基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題60 解説
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解説
方針・初手
点 $G$ は $\triangle ABC$ の重心であるから、その位置ベクトルは
$$ \vec{OG}=\frac{\vec{OA}+\vec{OB}+\vec{OC}}{3} =\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
$$
である。
平面 $ABC$ と直線 $OG$ が垂直であることは、$\vec{OG}$ が平面 $ABC$ 上の2つの独立な方向ベクトル、例えば
$$ \vec{AB}=\vec{b}-\vec{a},\qquad \vec{AC}=\vec{c}-\vec{a}
$$
の両方に垂直であることと同値である。
以下、$k=\cos\theta$ とおく。条件 $\theta<\dfrac{\pi}{2}$ より $k>0$ である。
解法1
まず、角の条件から
$$ \vec{a}\cdot\vec{b}=|\vec{a}||\vec{b}|k,\qquad \vec{b}\cdot\vec{c}=|\vec{b}||\vec{c}|k,\qquad \vec{c}\cdot\vec{a}=|\vec{c}||\vec{a}|k
$$
が成り立つ。
(1) $|\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|$ のとき
$$ |\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|=r
$$
とおく。このとき
$$ \vec{a}\cdot\vec{b} =\vec{b}\cdot\vec{c} =\vec{c}\cdot\vec{a} =r^2k
$$
である。
$\vec{OG}$ が $\vec{AB}$ に垂直であることを示すために、内積を計算する。$\vec{OG}$ は $\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}$ の定数倍なので、
$$ \begin{aligned} (\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{b}-\vec{a}) &=\vec{a}\cdot\vec{b}-|\vec{a}|^2+|\vec{b}|^2-\vec{a}\cdot\vec{b} +\vec{c}\cdot\vec{b}-\vec{c}\cdot\vec{a} \\ &=-r^2+r^2+r^2k-r^2k \\ &=0 \end{aligned}
$$
よって
$$ \vec{OG}\perp \vec{AB}
$$
である。
同様に、$\vec{AC}$ との内積は
$$ \begin{aligned} (\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{c}-\vec{a}) &=\vec{a}\cdot\vec{c}-|\vec{a}|^2+\vec{b}\cdot\vec{c}-\vec{b}\cdot\vec{a} +|\vec{c}|^2-\vec{c}\cdot\vec{a} \\ &=-r^2+r^2+r^2k-r^2k \\ &=0 \end{aligned}
$$
となる。したがって
$$ \vec{OG}\perp \vec{AC}
$$
である。
$\vec{AB}$ と $\vec{AC}$ は平面 $ABC$ 上の独立な2つの方向ベクトルであるから、直線 $OG$ は平面 $ABC$ と垂直に交わる。
(2) 平面 $ABC$ と直線 $OG$ が垂直に交わるとき
$$ x=|\vec{a}|,\qquad y=|\vec{b}|,\qquad z=|\vec{c}|
$$
とおく。平面 $ABC$ と直線 $OG$ が垂直であるから、
$$ \vec{OG}\perp \vec{AB},\qquad \vec{OG}\perp \vec{AC}
$$
である。すなわち
$$ (\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{b}-\vec{a})=0
$$
および
$$ (\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{c}-\vec{a})=0
$$
が成り立つ。
まず1つ目を計算する。
$$ \begin{aligned} 0 &=(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{b}-\vec{a}) \\ &=|\vec{b}|^2-|\vec{a}|^2+\vec{c}\cdot\vec{b}-\vec{c}\cdot\vec{a} \\ &=y^2-x^2+kzy-kzx \\ &=(y-x)(x+y+kz) \end{aligned}
$$
ここで $x,y,z>0$ かつ $k>0$ であるから、
$$ x+y+kz>0
$$
である。したがって
$$ y-x=0
$$
となり、
$$ x=y
$$
を得る。
次に2つ目を計算する。
$$ \begin{aligned} 0 &=(\vec{a}+\vec{b}+\vec{c})\cdot(\vec{c}-\vec{a}) \\ &=|\vec{c}|^2-|\vec{a}|^2+\vec{b}\cdot\vec{c}-\vec{b}\cdot\vec{a} \\ &=z^2-x^2+kyz-kyx \\ &=(z-x)(x+z+ky) \end{aligned}
$$
同様に $x,z,y>0$ かつ $k>0$ より、
$$ x+z+ky>0
$$
である。したがって
$$ z-x=0
$$
となり、
$$ x=z
$$
を得る。
以上より
$$ x=y=z
$$
であるから、
$$ |\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|
$$
が示された。
解説
この問題の中心は、直線と平面の垂直条件をベクトルの内積に直すことである。
平面 $ABC$ の方向ベクトルとして $\vec{AB}=\vec{b}-\vec{a}$、$\vec{AC}=\vec{c}-\vec{a}$ をとると、直線 $OG$ が平面 $ABC$ に垂直であることは
$$ \vec{OG}\cdot(\vec{b}-\vec{a})=0,\qquad \vec{OG}\cdot(\vec{c}-\vec{a})=0
$$
に帰着する。
また、重心の位置ベクトル
$$ \vec{OG}=\frac{\vec{a}+\vec{b}+\vec{c}}{3}
$$
を使うことで、条件は対称的な式に整理される。特に逆向きの証明では
$$ (y-x)(x+y+kz)=0,\qquad (z-x)(x+z+ky)=0
$$
という因数分解が本質である。
ここで $\theta<\dfrac{\pi}{2}$ から $k=\cos\theta>0$ となるため、$x+y+kz$ や $x+z+ky$ は正である。この正値性により、$x=y$、$x=z$ が結論できる。
答え
**(1)**
$|\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|$ のとき、
$$ \vec{OG}\perp \vec{AB},\qquad \vec{OG}\perp \vec{AC}
$$
が成り立つので、直線 $OG$ は平面 $ABC$ と垂直に交わる。
**(2)**
直線 $OG$ が平面 $ABC$ と垂直に交わるならば、
$$ |\vec{a}|=|\vec{b}|=|\vec{c}|
$$
である。