基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題77 解説
数学Cの空間ベクトル「空間ベクトル」にある問題77の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
3点 $A,B,C$ は座標の入れ替えで定まっており、まず辺ベクトルを計算すると $\triangle ABC$ の形が分かる。体積は、原点を1つの頂点にもつ四面体なので、3本のベクトル $\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OC}$ のスカラー三重積を使う。
正四面体になる条件は、すでに $\triangle ABC$ が正三角形であることを利用し、$OA$ と $AB$ の長さが等しい条件に帰着させる。
解法1
まず
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AB} &= B-A\\ &= (0,b-a,a-b) \end{aligned} $$
である。同様に
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{AC} &= C-A\\ &= (b-a,0,a-b) \end{aligned} $$
である。
ここで $b>a$ より $b-a>0$ とおくと、
$$ \begin{aligned} |\overrightarrow{AB}|^2 &= 0^2+(b-a)^2+(a-b)^2\\ &= 2(b-a)^2 \end{aligned} $$
また
$$ \begin{aligned} |\overrightarrow{AC}|^2 &= (b-a)^2+0^2+(a-b)^2\\ &= 2(b-a)^2 \end{aligned} $$
さらに
$$ \begin{aligned} \overrightarrow{BC} &= C-B\\ &= (b-a,a-b,0) \end{aligned} $$
より
$$ |\overrightarrow{BC}|^2=2(b-a)^2
$$
である。したがって $\triangle ABC$ は1辺の長さが $\sqrt{2}(b-a)$ の正三角形である。
よって、その面積 $S$ は
$$ S =
\frac{\sqrt{3}}{4}{\sqrt{2}(b-a)}^2
\frac{\sqrt{3}}{2}(b-a)^2
$$
である。
次に四面体 $OABC$ の体積 $V$ を求める。
$$ V =
\frac{1}{6} \left| \det \begin{pmatrix} a & a & b\\ a & b & a\\ b & a & a \end{pmatrix} \right|
$$
である。この行列式を計算すると、
$$ \begin{aligned} \det \begin{pmatrix} a & a & b\\ a & b & a\\ b & a & a \end{pmatrix} &= a(ba-a^2)-a(a^2-ab)+b(a^2-b^2)\\ &= a^2(b-a)+a^2(b-a)+b(a^2-b^2)\\ &= 2a^2(b-a)-b(b-a)(a+b)\\ &= (b-a)(2a^2-ab-b^2)\\ &= -(b-a)^2(2a+b) \end{aligned}
$$
となる。$b>a\geqq 0$ より $2a+b>0$ であるから、
$$ V =
\frac{(b-a)^2(2a+b)}{6}
$$
である。
次に、四面体 $OABC$ が正四面体となる条件を求める。
すでに $\triangle ABC$ は正三角形であり、
$$ AB=BC=CA=\sqrt{2}(b-a)
$$
である。また
$$ \begin{aligned} OA^2 &= a^2+a^2+b^2\\ &= 2a^2+b^2 \end{aligned} $$
である。$OB,OC$ も座標の入れ替えなので同じ長さであり、
$$ OA=OB=OC
$$
である。
したがって、四面体 $OABC$ が正四面体となるための必要十分条件は
$$ OA=AB
$$
である。これを2乗して
$$ 2a^2+b^2=2(b-a)^2
$$
となる。右辺を展開すると
$$ 2a^2+b^2=2b^2-4ab+2a^2
$$
より、
$$ b^2=2b^2-4ab
$$
すなわち
$$ b^2-4ab=0
$$
である。
$$ b(b-4a)=0
$$
であり、$b>a\geqq 0$ だから $b>0$ である。よって
$$ b=4a
$$
を得る。なお、このとき $b>a$ より $a>0$ である。
最後に $a,b$ がともに自然数で、正四面体となる条件 $b=4a$ を満たすものを考える。$a\geqq 1$ であるから、$b=4a$ が最小となるのは
$$ a=1,\qquad b=4
$$
のときである。
このとき
$$ b-a=3
$$
であるから、
$$ S =
\frac{\sqrt{3}}{2}\cdot 3^2
\frac{9\sqrt{3}}{2}
$$
また
$$ V =
\frac{3^2(2\cdot 1+4)}{6}
\frac{9\cdot 6}{6}
9
$$
である。
解説
この問題では、$A,B,C$ の座標が対称的に与えられているため、辺の長さがそろいやすい構造になっている。最初に $\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC},\overrightarrow{BC}$ を計算すると、$\triangle ABC$ が正三角形であることがすぐに分かる。
体積は、原点を頂点にもつ四面体なので、行列式を使うのが最短である。符号は体積には関係しないため、最後に絶対値を取ればよい。
正四面体の条件では、すでに $AB=BC=CA$ かつ $OA=OB=OC$ が成り立っている点が重要である。したがって、6本すべての辺を個別に比較する必要はなく、$OA=AB$ だけを調べれば十分である。
答え
**(1)**
$$ S=\frac{\sqrt{3}}{2}(b-a)^2
$$
**(2)**
$$ V=\frac{(b-a)^2(2a+b)}{6}
$$
**(3)**
$$ b=4a \quad (a>0)
$$
**(4)**
最小の $b$ とそのときの $a$ は
$$ b=4,\qquad a=1
$$
である。このとき
$$ S=\frac{9\sqrt{3}}{2},\qquad V=9
$$