基礎問題集
数学C 式と曲線「楕円」の問題12 解説
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解説
方針・初手
点 $P$ の座標を直接置くと、楕円の接線公式から $x$ 軸、$y$ 軸との交点を表せる。したがって、まず $P=(a,b)$ とおき、接線の切片から $QR$ の長さを $a,b$ で表す。
その後、楕円上の条件を用いて $QR^2$ を $1$ 変数にして最小化する。
解法1
点 $P$ の座標を
$$ P=(a,b)
$$
とおく。ただし $a>0,\ b>0$ であり、
$$ \frac{a^2}{4}+b^2=1
$$
を満たす。
楕円
$$ \frac{x^2}{4}+y^2=1
$$
上の点 $(a,b)$ における接線は
$$ \frac{ax}{4}+by=1
$$
である。
この接線と $x$ 軸との交点を $Q$ とする。$y=0$ を代入すると、
$$ \frac{ax}{4}=1
$$
より、
$$ x=\frac{4}{a}
$$
である。したがって、
$$ Q=\left(\frac{4}{a},0\right)
$$
である。
また、接線と $y$ 軸との交点を $R$ とする。$x=0$ を代入すると、
$$ by=1
$$
より、
$$ y=\frac{1}{b}
$$
である。したがって、
$$ R=\left(0,\frac{1}{b}\right)
$$
である。
よって、
$$ QR^2=\left(\frac{4}{a}\right)^2+\left(\frac{1}{b}\right)^2 =\frac{16}{a^2}+\frac{1}{b^2}
$$
である。
ここで、楕円上の条件から
$$ \frac{a^2}{4}+b^2=1
$$
なので、
$$ u=\frac{a^2}{4}
$$
とおくと、$0<u<1$ であり、
$$ b^2=1-u,\qquad a^2=4u
$$
となる。
したがって、
$$ QR^2 =\frac{16}{4u}+\frac{1}{1-u} =\frac{4}{u}+\frac{1}{1-u}
$$
である。
これを
$$ f(u)=\frac{4}{u}+\frac{1}{1-u}\qquad (0<u<1)
$$
とおいて最小化する。
微分すると、
$$ f'(u)=-\frac{4}{u^2}+\frac{1}{(1-u)^2}
$$
である。$f'(u)=0$ とすると、
$$ \frac{1}{(1-u)^2}=\frac{4}{u^2}
$$
となる。$0<u<1$ より両辺の正の平方根をとって、
$$ \frac{1}{1-u}=\frac{2}{u}
$$
である。よって、
$$ u=2(1-u)
$$
より、
$$ 3u=2
$$
したがって、
$$ u=\frac{2}{3}
$$
である。
また、
$$ f'(u)<0\quad \left(0<u<\frac{2}{3}\right),\qquad f'(u)>0\quad \left(\frac{2}{3}<u<1\right)
$$
となるため、$u=\frac{2}{3}$ で最小値をとる。
このとき、
$$ QR^2 =\frac{4}{2/3}+\frac{1}{1/3} =6+3 =9
$$
であるから、
$$ QR=3
$$
である。
また、
$$ \frac{a^2}{4}=u=\frac{2}{3}
$$
より、
$$ a^2=\frac{8}{3}
$$
である。$a>0$ だから、
$$ a=\frac{2\sqrt{6}}{3}
$$
である。
さらに、
$$ b^2=1-\frac{2}{3}=\frac{1}{3}
$$
であり、$b>0$ だから、
$$ b=\frac{\sqrt{3}}{3}
$$
である。
したがって、求める点 $P$ は
$$ P=\left(\frac{2\sqrt{6}}{3},\frac{\sqrt{3}}{3}\right)
$$
である。
解法2
点 $P$ を媒介変数で
$$ P=(2\cos\theta,\sin\theta)\qquad \left(0<\theta<\frac{\pi}{2}\right)
$$
とおく。
この点における接線は
$$ \frac{x\cos\theta}{2}+y\sin\theta=1
$$
である。
$x$ 軸との交点 $Q$ は $y=0$ として、
$$ \frac{x\cos\theta}{2}=1
$$
より、
$$ Q=\left(\frac{2}{\cos\theta},0\right)
$$
である。
$y$ 軸との交点 $R$ は $x=0$ として、
$$ y\sin\theta=1
$$
より、
$$ R=\left(0,\frac{1}{\sin\theta}\right)
$$
である。
したがって、
$$ QR^2 =\left(\frac{2}{\cos\theta}\right)^2+\left(\frac{1}{\sin\theta}\right)^2 =4\sec^2\theta+\csc^2\theta
$$
である。
ここで、
$$ t=\cos^2\theta
$$
とおくと、$0<t<1$ であり、
$$ \sin^2\theta=1-t
$$
だから、
$$ QR^2=\frac{4}{t}+\frac{1}{1-t}
$$
となる。
解法1と同様に、この式の最小値は $t=\frac{2}{3}$ のときであり、
$$ QR^2=9
$$
となる。よって、
$$ QR=3
$$
である。
このとき、
$$ \cos^2\theta=\frac{2}{3},\qquad \sin^2\theta=\frac{1}{3}
$$
であり、$0<\theta<\frac{\pi}{2}$ より、
$$ \cos\theta=\sqrt{\frac{2}{3}},\qquad \sin\theta=\frac{1}{\sqrt{3}}
$$
である。
したがって、
$$ P=(2\cos\theta,\sin\theta) =\left(2\sqrt{\frac{2}{3}},\frac{1}{\sqrt{3}}\right) =\left(\frac{2\sqrt{6}}{3},\frac{\sqrt{3}}{3}\right)
$$
である。
解説
この問題の中心は、接線の切片を用いて $QR$ の長さを表すことである。楕円上の点 $P=(a,b)$ における接線
$$ \frac{ax}{4}+by=1
$$
を立てると、$x$ 切片と $y$ 切片がすぐに求まる。
その後は、楕円上の条件
$$ \frac{a^2}{4}+b^2=1
$$
を使って $QR^2$ を $1$ 変数の関数に直す。長さ $QR$ そのものを最小化してもよいが、$QR>0$ なので $QR^2$ を最小化すれば十分である。
媒介変数表示を使う解法2は計算の見通しがよい。一方で、接線公式と切片計算を明確に処理するなら解法1が最も標準的である。
答え
$$ QR_{\min}=3
$$
そのときの点 $P$ の座標は
$$ P=\left(\frac{2\sqrt{6}}{3},\frac{\sqrt{3}}{3}\right)
$$