基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題127 解説
数学Cの空間ベクトル「空間ベクトル」にある問題127の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
点 $P_i$ がすべて同一平面上にあるとき、その平面が $O$ を通らなければ、ベクトルの一次関係
$$ x_1\overrightarrow{OP_1}+x_2\overrightarrow{OP_2}+\cdots+x_n\overrightarrow{OP_n}=\vec{0}
$$
に対して係数和が $0$ になる。まずこれを示し、その結果を正六角形の頂点に成り立つベクトル関係へ適用する。
解法1
(1) の証明
平面 $\alpha$ は点 $O$ を通らないから、$\alpha$ の法線ベクトルを $\vec{n}$ とすると、ある $0$ でない定数 $d$ を用いて、$\alpha$ 上の任意の点 $P$ について
$$ \vec{n}\cdot \overrightarrow{OP}=d
$$
と表せる。ここで $d\neq 0$ であるのは、$d=0$ なら平面 $\alpha$ が点 $O$ を通ることになるからである。
いま、各 $P_i$ は $\alpha$ 上にあるので、
$$ \vec{n}\cdot \overrightarrow{OP_i}=d \qquad (i=1,2,\ldots,n)
$$
である。
与えられた関係
$$ x_1\overrightarrow{OP_1}+x_2\overrightarrow{OP_2}+\cdots+x_n\overrightarrow{OP_n}=\vec{0}
$$
の両辺と $\vec{n}$ の内積をとると、
$$ x_1(\vec{n}\cdot \overrightarrow{OP_1}) +x_2(\vec{n}\cdot \overrightarrow{OP_2}) +\cdots +x_n(\vec{n}\cdot \overrightarrow{OP_n})=0
$$
となる。よって
$$ d(x_1+x_2+\cdots+x_n)=0
$$
である。$d\neq 0$ だから、
$$ x_1+x_2+\cdots+x_n=0
$$
が成り立つ。
(2) の証明
$\overrightarrow{OA_i}=\vec{a_i}$,$\overrightarrow{OP_i}=\vec{p_i}$ とおく。
点 $P_i$ は辺 $OA_i$ を $t_i:(1-t_i)$ に内分するから、
$$ \vec{p_i}=t_i\vec{a_i}
$$
である。したがって
$$ \vec{a_i}=\frac{1}{t_i}\vec{p_i}
$$
が成り立つ。
また、点 $P_1,P_2,\ldots,P_6$ は同一平面上にある。この平面を $\beta$ とする。
ここで $\beta$ は $O$ を通らない。実際、もし $\beta$ が $O$ を通るなら、$O$ と $P_i$ を結ぶ直線 $OP_i$ は $\beta$ 上にあるので、その延長上の点 $A_i$ も $\beta$ 上にある。すると $A_1,A_2,\ldots,A_6$ はすべて $\beta$ 上にあるから、$\beta$ は底面の平面と一致する。したがって $O$ も底面上にあることになり、六角錐であることに反する。
よって、(1) を平面 $\beta$ と点 $P_1,\ldots,P_6$ に適用できる。
正六角形 $A_1A_2A_3A_4A_5A_6$ では、奇数番目の頂点と偶数番目の頂点の重心がともに正六角形の中心であるから、
$$ \vec{a_1}+\vec{a_3}+\vec{a_5} = \vec{a_2}+\vec{a_4}+\vec{a_6}
$$
が成り立つ。これを $\vec{a_i}=\dfrac{1}{t_i}\vec{p_i}$ で書き換えると、
$$ \frac{1}{t_1}\vec{p_1} +\frac{1}{t_3}\vec{p_3} +\frac{1}{t_5}\vec{p_5} -\frac{1}{t_2}\vec{p_2} -\frac{1}{t_4}\vec{p_4} -\frac{1}{t_6}\vec{p_6} =\vec{0}
$$
となる。
これは点 $P_1,\ldots,P_6$ に関するベクトルの一次関係であるから、(1) より係数和は $0$ である。したがって
$$ \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_3}+\frac{1}{t_5} -\frac{1}{t_2}-\frac{1}{t_4}-\frac{1}{t_6} =0
$$
である。よって
$$ \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_3}+\frac{1}{t_5} = \frac{1}{t_2}+\frac{1}{t_4}+\frac{1}{t_6}
$$
が成り立つ。
次に、正六角形では向かい合う頂点の中点はいずれも正六角形の中心である。したがって
$$ \begin{aligned} \vec{a_1}+\vec{a_4} &= \vec{a_2}+\vec{a_5}\\ &= \vec{a_3}+\vec{a_6} \end{aligned} $$
が成り立つ。
まず
$$ \vec{a_1}+\vec{a_4} = \vec{a_2}+\vec{a_5}
$$
より、
$$ \frac{1}{t_1}\vec{p_1} +\frac{1}{t_4}\vec{p_4} -\frac{1}{t_2}\vec{p_2} -\frac{1}{t_5}\vec{p_5} =\vec{0}
$$
である。これに (1) を適用すると、
$$ \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_4} -\frac{1}{t_2}-\frac{1}{t_5} =0
$$
となる。よって
$$ \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_4} = \frac{1}{t_2}+\frac{1}{t_5}
$$
である。
同様に、
$$ \vec{a_2}+\vec{a_5} = \vec{a_3}+\vec{a_6}
$$
より、
$$ \frac{1}{t_2}\vec{p_2} +\frac{1}{t_5}\vec{p_5} -\frac{1}{t_3}\vec{p_3} -\frac{1}{t_6}\vec{p_6} =\vec{0}
$$
であるから、(1) より
$$ \frac{1}{t_2}+\frac{1}{t_5} = \frac{1}{t_3}+\frac{1}{t_6}
$$
が成り立つ。
したがって
$$ \begin{aligned} \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_4} &= \frac{1}{t_2}+\frac{1}{t_5}\\ &= \frac{1}{t_3}+\frac{1}{t_6} \end{aligned} $$
が示された。
解説
(1) は、平面上の点の位置ベクトルが満たす一次関係では、平面が原点を通らない場合に係数和が必ず $0$ になる、という基本事実である。法線ベクトルとの内積を取ると、各点に対して同じ定数が現れるため、係数和だけが残る。
(2) では、$P_i$ が $OA_i$ 上にあることから $\overrightarrow{OP_i}=t_i\overrightarrow{OA_i}$ と書ける。したがって、正六角形の頂点 $A_i$ がもつベクトル関係を、$P_i$ のベクトル関係に変換すると係数に $\dfrac{1}{t_i}$ が現れる。あとは (1) により、その係数和が $0$ になることを使えばよい。
答え
**(1)**
$$ x_1+x_2+\cdots+x_n=0
$$
が成り立つ。
**(2)**
$$ \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_3}+\frac{1}{t_5} = \frac{1}{t_2}+\frac{1}{t_4}+\frac{1}{t_6}
$$
および
$$ \begin{aligned} \frac{1}{t_1}+\frac{1}{t_4} &= \frac{1}{t_2}+\frac{1}{t_5}\\ &= \frac{1}{t_3}+\frac{1}{t_6} \end{aligned} $$
が成り立つ。