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数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題89 解説

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数学C空間ベクトル空間ベクトル問題89
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数学C 空間ベクトル 空間ベクトル 問題89の問題画像
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解説

方針・初手

点 $P,Q$ をそれぞれ媒介変数で表し、$PQ^2$ を $2$ 変数の二次式として最小化する。

長さ $PQ$ の最小値を直接扱うより、$PQ^2$ の最小値を求める方が計算しやすい。

解法1

直線 $\ell$ 上の点 $P$、直線 $m$ 上の点 $Q$ は、それぞれ実数 $s,t$ を用いて

$$ P=(3,4,0)+s(1,1,1)=(3+s,4+s,s)

$$

$$ Q=(2,-1,0)+t(1,-2,0)=(2+t,-1-2t,0)

$$

と表せる。

したがって

$$ \overrightarrow{QP} =P-Q =(1+s-t,5+s+2t,s)

$$

である。よって

$$ PQ^2=(1+s-t)^2+(5+s+2t)^2+s^2

$$

となる。

これを

$$ f(s,t)=(1+s-t)^2+(5+s+2t)^2+s^2

$$

とおく。$f(s,t)$ は $s,t$ の二次式であり、最小値は偏微分が $0$ となる点で得られる。

$s$ について微分すると

$$ \frac{\partial f}{\partial s} =2(1+s-t)+2(5+s+2t)+2s

$$

であるから、

$$ (1+s-t)+(5+s+2t)+s=0

$$

すなわち

$$ 3s+t+6=0

$$

を得る。

また、$t$ について微分すると

$$ \frac{\partial f}{\partial t} =-2(1+s-t)+4(5+s+2t)

$$

であるから、

$$ -(1+s-t)+2(5+s+2t)=0

$$

すなわち

$$ s+5t+9=0

$$

を得る。

したがって

$$ \begin{cases} 3s+t=-6\\ s+5t=-9 \end{cases}

$$

を解けばよい。

第1式から $t=-6-3s$ である。これを第2式に代入すると

$$ s+5(-6-3s)=-9

$$

より

$$ -14s=21

$$

したがって

$$ s=-\frac{3}{2}

$$

である。このとき

$$ t=-6-3\left(-\frac{3}{2}\right)=-\frac{3}{2}

$$

となる。

この値を $\overrightarrow{QP}$ に代入すると

$$ \overrightarrow{QP} = \left( 1-\frac{3}{2}+\frac{3}{2}, 5-\frac{3}{2}-3, -\frac{3}{2} \right) = \left(1,\frac{1}{2},-\frac{3}{2}\right)

$$

である。

よって、最小となるときの $PQ^2$ は

$$ \begin{aligned} PQ^2 &= 1^2+\left(\frac{1}{2}\right)^2+\left(-\frac{3}{2}\right)^2\\ &= 1+\frac{1}{4}+\frac{9}{4}\\ &= \frac{7}{2} \end{aligned} $$

である。

したがって、線分 $PQ$ の長さの最小値は

$$ \sqrt{\frac{7}{2}}=\frac{\sqrt{14}}{2}

$$

である。

解法2

2直線の最短距離を、方向ベクトルの外積を用いて求める。

直線 $\ell$ 上の点を

$$ A=(3,4,0)

$$

直線 $m$ 上の点を

$$ B=(2,-1,0)

$$

とする。また、それぞれの方向ベクトルは

$$ \vec a=(1,1,1),\qquad \vec b=(1,-2,0)

$$

である。

2直線の共通垂線の方向は $\vec a,\vec b$ の両方に垂直な方向であり、これは外積 $\vec a\times \vec b$ で与えられる。

$$ \vec a\times \vec b = \begin{vmatrix} \vec i & \vec j & \vec k\\ 1&1&1\\ 1&-2&0 \end{vmatrix} = (2,1,-3)

$$

また

$$ \overrightarrow{BA}=A-B=(1,5,0)

$$

である。

したがって、2直線間の距離は $\overrightarrow{BA}$ の $\vec a\times \vec b$ 方向への成分の絶対値であり、

$$ d= \frac{|\overrightarrow{BA}\cdot(\vec a\times \vec b)|}{|\vec a\times \vec b|}

$$

で求められる。

実際に計算すると

$$ \begin{aligned} \overrightarrow{BA}\cdot(\vec a\times \vec b) &= (1,5,0)\cdot(2,1,-3)\\ &= 2+5=7 \end{aligned} $$

また

$$ \begin{aligned} |\vec a\times \vec b| &= \sqrt{2^2+1^2+(-3)^2}\\ &= \sqrt{14} \end{aligned} $$

である。

よって

$$ d=\frac{7}{\sqrt{14}}=\frac{\sqrt{14}}{2}

$$

となる。

したがって、線分 $PQ$ の長さの最小値は

$$ \frac{\sqrt{14}}{2}

$$

である。

解説

点 $P,Q$ がそれぞれ直線上を動くので、まず点を媒介変数で表すのが基本である。最小距離の問題では、長さそのものではなく $PQ^2$ を最小化すると、平方根を避けて二次式の処理に帰着できる。

また、空間内の2直線の最短距離は、2つの方向ベクトルにともに垂直な方向への射影として求められる。解法2はこの考えを使ったもので、計算量は少ない。ただし、公式の意味を理解していないと符号やベクトルの向きを取り違えやすい。

答え

$$ \frac{\sqrt{14}}{2}

$$

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