基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題115 解説
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解説
方針・初手
平面 $\alpha$ の方程式を求め、点 $P(6,p,q)$ と平面の距離を計算する。
四面体 $ABCP$ の体積は、底面を三角形 $ABC$ と見れば
$$ V=\frac{1}{3}\cdot \triangle ABC\text{ の面積}\cdot PH
$$
で求められる。したがって、まず平面 $\alpha$ と三角形 $ABC$ の面積を求める。
解法1
点 $A(1,2,3),B(3,2,3),C(4,5,6)$ について
$$ \overrightarrow{AB}=(2,0,0),\qquad \overrightarrow{AC}=(3,3,3)
$$
である。
平面 $\alpha$ の法線ベクトルは、$\overrightarrow{AB}$ と $\overrightarrow{AC}$ の両方に垂直なベクトルである。外積を用いると
$$ \overrightarrow{AB}\times \overrightarrow{AC} = \begin{vmatrix} \mathbf{i}&\mathbf{j}&\mathbf{k}\\ 2&0&0\\ 3&3&3 \end{vmatrix} =(0,-6,6)
$$
であるから、法線ベクトルとして $(0,-1,1)$ をとれる。
よって平面 $\alpha$ は
$$ -y+z+d=0
$$
の形である。点 $A(1,2,3)$ を通るので
$$ -2+3+d=0
$$
より $d=-1$ である。したがって
$$ -y+z-1=0
$$
すなわち
$$ z-y-1=0
$$
が平面 $\alpha$ の方程式である。
点 $P(6,p,q)$ と平面 $z-y-1=0$ の距離が $PH$ であるから、点と平面の距離公式より
$$ PH=\frac{|q-p-1|}{\sqrt{0^2+(-1)^2+1^2}} =\frac{|q-p-1|}{\sqrt{2}}
$$
である。
これは
$$ PH=\frac{|p-q+1|}{\sqrt{2}}
$$
と書いても同じである。
次に、三角形 $ABC$ の面積を求める。外積の大きさを用いると
$$ \begin{aligned} |\overrightarrow{AB}\times \overrightarrow{AC}| &= |(0,-6,6)|\\ &= 6\sqrt{2} \end{aligned} $$
であるから、
$$ \begin{aligned} \triangle ABC\text{ の面積} &= \frac{1}{2}\cdot 6\sqrt{2}\\ &= 3\sqrt{2} \end{aligned} $$
である。
したがって四面体 $ABCP$ の体積を $V$ とすると
$$ V =
\frac{1}{3}\cdot 3\sqrt{2}\cdot \frac{|p-q+1|}{\sqrt{2}}
|p-q+1|
$$
である。
ここで、点 $P$ は
$$ (p-9)^2+(q-7)^2=1
$$
を満たして動く。そこで
$$ p=9+u,\qquad q=7+v
$$
とおくと、
$$ u^2+v^2=1
$$
であり、
$$ \begin{aligned} p-q+1 &= (9+u)-(7+v)+1\\ &= 3+u-v \end{aligned} $$
である。
ここで、$u^2+v^2=1$ のもとで $u-v$ の最大値・最小値を調べる。コーシー・シュワルツの不等式より
$$ |u-v| = |(1,-1)\cdot(u,v)| \leqq \sqrt{1^2+(-1)^2}\sqrt{u^2+v^2} = \sqrt{2}
$$
である。
したがって
$$ -\sqrt{2}\leqq u-v\leqq \sqrt{2}
$$
であり、
$$ 3-\sqrt{2}\leqq 3+u-v\leqq 3+\sqrt{2}
$$
となる。
また $3-\sqrt{2}>0$ であるから、この範囲では絶対値を外してよい。よって
$$ V=|3+u-v|=3+u-v
$$
であり、体積の最小値と最大値はそれぞれ
$$ 3-\sqrt{2},\qquad 3+\sqrt{2}
$$
である。
解説
この問題の中心は、四面体の体積を「底面積 $\times$ 高さ」で処理することである。平面 $\alpha$ が三角形 $ABC$ を含むので、底面を $ABC$ とすれば、高さは点 $P$ から平面 $\alpha$ までの距離 $PH$ になる。
平面 $\alpha$ の方程式は、$\overrightarrow{AB}$ と $\overrightarrow{AC}$ の外積から法線ベクトルを求めるのが最も自然である。また、最後の最大・最小は、円周上の点 $(u,v)$ に対する一次式 $u-v$ の最大・最小に帰着する。これはコーシー・シュワルツの不等式で処理できる典型問題である。
答え
**(1)**
$$ PH=\frac{|p-q+1|}{\sqrt{2}}
$$
**(2)**
四面体 $ABCP$ の体積の最小値は
$$ 3-\sqrt{2}
$$
最大値は
$$ 3+\sqrt{2}
$$