基礎問題集
数学C 式と曲線「二次曲線の軌跡」の問題5 解説
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解説
方針・初手
直線 $\ell$ 上の点を、$\overrightarrow{AQ}=t\overrightarrow{AP}$ とおいて媒介変数表示する。これを球面 $S$ の方程式に代入すれば、交点の個数は $t$ についての2次方程式の実数解の個数で判定できる。
また、$T$ は $S$ のうち $z>0$ の部分なので、交点が $T$ 上にある条件は、対応する $t$ が $t<1$ を満たすことに帰着される。
解法1
点 $A(0,0,2)$、点 $P(a,b,0)$ より、
$$ \overrightarrow{AP}=(a,b,-2)
$$
である。したがって、$\overrightarrow{AQ}=t\overrightarrow{AP}$ とおくと、
$$ Q=A+t\overrightarrow{AP}
$$
より、
$$ Q=(ta,tb,2-2t)
$$
である。
これで (1) は求まる。
次に、球面 $S$ は中心 $(2,0,0)$、半径 $\sqrt{2}$ であるから、
$$ (x-2)^2+y^2+z^2=2
$$
で表される。
直線 $\ell$ 上の点を
$$ (x,y,z)=(ta,tb,2-2t)
$$
とおいて代入すると、
$$ (ta-2)^2+(tb)^2+(2-2t)^2=2
$$
となる。整理すると、
$$ (a^2+b^2+4)t^2-4(a+2)t+6=0
$$
である。
$\ell$ が $S$ と相異なる2点で交わるためには、この2次方程式が相異なる2つの実数解をもてばよい。よって判別式を $D$ とすると、
$$ D={-4(a+2)}^2-4(a^2+b^2+4)\cdot 6>0
$$
である。これを整理すると、
$$ 16(a+2)^2-24(a^2+b^2+4)>0
$$
両辺を $8$ で割って、
$$ 2(a+2)^2-3(a^2+b^2+4)>0
$$
さらに展開して整理すると、
$$ -a^2+8a-3b^2-4>0
$$
すなわち、
$$ (a-4)^2+3b^2<12
$$
を得る。
したがって (2) の条件は、
$$ (a-4)^2+3b^2<12
$$
である。これは $ab$ 平面上で、中心 $(4,0)$、$a$ 方向の半径 $2\sqrt{3}$、$b$ 方向の半径 $2$ の楕円の内部である。ただし境界は含まない。
次に (3) を考える。
直線 $\ell$ 上の点の $z$ 座標は
$$ z=2-2t
$$
である。よって $z>0$ となる条件は、
$$ 2-2t>0
$$
すなわち、
$$ t<1
$$
である。
したがって、$\ell$ が $T$ と相異なる2点で交わるためには、先ほどの2次方程式
$$ (a^2+b^2+4)t^2-4(a+2)t+6=0
$$
が相異なる2つの実数解をもち、さらにその2つの解がともに $1$ より小さければよい。
そこで
$$ u=1-t
$$
とおく。条件 $t<1$ は $u>0$ である。先ほどの2次方程式に $t=1-u$ を代入すると、
$$ (a^2+b^2+4)(1-u)^2-4(a+2)(1-u)+6=0
$$
である。整理すると、
$$ (a^2+b^2+4)u^2-2(a^2+b^2-2a)u+(a^2+b^2-4a+2)=0
$$
となる。
この2次方程式が相異なる2つの正の実数解をもてばよい。
まず、相異なる2つの実数解をもつ条件は、(2) と同じく
$$ (a-4)^2+3b^2<12
$$
である。
また、2つの解を $u_1,u_2$ とすると、$u_1>0,\ u_2>0$ となるためには、解の和と積がともに正であればよい。
解の和は
$$ u_1+u_2= \frac{2(a^2+b^2-2a)}{a^2+b^2+4}
$$
である。分母は常に正だから、
$$ a^2+b^2-2a>0
$$
すなわち、
$$ (a-1)^2+b^2>1
$$
が必要十分である。
また、解の積は
$$ u_1u_2= \frac{a^2+b^2-4a+2}{a^2+b^2+4}
$$
である。分母は常に正だから、
$$ a^2+b^2-4a+2>0
$$
すなわち、
$$ (a-2)^2+b^2>2
$$
が必要十分である。
したがって (3) の条件は、
$$ (a-4)^2+3b^2<12,\qquad (a-1)^2+b^2>1,\qquad (a-2)^2+b^2>2
$$
である。
$ab$ 平面上では、楕円
$$ (a-4)^2+3b^2=12
$$
の内部のうち、円
$$ (a-1)^2+b^2=1
$$
の内部および周、さらに円
$$ (a-2)^2+b^2=2
$$
の内部および周を除いた部分である。すべての境界は含まない。
解説
この問題の中心は、空間図形をそのまま考えず、直線を媒介変数 $t$ で表して球面との交点問題を2次方程式に落とすことである。
(2) では、球面との交点が2点であることは、対応する2次方程式が異なる2つの実数解をもつことに等しい。したがって判別式 $D>0$ だけで判定できる。
一方、(3) では、単に球面 $S$ と2点で交わるだけでは不十分である。$T$ は $z>0$ の部分なので、交点に対応する媒介変数がともに $t<1$ でなければならない。この条件を扱いやすくするために $u=1-t$ とおくと、必要条件が「2つの正の実数解をもつこと」に変わる。よって、判別式、解の和、解の積の3条件で処理できる。
答え
**(1)**
$$ Q=(ta,tb,2-2t)
$$
**(2)**
$$ (a-4)^2+3b^2<12
$$
$ab$ 平面上では、中心 $(4,0)$、$a$ 方向の半径 $2\sqrt{3}$、$b$ 方向の半径 $2$ の楕円の内部である。境界は含まない。
**(3)**
$$ (a-4)^2+3b^2<12,\qquad (a-1)^2+b^2>1,\qquad (a-2)^2+b^2>2
$$
$ab$ 平面上では、楕円
$$ (a-4)^2+3b^2=12
$$
の内部から、円
$$ (a-1)^2+b^2=1
$$
と円
$$ (a-2)^2+b^2=2
$$
の内部および周を除いた部分である。すべての境界は含まない。