基礎問題集
数学C 空間ベクトル「球面の方程式」の問題7 解説
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解説
方針・初手
4点を同時に通る球面を作るには、4点から等距離にある点を見つければよい。その点を球の中心とすればよい。
四面体であるから、3本のベクトル $\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC},\overrightarrow{AD}$ は一次独立である。この一次独立性を使って、中心の存在を示す。
解法1
点 $A$ を原点にとり、点 $B,C,D$ の位置ベクトルをそれぞれ $\mathbf{b},\mathbf{c},\mathbf{d}$ とする。
四面体 $ABCD$ であるから、$\mathbf{b},\mathbf{c},\mathbf{d}$ は一次独立である。
球面の中心を位置ベクトル $\mathbf{x}$ をもつ点 $O$ とする。点 $O$ が $A,B,C,D$ から等距離であるためには、
$$ |\mathbf{x}|=|\mathbf{x}-\mathbf{b}|=|\mathbf{x}-\mathbf{c}|=|\mathbf{x}-\mathbf{d}|
$$
となればよい。
まず $|\mathbf{x}|=|\mathbf{x}-\mathbf{b}|$ より、
$$ |\mathbf{x}|^2=|\mathbf{x}-\mathbf{b}|^2
$$
である。右辺を展開すると、
$$ |\mathbf{x}-\mathbf{b}|^2 =|\mathbf{x}|^2-2\mathbf{x}\cdot\mathbf{b}+|\mathbf{b}|^2
$$
だから、
$$ 2\mathbf{x}\cdot\mathbf{b}=|\mathbf{b}|^2
$$
すなわち
$$ \mathbf{x}\cdot\mathbf{b}=\frac{|\mathbf{b}|^2}{2}
$$
を得る。
同様に、$|\mathbf{x}|=|\mathbf{x}-\mathbf{c}|$、$|\mathbf{x}|=|\mathbf{x}-\mathbf{d}|$ から、
$$ \mathbf{x}\cdot\mathbf{c}=\frac{|\mathbf{c}|^2}{2},\qquad \mathbf{x}\cdot\mathbf{d}=\frac{|\mathbf{d}|^2}{2}
$$
を得る。
したがって、$\mathbf{x}$ は次の3本の一次方程式を満たせばよい。
$$ \begin{cases} \mathbf{x}\cdot\mathbf{b}=\dfrac{|\mathbf{b}|^2}{2},\\ \mathbf{x}\cdot\mathbf{c}=\dfrac{|\mathbf{c}|^2}{2},\\ \mathbf{x}\cdot\mathbf{d}=\dfrac{|\mathbf{d}|^2}{2}. \end{cases}
$$
ここで $\mathbf{b},\mathbf{c},\mathbf{d}$ は一次独立であるから、空間の基底をなす。よって、任意のベクトル $\mathbf{x}$ は
$$ \mathbf{x}=s\mathbf{b}+t\mathbf{c}+u\mathbf{d}
$$
と一意に表される。
これを上の3式に代入すると、未知数 $s,t,u$ に関する3元連立一次方程式になる。その係数行列は
$$ \begin{pmatrix} \mathbf{b}\cdot\mathbf{b} & \mathbf{c}\cdot\mathbf{b} & \mathbf{d}\cdot\mathbf{b}\\ \mathbf{b}\cdot\mathbf{c} & \mathbf{c}\cdot\mathbf{c} & \mathbf{d}\cdot\mathbf{c}\\ \mathbf{b}\cdot\mathbf{d} & \mathbf{c}\cdot\mathbf{d} & \mathbf{d}\cdot\mathbf{d} \end{pmatrix}
$$
である。
この行列は、一次独立なベクトル $\mathbf{b},\mathbf{c},\mathbf{d}$ のグラム行列である。一次独立なベクトルのグラム行列は正則であるから、この連立一次方程式はただ1つの解をもつ。
したがって、その解によって定まる点 $O$ が存在し、
$$ OA=OB=OC=OD
$$
が成り立つ。
よって、中心を $O$、半径を $OA$ とする球面を考えれば、この球面は $A,B,C,D$ をすべて通る。
以上より、4つの頂点 $A,B,C,D$ を同時に通る球面が存在する。
解法2
点 $A$ と点 $B$ から等距離にある点全体は、線分 $AB$ の垂直二等分面である。これを $\Pi_B$ とする。
同様に、点 $A$ と点 $C$ から等距離にある点全体を $\Pi_C$、点 $A$ と点 $D$ から等距離にある点全体を $\Pi_D$ とする。
すなわち、
$$ \Pi_B:\ PA=PB,\qquad \Pi_C:\ PA=PC,\qquad \Pi_D:\ PA=PD
$$
である。
この3つの平面 $\Pi_B,\Pi_C,\Pi_D$ の法線ベクトルは、それぞれ $\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC},\overrightarrow{AD}$ に平行である。
四面体 $ABCD$ であるから、$\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC},\overrightarrow{AD}$ は一次独立である。したがって、法線ベクトルが一次独立な3つの平面 $\Pi_B,\Pi_C,\Pi_D$ は、ただ1点で交わる。
その交点を $O$ とする。
$O$ は $\Pi_B$ 上にあるから、
$$ OA=OB
$$
である。
また、$O$ は $\Pi_C$ 上にあるから、
$$ OA=OC
$$
である。
さらに、$O$ は $\Pi_D$ 上にあるから、
$$ OA=OD
$$
である。
したがって、
$$ OA=OB=OC=OD
$$
が成り立つ。
よって、中心を $O$、半径を $OA$ とする球面は、4点 $A,B,C,D$ をすべて通る。
以上より、4つの頂点 $A,B,C,D$ を同時に通る球面が存在する。
解説
本質は「4点から等距離にある点」を作ることである。
平面上の三角形では、各辺の垂直二等分線の交点が外心になる。空間内の四面体では、線分 $AB,AC,AD$ の垂直二等分面の交点が外接球の中心になる。
四面体であることから、$\overrightarrow{AB},\overrightarrow{AC},\overrightarrow{AD}$ は一次独立である。この条件により、3つの垂直二等分面がただ1点で交わることが保証される。もし4点が同一平面上にある場合には、この議論はそのまま成立しないため、「四面体」という条件が重要である。
答え
4つの頂点 $A,B,C,D$ から等距離にある点 $O$ が存在する。
したがって、中心を $O$、半径を $OA$ とする球面は $A,B,C,D$ をすべて通る。よって、4つの頂点 $A,B,C,D$ を同時に通る球面が存在する。