基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題37 解説
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解説
方針・初手
三角形の面積は、2本の辺ベクトル $\vec{u},\vec{v}$ を用いて
$$ \frac{1}{2}\sqrt{|\vec{u}|^2|\vec{v}|^2-(\vec{u}\cdot\vec{v})^2}
$$
と表せる。したがって、三角形 $ABP$ の2辺をベクトルで表すことを考える。
特に、$P$ は $\overrightarrow{OP}=t\vec{c}$ で定まるので、$t=0$ では $P=O$、$t=1$ では $P=C$ である。
解法1
三角形の面積公式を確認しておく。2つのベクトル $\vec{u},\vec{v}$ のなす角を $\theta$ とすると、これらを2辺にもつ三角形の面積は
$$ \frac{1}{2}|\vec{u}||\vec{v}|\sin\theta
$$
である。また
$$ \cos\theta=\frac{\vec{u}\cdot\vec{v}}{|\vec{u}||\vec{v}|}
$$
より、
$$ \begin{aligned} \sin^2\theta &= 1-\cos^2\theta\\ &= 1-\frac{(\vec{u}\cdot\vec{v})^2}{|\vec{u}|^2|\vec{v}|^2} \end{aligned} $$
である。よって、面積は
$$ \frac{1}{2}\sqrt{|\vec{u}|^2|\vec{v}|^2-(\vec{u}\cdot\vec{v})^2}
$$
と表される。
まず $t=0$ のとき、$\overrightarrow{OP}=0\vec{c}=\vec{0}$ であるから、$P=O$ である。したがって三角形 $ABP$ は三角形 $ABO$ である。
このとき
$$ \overrightarrow{OA}=\vec{a},\qquad \overrightarrow{OB}=\vec{b}
$$
であるから、三角形 $OAB$ の面積は
$$ S(0) = \frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2}
$$
である。
次に $t=1$ のとき、$\overrightarrow{OP}=\vec{c}$ であるから、$P=C$ である。したがって三角形 $ABP$ は三角形 $ABC$ である。
点 $A$ を基準にして2辺をとると、
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AB} &= \overrightarrow{OB}-\overrightarrow{OA}\\ &= \vec{b}-\vec{a} \end{aligned} $$
であり、
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AC} &= \overrightarrow{OC}-\overrightarrow{OA}\\ &= \vec{c}-\vec{a} \end{aligned} $$
である。よって三角形 $ABC$ の面積は
$$ \begin{aligned} S(1) = \frac{1}{2} \sqrt{ |\vec{b}-\vec{a}|^2|\vec{c}-\vec{a}|^2 &= {(\vec{b}-\vec{a})\cdot(\vec{c}-\vec{a})}^2 } \end{aligned} $$
である。
最後に、座標が
$$ O=(0,0,0),\quad A=(1,0,0),\quad B=(0,1,0),\quad C=(1,1,1)
$$
で与えられている場合を考える。
このとき
$$ \vec{c}=\overrightarrow{OC}=(1,1,1)
$$
であるから、
$$ P=(t,t,t)
$$
である。
三角形 $ABP$ の面積を求めるため、点 $A$ を基準にして
$$ \overrightarrow{AB}=B-A=(-1,1,0)
$$
および
$$ \overrightarrow{AP}=P-A=(t-1,t,t)
$$
を考える。
それぞれの大きさと内積を計算すると、
$$ |\overrightarrow{AB}|^2=(-1)^2+1^2+0^2=2
$$
であり、
$$ |\overrightarrow{AP}|^2=(t-1)^2+t^2+t^2=3t^2-2t+1
$$
である。また、
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP} &= (-1)(t-1)+1\cdot t+0\cdot t\\ &= 1 \end{aligned} $$
である。
したがって、
$$ \begin{aligned} S(t)^2 &= \frac{1}{4} \left\{ |\overrightarrow{AB}|^2|\overrightarrow{AP}|^2 &=
(\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AP})^2 \right\} \\ &= \frac{1}{4} \left\{ 2(3t^2-2t+1)-1 \right\} \\ &= \frac{1}{4}(6t^2-4t+1) \end{aligned}
$$
となる。
ここで $S(t)\geqq 0$ であるから、$S(t)$ を最小にすることは $S(t)^2$ を最小にすることと同じである。よって、2次式
$$ 6t^2-4t+1
$$
を $0\leqq t\leqq 1$ で最小にすればよい。
平方完成すると、
$$ 6t^2-4t+1 = 6\left(t-\frac{1}{3}\right)^2+\frac{1}{3}
$$
である。したがって、この2次式は
$$ t=\frac{1}{3}
$$
で最小となる。これは $0\leqq t\leqq 1$ を満たす。
よって、$S(t)$ が最小となる $t$ は
$$ t=\frac{1}{3}
$$
である。
解説
この問題では、三角形の面積をベクトルの内積だけで表す公式を使うのが自然である。
(1) と (2) は、$t=0$、$t=1$ のときに点 $P$ がそれぞれ $O$、$C$ に一致することを押さえればよい。
(3) では、面積 $S(t)$ そのものを直接最小化しようとすると平方根が出て扱いにくい。しかし $S(t)\geqq 0$ なので、$S(t)^2$ を最小化すれば十分である。これにより、単なる2次関数の最小問題に帰着できる。
答え
**(1)**
$$ S(0) = \frac{1}{2}\sqrt{|\vec{a}|^2|\vec{b}|^2-(\vec{a}\cdot\vec{b})^2}
$$
**(2)**
$$ \begin{aligned} S(1) = \frac{1}{2} \sqrt{ |\vec{b}-\vec{a}|^2|\vec{c}-\vec{a}|^2 &= {(\vec{b}-\vec{a})\cdot(\vec{c}-\vec{a})}^2 } \end{aligned} $$
**(3)**
$$ t=\frac{1}{3}
$$