基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題52 解説
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解説
方針・初手
$a_n=2^n-(-1)^n$ は、$2^n$ の成分と $(-1)^n$ の成分に分けて扱うとよい。
(1) では、$\vec p\cdot \vec v_n=0$ がすべての自然数 $n$ で成り立つ条件を、$2^n$ と $(-1)^n$ の係数比較に帰着する。
(2) では、$\dfrac{1}{2^n}\vec v_n$ の各成分を直接計算する。
(3) では、(1) で得た $\vec p$ と (2) で得た極限ベクトル $\vec v$ が垂直であることを利用する。
解法1
まず
$$ a_n=2^n-(-1)^n
$$
より、
$$ \begin{aligned} a_{n+2}&=2^{n+2}-(-1)^{n+2}=4\cdot 2^n-(-1)^n,\\ a_{n+1}&=2^{n+1}-(-1)^{n+1}=2\cdot 2^n+(-1)^n,\\ a_n&=2^n-(-1)^n \end{aligned}
$$
である。
(1)
$\vec p=(1,b,c)$ が $\vec v_n=(a_{n+2},a_{n+1},a_n)$ と垂直であるから、
$$ \vec p\cdot \vec v_n=a_{n+2}+ba_{n+1}+ca_n=0
$$
がすべての自然数 $n$ で成り立つ。
上の式に各 $a$ を代入すると、
$$ \begin{aligned} a_{n+2}+ba_{n+1}+ca_n &={4\cdot 2^n-(-1)^n}+b{2\cdot 2^n+(-1)^n}+c{2^n-(-1)^n}\\ &=(4+2b+c)2^n+(-1+b-c)(-1)^n \end{aligned}
$$
となる。
これがすべての自然数 $n$ で $0$ となるには、
$$ \begin{cases} 4+2b+c=0,\\ -1+b-c=0 \end{cases}
$$
が必要である。
これを解くと、
$$ \begin{cases} 2b+c=-4,\\ b-c=1 \end{cases}
$$
より、$c=b-1$ であるから、
$$ 2b+(b-1)=-4
$$
となる。したがって、
$$ 3b=-3
$$
より、
$$ b=-1,\qquad c=-2
$$
である。
(2)
$$ \frac{1}{2^n}\vec v_n = \left( \frac{a_{n+2}}{2^n}, \frac{a_{n+1}}{2^n}, \frac{a_n}{2^n} \right)
$$
である。
各成分を計算すると、
$$ \begin{aligned} q_n&=\frac{a_{n+2}}{2^n} =\frac{2^{n+2}-(-1)^{n+2}}{2^n} =4-\frac{(-1)^n}{2^n},\\ r_n&=\frac{a_{n+1}}{2^n} =\frac{2^{n+1}-(-1)^{n+1}}{2^n} =2+\frac{(-1)^n}{2^n},\\ s_n&=\frac{a_n}{2^n} =\frac{2^n-(-1)^n}{2^n} =1-\frac{(-1)^n}{2^n} \end{aligned}
$$
である。
ここで、
$$ \lim_{n\to\infty}\frac{(-1)^n}{2^n}=0
$$
だから、
$$ q=4,\qquad r=2,\qquad s=1
$$
となる。
したがって、
$$ \vec v=(q,r,s)=(4,2,1)
$$
である。
(3)
(1) より、
$$ \vec p=(1,-1,-2)
$$
であり、(2) より、
$$ \vec v=(4,2,1)
$$
である。
内積を計算すると、
$$ \vec p\cdot \vec v =1\cdot 4+(-1)\cdot 2+(-2)\cdot 1 =4-2-2 =0
$$
である。したがって、$\vec p$ と $\vec v$ は垂直である。
また、
$$ |\vec p|^2=1^2+(-1)^2+(-2)^2=6
$$
であり、
$$ |\vec v|^2=4^2+2^2+1^2=21
$$
である。
求める条件は、$\vec p+t\vec v$ と $\vec v$ のなす角が $\dfrac{\pi}{6}$ であることだから、
$$ \cos\frac{\pi}{6} = \frac{(\vec p+t\vec v)\cdot \vec v}{|\vec p+t\vec v||\vec v|}
$$
を用いる。
$\vec p\cdot \vec v=0$ より、
$$ \begin{aligned} (\vec p+t\vec v)\cdot \vec v &= \vec p\cdot \vec v+t|\vec v|^2\\ &= 21t \end{aligned} $$
である。
また、$\vec p$ と $\vec v$ は垂直なので、
$$ \begin{aligned} |\vec p+t\vec v|^2 &= |\vec p|^2+t^2|\vec v|^2\\ &= 6+21t^2 \end{aligned} $$
である。
したがって、
$$ \frac{21t}{\sqrt{6+21t^2}\sqrt{21}} = \frac{\sqrt{3}}{2}
$$
である。左辺は
$$ \frac{\sqrt{21}t}{\sqrt{6+21t^2}}
$$
となるから、
$$ \frac{\sqrt{21}t}{\sqrt{6+21t^2}} = \frac{\sqrt{3}}{2}
$$
である。
両辺を2乗して、
$$ \frac{21t^2}{6+21t^2} = \frac{3}{4}
$$
となる。
これを解くと、
$$ 84t^2=18+63t^2
$$
より、
$$ 21t^2=18
$$
である。したがって、
$$ t^2=\frac{6}{7}
$$
である。
$t$ は正の実数だから、
$$ t=\sqrt{\frac{6}{7}}
$$
である。
解説
この問題では、$a_n=2^n-(-1)^n$ をそのまま扱うのではなく、$2^n$ の部分と $(-1)^n$ の部分に分けることが重要である。
(1) では「すべての自然数 $n$ に対して垂直」という条件から、$2^n$ と $(-1)^n$ の係数がそれぞれ $0$ になる必要がある。ここで単にいくつかの $n$ を代入して終わらせるのではなく、恒等的に成り立つ条件として処理することが大切である。
(3) では、$\vec p$ と極限ベクトル $\vec v$ が垂直になるため、$\vec p+t\vec v$ は直交する2成分の和として扱える。そのため、内積と長さの計算が大きく簡単になる。
答え
**(1)**
$$ b=-1,\qquad c=-2
$$
**(2)**
$$ q=4,\qquad r=2,\qquad s=1
$$
したがって、
$$ \vec v=(4,2,1)
$$
**(3)**
$$ t=\sqrt{\frac{6}{7}}
$$