基礎問題集
数学C 式と曲線「二次曲線の軌跡」の問題3 解説
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解説
方針・初手
交点 $P(s,t)$ は第1象限にあるので、$s>0,\ t>0$ である。まず $s^2,\ t^2$ を未知数として連立方程式を解く。
直交条件は、2曲線の接線の傾きの積が $-1$ となることを用いる。最後は、(2) で得た関係式を使って $a,b$ を消去する。
解法1
$P(s,t)$ は $C_1,\ C_2$ の交点であるから、
$$ s^2-\frac{t^2}{a^2}=1,\qquad \frac{s^2}{b^2}+t^2=1
$$
を満たす。ここで $X=s^2,\ Y=t^2$ とおくと、
$$ X-\frac{Y}{a^2}=1,\qquad \frac{X}{b^2}+Y=1
$$
である。
第1式より
$$ X=1+\frac{Y}{a^2}
$$
となる。これを第2式に代入すると、
$$ \frac{1}{b^2}+\frac{Y}{a^2b^2}+Y=1
$$
であるから、
$$ Y\left(1+\frac{1}{a^2b^2}\right)=1-\frac{1}{b^2}
$$
となる。よって
$$ Y=\frac{a^2(b^2-1)}{1+a^2b^2}
$$
である。また、
$$ X=1+\frac{b^2-1}{1+a^2b^2} =\frac{b^2(a^2+1)}{1+a^2b^2}
$$
である。
$P$ は第1象限にあるので正の平方根をとり、
$$ s=\frac{b\sqrt{a^2+1}}{\sqrt{1+a^2b^2}},\qquad t=\frac{a\sqrt{b^2-1}}{\sqrt{1+a^2b^2}}
$$
である。
次に、接線の傾きを求める。
$C_1:x^2-\dfrac{y^2}{a^2}=1$ を微分すると、
$$ 2x-\frac{2y}{a^2}\frac{dy}{dx}=0
$$
より、
$$ \frac{dy}{dx}=\frac{a^2x}{y}
$$
である。したがって、$P(s,t)$ における $C_1$ の接線 $L_1$ の傾きは
$$ m_1=\frac{a^2s}{t}
$$
である。
また、$C_2:\dfrac{x^2}{b^2}+y^2=1$ を微分すると、
$$ \frac{2x}{b^2}+2y\frac{dy}{dx}=0
$$
より、
$$ \frac{dy}{dx}=-\frac{x}{b^2y}
$$
である。したがって、$P(s,t)$ における $C_2$ の接線 $L_2$ の傾きは
$$ m_2=-\frac{s}{b^2t}
$$
である。
$L_1$ と $L_2$ が直交する条件は $m_1m_2=-1$ であるから、
$$ \frac{a^2s}{t}\left(-\frac{s}{b^2t}\right)=-1
$$
より、
$$ a^2s^2=b^2t^2
$$
である。
ここに先ほど求めた $s^2,\ t^2$ を代入すると、
$$ a^2\cdot \frac{b^2(a^2+1)}{1+a^2b^2} = b^2\cdot \frac{a^2(b^2-1)}{1+a^2b^2}
$$
となる。$a>0,\ b>1$ であるから $a^2b^2\neq 0$ であり、両辺を整理して
$$ a^2+1=b^2-1
$$
を得る。したがって、
$$ b^2=a^2+2
$$
である。$b>1$ より、
$$ b=\sqrt{a^2+2}
$$
である。
最後に、この条件のもとで $P$ の軌跡を求める。$b^2=a^2+2$ を $s^2,\ t^2$ に代入する。
$$ s^2=\frac{b^2(a^2+1)}{1+a^2b^2} =\frac{(a^2+2)(a^2+1)}{1+a^2(a^2+2)}
$$
ここで、
$$ 1+a^2(a^2+2)=a^4+2a^2+1=(a^2+1)^2
$$
であるから、
$$ s^2=\frac{a^2+2}{a^2+1}
$$
となる。
同様に、
$$ t^2=\frac{a^2(b^2-1)}{1+a^2b^2} =\frac{a^2(a^2+1)}{(a^2+1)^2} =\frac{a^2}{a^2+1}
$$
である。
したがって、
$$ s^2+t^2 = \frac{a^2+2}{a^2+1} + \frac{a^2}{a^2+1} = 2
$$
となる。よって $P(s,t)$ は円
$$ x^2+y^2=2
$$
上にある。
ただし $a>0$ であるから、
$$ t^2=\frac{a^2}{a^2+1}
$$
より
$$ 0<t<1
$$
である。また、
$$ s^2=\frac{a^2+2}{a^2+1}=1+\frac{1}{a^2+1}
$$
より
$$ 1<s<\sqrt{2}
$$
である。
したがって、$P$ の軌跡は
$$ x^2+y^2=2,\qquad 1<x<\sqrt{2},\quad 0<y<1
$$
で表される円弧である。端点 $(\sqrt{2},0)$ および $(1,1)$ は含まれない。
解説
この問題では、交点の座標を直接求めるときに $s,t$ ではなく $s^2,t^2$ を未知数にするのが自然である。どちらの曲線も $x^2,y^2$ の式で書かれているため、連立方程式が一次方程式として処理できる。
接線の直交条件では、接線の傾きを微分で求めて積を $-1$ とすればよい。第1象限の交点なので $s,t>0$ であり、傾きの式の分母が $0$ になる心配はない。
軌跡では、(2) の条件 $b^2=a^2+2$ を代入して $a$ を消去する。円 $x^2+y^2=2$ 全体ではなく、$a>0$ に対応する範囲だけを答える必要がある点に注意する。
答え
**(1)**
$$ s=\frac{b\sqrt{a^2+1}}{\sqrt{1+a^2b^2}},\qquad t=\frac{a\sqrt{b^2-1}}{\sqrt{1+a^2b^2}}
$$
**(2)**
$$ b=\sqrt{a^2+2}
$$
**(3)**
$$ x^2+y^2=2,\qquad 1<x<\sqrt{2},\quad 0<y<1
$$
すなわち、円 $x^2+y^2=2$ の第1象限にある円弧のうち、端点 $(\sqrt{2},0)$ と $(1,1)$ を除いた部分である。