位置関係から $D$ は正五角形の対角線の先にある点であり、$k>1$ であるから

$$ k=1-2\alpha=\varphi=\frac{1+\sqrt5}{2}

$$

である。したがって

$$ \overrightarrow{OD}=\varphi\vec a+\vec b

$$

である。

同じ考えを、正五角形 $OBEHC$ と $OCFIA$ に用いると、

$$ \overrightarrow{OE}=\varphi\vec b+\vec c,\qquad \overrightarrow{OF}=\varphi\vec c+\vec a

$$

となる。

ここで

$$ \vec d=\overrightarrow{OD},\qquad \vec e=\overrightarrow{OE},\qquad \vec f=\overrightarrow{OF}

$$

とおく。すなわち

$$ \vec d=\varphi\vec a+\vec b,\qquad \vec e=\varphi\vec b+\vec c,\qquad \vec f=\varphi\vec c+\vec a

$$

である。

まず $\vec d\cdot\vec e$ を計算する。

$$ \begin{aligned} \vec d\cdot\vec e &= (\varphi\vec a+\vec b)\cdot(\varphi\vec b+\vec c)\\ &= \varphi^2\vec a\cdot\vec b +\varphi\vec a\cdot\vec c +\varphi|\vec b|^2 +\vec b\cdot\vec c\\ &= \varphi^2\alpha+\varphi\alpha+\varphi+\alpha\\ &= \varphi+\alpha(\varphi^2+\varphi+1). \end{aligned}

$$

ここで

$$ \begin{aligned} \varphi^2+\varphi+1 &= (\varphi+1)+\varphi+1\\ &= 2\varphi+2\\ &= 2\varphi^2 \end{aligned} $$

であるから、

$$ \begin{aligned} \vec d\cdot\vec e &= \varphi+2\alpha\varphi^2\\ &= \varphi+(1-\varphi)\varphi^2\\ &= \varphi+\varphi^2-\varphi^3. \end{aligned}

$$

また

$$ \varphi^2=\varphi+1,\qquad \varphi^3=\varphi(\varphi+1)=2\varphi+1

$$

なので、

$$ \begin{aligned} \vec d\cdot\vec e &= \varphi+(\varphi+1)-(2\varphi+1)\\ &= 0 \end{aligned} $$

である。

同様に、文字を循環させれば

$$ \vec e\cdot\vec f=0,\qquad \vec f\cdot\vec d=0

$$

も成り立つ。したがって

$$ \overrightarrow{OD},\quad \overrightarrow{OE},\quad \overrightarrow{OF}

$$

は互いに直交する。

さらに、$\vec d$ の長さを求めると

$$ \begin{aligned} |\vec d|^2 &= |\varphi\vec a+\vec b|^2\\ &= \varphi^2+1+2\varphi\alpha\\ &= \varphi^2+1+\varphi(1-\varphi)\\ &= \varphi+1\\ &= \varphi^2. \end{aligned}

$$

よって

$$ |\overrightarrow{OD}|=\varphi

$$

である。同様に

$$ |\overrightarrow{OE}|=|\overrightarrow{OF}|=\varphi

$$

である。

したがって、$OD,OE,OF$ は互いに直交し、長さが等しい。よって多面体 $ODSE-FRLT$ は立方体であり、その1辺の長さは

$$ \varphi=\frac{1+\sqrt5}{2}

$$

である。

この立方体の8頂点は正十二面体の頂点でもあるから、正十二面体の外接球はこの立方体の外接球でもある。立方体の外接球の直径は立方体の空間対角線の長さに等しいので、

$$ \begin{aligned} \sqrt{\varphi^2+\varphi^2+\varphi^2} &= \sqrt3\,\varphi\\ &= \frac{\sqrt3(1+\sqrt5)}{2} \end{aligned} $$

である。

解説

この問題の中心は、正十二面体そのものを直接座標化するのではなく、1つの頂点 $O$ から出る3本の辺ベクトル $\vec a,\vec b,\vec c$ を基準にして、正五角形の対角線を表すことである。

正五角形では、隣り合う辺のなす角が $\dfrac{3\pi}{5}$ であり、対角線の長さは黄金比 $\varphi=\dfrac{1+\sqrt5}{2}$ に関係する。そのため、$\overrightarrow{OD},\overrightarrow{OE},\overrightarrow{OF}$ はそれぞれ

$$ \varphi\vec a+\vec b,\qquad \varphi\vec b+\vec c,\qquad \varphi\vec c+\vec a

$$

という形になる。

この3本のベクトルが互いに直交し、長さも等しいことから、正十二面体の中に立方体が現れる。正十二面体の外接球の直径を求めるには、この立方体の空間対角線を求めればよい。

答え

**(1)**

$$ \vec a\cdot\vec b=\frac{1-\sqrt5}{4}

$$

**(2)**

$$ k=\frac{1+\sqrt5}{2}

$$

**(3)**

$$ \overrightarrow{OE}=\frac{1+\sqrt5}{2}\vec b+\vec c,\qquad \overrightarrow{OF}=\frac{1+\sqrt5}{2}\vec c+\vec a

$$

また、

$$ \overrightarrow{OD},\quad \overrightarrow{OE},\quad \overrightarrow{OF}

$$

は互いに直交する。

**(4)**

多面体 $ODSE-FRLT$ は立方体である。

正十二面体の外接球の直径は

$$ \frac{\sqrt3(1+\sqrt5)}{2}

$$

である。

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