基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題104 解説
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解説
方針・初手
各回の移動ベクトルを $X_n$ とおく。すなわち $X_n$ は $\vec v_1,\vec v_2,\vec v_3,\vec v_4$ のいずれかを確率 $\dfrac14$ でとる。
このとき
$$ P_n=X_1+X_2+\cdots+X_n
$$
である。また、与えられた4つのベクトルは
$$ \vec v_i\cdot \vec v_i=3,\qquad \vec v_i\cdot \vec v_j=-1\quad (i\ne j)
$$
を満たす。この内積関係を用いると、計算をかなり整理できる。
解法1
**(1)**
$P_2=X_1+X_2$ が $z$ 軸上にあるとは、$x$ 座標と $y$ 座標がともに $0$ であることを意味する。
2回の出目の組を調べると、
$$ \vec v_1+\vec v_4=(1,1,1)+(-1,-1,1)=(0,0,2)
$$
$$ \vec v_4+\vec v_1=(-1,-1,1)+(1,1,1)=(0,0,2)
$$
また、
$$ \vec v_2+\vec v_3=(1,-1,-1)+(-1,1,-1)=(0,0,-2)
$$
$$ \vec v_3+\vec v_2=(-1,1,-1)+(1,-1,-1)=(0,0,-2)
$$
である。これら以外の組では $x$ 座標または $y$ 座標が $0$ にならない。
2回の出目の組は全部で $4^2=16$ 通りあり、そのうち条件を満たすものは $4$ 通りであるから、求める確率は
$$ \frac{4}{16}=\frac14
$$
である。
**(2)**
$\overline{P_0P_2}\perp \overline{P_2P_4}$ である条件は
$$ \overrightarrow{P_0P_2}\cdot \overrightarrow{P_2P_4}=0
$$
である。
ここで
$$ \overrightarrow{P_0P_2}=P_2=X_1+X_2
$$
また
$$ \overrightarrow{P_2P_4}=P_4-P_2=X_3+X_4
$$
であるから、条件は
$$ (X_1+X_2)\cdot (X_3+X_4)=0
$$
である。
$X_1,X_2,X_3,X_4$ の出目をそれぞれ $a,b,c,d$ とする。すなわち $X_1=\vec v_a,\ X_2=\vec v_b,\ X_3=\vec v_c,\ X_4=\vec v_d$ とする。
このとき
$$ (X_1+X_2)\cdot (X_3+X_4) = X_1\cdot X_3+X_1\cdot X_4+X_2\cdot X_3+X_2\cdot X_4
$$
である。
各項は、添字が等しいとき $3$、異なるとき $-1$ である。そこで、$a,b$ と $c,d$ の間で添字が一致する回数を $N$ とおくと、4つの内積のうち $N$ 個が $3$、残り $4-N$ 個が $-1$ である。したがって
$$ (X_1+X_2)\cdot (X_3+X_4) = 3N-(4-N)=4N-4
$$
である。
よって垂直条件は
$$ 4N-4=0
$$
すなわち
$$ N=1
$$
である。
まず $a=b$ の場合、$c,d$ のうち $a$ に等しいものが1つあるごとに、$X_1$ と $X_2$ の両方と一致するため、$N$ は $0,2,4$ のいずれかになる。したがって $N=1$ にはならない。
次に $a\ne b$ の場合を考える。このとき $c,d$ のうち、ちょうど1つだけが $a,b$ のいずれかに等しければ $N=1$ である。
$a\ne b$ となる $(a,b)$ は
$$ 4\cdot 3=12
$$
通りである。
この各場合について、$c,d$ の選び方を数える。$c,d$ のうちどちらが $a,b$ のいずれかに等しいかの選び方が $2$ 通り、その値の選び方が $2$ 通り、もう一方は $a,b$ 以外の2つから選ぶので $2$ 通りである。よって
$$ 2\cdot 2\cdot 2=8
$$
通りである。
したがって条件を満たす出目の列は
$$ 12\cdot 8=96
$$
通りである。全事象は $4^4=256$ 通りだから、求める確率は
$$ \frac{96}{256}=\frac38
$$
である。
**(3)**
4点 $P_0,P_1,P_2,P_3$ が同一平面上にある条件を考える。$P_0=O$ であるから、これは3つのベクトル
$$ \overrightarrow{OP_1},\quad \overrightarrow{OP_2},\quad \overrightarrow{OP_3}
$$
が一次従属であることと同値である。
ここで
$$ \overrightarrow{OP_1}=X_1,\qquad \overrightarrow{OP_2}=X_1+X_2,\qquad \overrightarrow{OP_3}=X_1+X_2+X_3
$$
である。
したがって、これら3つの一次独立性は
$$ X_1,\quad X_2,\quad X_3
$$
の一次独立性と同じである。実際、列ベクトルとして見ると
$$ \det(X_1,\ X_1+X_2,\ X_1+X_2+X_3)=\det(X_1,\ X_2,\ X_3)
$$
である。
4つのベクトル $\vec v_1,\vec v_2,\vec v_3,\vec v_4$ のうち、異なる3つを選べば一次独立である。一方、$X_1,X_2,X_3$ の中に同じベクトルが重複すれば、3つのベクトルは一次従属である。
したがって、4点 $P_0,P_1,P_2,P_3$ が同一平面上にあるのは、$X_1,X_2,X_3$ がすべて異なるとは限らない、すなわち「3つがすべて異なる」場合の余事象である。
3回の出目がすべて異なる確率は
$$ \frac{4\cdot 3\cdot 2}{4^3}=\frac{24}{64}=\frac38
$$
である。
よって、求める確率は
$$ 1-\frac38=\frac58
$$
である。
解説
この問題では、4つの移動ベクトルを直接座標計算するよりも、内積の性質
$$ \vec v_i\cdot \vec v_i=3,\qquad \vec v_i\cdot \vec v_j=-1\quad (i\ne j)
$$
を使うのが重要である。
特に (2) では、垂直条件を内積 $0$ に直し、4つの内積のうち「添字が一致する回数」を数えることで、煩雑な座標計算を避けられる。
また (3) では、$P_0=O$ であることから、4点の同一平面性を3本の位置ベクトルの一次従属性に置き換えるのが要点である。さらに
$$ \det(X_1,\ X_1+X_2,\ X_1+X_2+X_3)=\det(X_1,\ X_2,\ X_3)
$$
と変形できるため、結局は最初の3回の移動ベクトルが一次従属かどうかを判定すればよい。
答え
**(1)**
$$ \frac14
$$
**(2)**
$$ \frac38
$$
**(3)**
$$ \frac58
$$