基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題80 解説
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解説
方針・初手
$\triangle ABC$ の面積は外積で求める。平面 $ABC$ は、同じ外積から法線ベクトルを得て方程式を作る。
四面体 $PABC$ の体積は、底面を $\triangle ABC$ と見れば
$$ V=\frac{1}{3}\cdot \triangle ABC\text{ の面積}\cdot P\text{ から平面 }ABC\text{ までの距離}
$$
である。したがって、球面上の点 $P$ から平面 $ABC$ までの距離を最大にすればよい。
解法1
まず
$$ \overrightarrow{AB}=(-1,1,2),\qquad \overrightarrow{AC}=(-2,-2,2)
$$
である。よって
$$ \overrightarrow{AB}\times \overrightarrow{AC} = \begin{vmatrix} \mathbf{i} & \mathbf{j} & \mathbf{k}\\ -1 & 1 & 2\\ -2 & -2 & 2 \end{vmatrix} =(6,-2,4)
$$
である。
したがって
$$ \begin{aligned} \left|\overrightarrow{AB}\times \overrightarrow{AC}\right| &= \sqrt{6^2+(-2)^2+4^2}\\ &= \sqrt{56}\\ &= 2\sqrt{14} \end{aligned} $$
より、三角形 $ABC$ の面積は
$$ \frac{1}{2}\left|\overrightarrow{AB}\times \overrightarrow{AC}\right| = \sqrt{14}
$$
である。
次に、平面 $ABC$ の法線ベクトルとして
$$ (3,-1,2)
$$
を取ることができる。点 $A(3,0,0)$ を通るから、平面 $ABC$ の方程式は
$$ 3(x-3)-y+2z=0
$$
すなわち
$$ 3x-y+2z-9=0
$$
である。
原点 $O$ からこの平面に下ろした垂線の足を $H$ とする。平面の法線ベクトルが $(3,-1,2)$ であるから、$H$ は
$$ H=t(3,-1,2)
$$
と表せる。
これを平面の方程式に代入すると
$$ 3(3t)-(-t)+2(2t)-9=0
$$
であり、
$$ 9t+t+4t=9
$$
より
$$ 14t=9,\qquad t=\frac{9}{14}
$$
である。したがって
$$ H= \frac{9}{14}(3,-1,2) = \left(\frac{27}{14},-\frac{9}{14},\frac{9}{7}\right)
$$
である。
最後に、$P=(x,y,z)$ とおく。$P$ は球面 $x^2+y^2+z^2=9$ 上を動く。
平面 $ABC$ から点 $P$ までの距離は
$$ \frac{|3x-y+2z-9|}{\sqrt{3^2+(-1)^2+2^2}} = \frac{|3x-y+2z-9|}{\sqrt{14}}
$$
である。
ここで、ベクトル
$$ \mathbf{n}=(3,-1,2)
$$
とおくと、$|\mathbf{n}|=\sqrt{14}$ である。球面上の点 $P$ に対して、内積 $\mathbf{n}\cdot P=3x-y+2z$ の範囲は
$$ -3\sqrt{14}\le \mathbf{n}\cdot P\le 3\sqrt{14}
$$
である。
よって
$$ |3x-y+2z-9| = |\mathbf{n}\cdot P-9|
$$
を最大にするには、$\mathbf{n}\cdot P$ を最小にすればよい。したがって
$$ \mathbf{n}\cdot P=-3\sqrt{14}
$$
となるとき最大である。
これは $P$ が $\mathbf{n}$ と反対向きの球面上の点、すなわち
$$ P=-3\frac{\mathbf{n}}{|\mathbf{n}|} = -3\frac{(3,-1,2)}{\sqrt{14}}
$$
のときである。したがって
$$ P= \left( -\frac{9}{\sqrt{14}}, \frac{3}{\sqrt{14}}, -\frac{6}{\sqrt{14}} \right)
$$
である。
このとき、平面 $ABC$ までの距離は
$$ \frac{|-3\sqrt{14}-9|}{\sqrt{14}} = \frac{3\sqrt{14}+9}{\sqrt{14}}
$$
である。
よって体積の最大値は
$$ \begin{aligned} V_{\max} &= \frac{1}{3}\cdot \sqrt{14}\cdot \frac{3\sqrt{14}+9}{\sqrt{14}}\\ &= \frac{3\sqrt{14}+9}{3}\\ &= \sqrt{14}+3 \end{aligned} $$
である。
解説
この問題の中心は、$\triangle ABC$ を底面と見て、四面体の体積を「底面積 $\times$ 高さ」で処理する点である。
点 $P$ は球面上を動くので、平面 $ABC$ から最も遠い点は、平面の法線方向に沿った球面上の点になる。ただし、平面 $ABC$ は原点から見て法線ベクトル $(3,-1,2)$ の正の側にあるため、距離を最大にする $P$ はその反対方向の端点である。
ここで距離の絶対値を外さずに考えると、近い側の点を選んでしまう危険がある。最大体積では、平面から最も遠い側の球面上の点を取る必要がある。
答え
**(1)**
$$ \triangle ABC\text{ の面積}=\sqrt{14}
$$
**(2)**
$$ H= \left( \frac{27}{14}, -\frac{9}{14}, \frac{9}{7} \right)
$$
**(3)**
$$ V_{\max}=\sqrt{14}+3
$$
そのとき
$$ P= \left( -\frac{9}{\sqrt{14}}, \frac{3}{\sqrt{14}}, -\frac{6}{\sqrt{14}} \right)
$$