基礎問題集
数学C 空間ベクトル「空間ベクトル」の問題140 解説
数学Cの空間ベクトル「空間ベクトル」にある問題140の基礎問題と解説ページです。問題と保存済み解説を公開し、ログイン後はAI質問と学習履歴も利用できます。
MathGrAIl の基礎問題集にある公開問題ページです。ログイン前でも問題と保存済み解説を確認でき、ログイン後はAI質問と学習履歴の保存を利用できます。
- 基礎問題の問題画像と保存済み解説を公開
- ログイン後にAI質問で復習
- ログイン後に学習履歴を保存
解説
方針・初手
$O,A,B,C$ が同一平面上にないので、$\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OC}$ は一次独立である。したがって、これらを基底として空間内の点を座標表示する。
$L,M,N$ はそれぞれ $OA,OB,OC$ 上にあるので、平面 $LMN$ は切片形で表せる。条件
$$ \frac{1}{s}+\frac{2}{t}+\frac{3}{u}=4
$$
を、平面 $LMN$ が常に通る点を決める条件として読む。
解法1
$\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OC}$ を基底として、点 $X$ を
$$ \overrightarrow{OX}=x\overrightarrow{OA}+y\overrightarrow{OB}+z\overrightarrow{OC}
$$
と表す。
この座標では
$$ L=(s,0,0),\quad M=(0,t,0),\quad N=(0,0,u)
$$
である。$s,t,u$ はいずれも $0$ でないから、平面 $LMN$ の方程式は
$$ \frac{x}{s}+\frac{y}{t}+\frac{z}{u}=1
$$
である。
ここで
$$ a=\frac{1}{s},\quad b=\frac{1}{t},\quad c=\frac{1}{u}
$$
とおくと、与えられた条件は
$$ a+2b+3c=4
$$
となる。また、点 $(x,y,z)$ が平面 $LMN$ 上にある条件は
$$ ax+by+cz=1
$$
である。
したがって、$a+2b+3c=4$ を満たすすべての $a,b,c$ に対して
$$ ax+by+cz=1
$$
が成り立つような点を求めればよい。
この式が $a,b,c$ のとり方によらず成り立つためには、$x,y,z$ が $1,2,3$ に比例していなければならない。そこで
$$ (x,y,z)=\lambda(1,2,3)
$$
とおくと、
$$ ax+by+cz=\lambda(a+2b+3c)=4\lambda
$$
である。これが常に $1$ となるから
$$ 4\lambda=1
$$
より
$$ \lambda=\frac{1}{4}
$$
である。
よって、平面 $LMN$ は常に点 $P$ を通り、その点は
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{1}{4}\overrightarrow{OA} + \frac{1}{2}\overrightarrow{OB} + \frac{3}{4}\overrightarrow{OC}
$$
で与えられる。
次に、このような点 $P$ がただ一つであることを示す。
点 $Q$ も同じ性質をもち、
$$ \overrightarrow{OQ} = x\overrightarrow{OA} + y\overrightarrow{OB} + z\overrightarrow{OC}
$$
とする。このとき、任意の $a,b,c$ で
$$ a+2b+3c=4
$$
を満たすものに対して
$$ ax+by+cz=1
$$
が成り立つ。
特に、$a$ を自由に動かすと、それに応じて $b,c$ も条件を保つように動かせる。したがって、$ax+by+cz$ が条件平面 $a+2b+3c=4$ 上で一定になるには、係数ベクトル $(x,y,z)$ が $(1,2,3)$ に比例する必要がある。
ゆえに
$$ (x,y,z)=\lambda(1,2,3)
$$
であり、さらに
$$ 1=ax+by+cz=\lambda(a+2b+3c)=4\lambda
$$
より
$$ \lambda=\frac{1}{4}
$$
である。したがって $Q=P$ となり、このような点 $P$ はただ一つに定まる。
続いて、四面体 $PABC$ の体積を求める。
点 $P$ は
$$ P=\left(\frac{1}{4},\frac{1}{2},\frac{3}{4}\right)
$$
である。$OABC$ の体積を $V$ とすると、$PABC$ の体積は、基底 $\overrightarrow{OA},\overrightarrow{OB},\overrightarrow{OC}$ に関する行列式の絶対値の比で求められる。
一般に
$$ P=xA+yB+zC
$$
と表されるとき、四面体 $PABC$ と四面体 $OABC$ の体積比は
$$ |1-x-y-z|
$$
である。実際、$P$ から平面 $ABC$ までの符号付き距離は、$O$ から平面 $ABC$ までの符号付き距離の $1-x-y-z$ 倍になる。
ここでは
$$ \begin{aligned} x+y+z &= \frac{1}{4}+\frac{1}{2}+\frac{3}{4}\\ &= \frac{3}{2} \end{aligned} $$
であるから、
$$ |1-x-y-z| = \left|1-\frac{3}{2}\right|
\frac{1}{2}
$$
である。
よって、四面体 $PABC$ の体積は
$$ \frac{1}{2}V
$$
である。
解説
この問題の中心は、$L,M,N$ がそれぞれ座標軸上の切片を与えていると見ることである。平面 $LMN$ は
$$ \frac{x}{s}+\frac{y}{t}+\frac{z}{u}=1
$$
という切片形で表される。
条件
$$ \frac{1}{s}+\frac{2}{t}+\frac{3}{u}=4
$$
は、$\frac{1}{s},\frac{1}{t},\frac{1}{u}$ の間の一次関係である。したがって、平面 $LMN$ が常に通る固定点は、この一次関係の係数 $(1,2,3)$ から決まる。
体積については、$P$ の係数の和
$$ \frac{1}{4}+\frac{1}{2}+\frac{3}{4}
$$
が $1$ を超えているため、$P$ は平面 $ABC$ をはさんで $O$ と反対側にある。そのため、体積比は符号付き比ではなく絶対値をとって $\frac{1}{2}$ となる。
答え
**(1)**
平面 $LMN$ は、$s,t,u$ によらず一定の点 $P$ を通る。その点は
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{1}{4}\overrightarrow{OA} + \frac{1}{2}\overrightarrow{OB} + \frac{3}{4}\overrightarrow{OC}
$$
であり、このような点 $P$ はただ一つである。
**(2)**
四面体 $PABC$ の体積は
$$ \frac{V}{2}
$$
である。