基礎問題集
数学C 式と曲線「双曲線」の問題16 解説
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解説
方針・初手
点 $P(s,t)$ が双曲線 $H$ 上にあることから
$$ s^2-t^2=-1
$$
すなわち
$$ t^2-s^2=1
$$
を常に用いる。直線 $\ell$ と双曲線 $C$ の交点については、直線の式から $y$ を消去して $x$ に関する二次方程式を作り、解の和と差を利用する。
解法1
まず、$P(s,t)$ が直線 $\ell$ 上にあると仮定すると、直線 $\ell$ の式 $sx-ty=1$ に $x=s,\ y=t$ を代入して
$$ s^2-t^2=1
$$
を満たす必要がある。しかし $P$ は $H$ 上の点であるから
$$ s^2-t^2=-1
$$
である。これは $s^2-t^2=1$ と矛盾する。
したがって、直線 $\ell$ は点 $P$ を通らない。
次に、$\ell$ と $C$ の交点を $Q(x_1,y_1),\ R(x_2,y_2)$ とする。$P$ は $H$ 上にあるので
$$ t^2-s^2=1
$$
であり、特に $t\ne 0$ である。直線 $\ell$ の式より
$$ y=\frac{sx-1}{t}
$$
と表せる。これを $C:x^2-y^2=1$ に代入すると
$$ x^2-\left(\frac{sx-1}{t}\right)^2=1
$$
である。両辺に $t^2$ をかけて整理すると
$$ t^2x^2-(sx-1)^2=t^2
$$
すなわち
$$ (t^2-s^2)x^2+2sx-1-t^2=0
$$
となる。ここで $t^2-s^2=1$ より
$$ x^2+2sx-(t^2+1)=0
$$
を得る。
この二次方程式の判別式は
$$ D=(2s)^2+4(t^2+1)=4(s^2+t^2+1)
$$
である。さらに $t^2=s^2+1$ だから
$$ D=8t^2>0
$$
である。よって、$\ell$ と $C$ は異なる $2$ 点 $Q,\ R$ で交わる。
また、解と係数の関係より
$$ x_1+x_2=-2s
$$
である。さらに $y_i=\dfrac{sx_i-1}{t}$ であるから
$$ y_1+y_2 =\frac{s(x_1+x_2)-2}{t} =\frac{s(-2s)-2}{t} =-\frac{2(s^2+1)}{t}
$$
となる。$s^2+1=t^2$ より
$$ y_1+y_2=-2t
$$
である。
したがって、$\triangle PQR$ の重心 $G$ は
$$ G=\left(\frac{s+x_1+x_2}{3},\frac{t+y_1+y_2}{3}\right)
$$
だから
$$ G=\left(\frac{s-2s}{3},\frac{t-2t}{3}\right) =\left(-\frac{s}{3},-\frac{t}{3}\right)
$$
である。
最後に、$\triangle GQR$ の面積を求める。まず、$Q,\ R$ の $x$ 座標の差は、二次方程式
$$ x^2+2sx-(t^2+1)=0
$$
の $2$ 解の差であるから
$$ |x_1-x_2|=\sqrt{D}=2\sqrt{2}|t|
$$
である。直線 $\ell$ 上では
$$ y=\frac{sx-1}{t}
$$
であるから
$$ |y_1-y_2|=\left|\frac{s}{t}\right||x_1-x_2|
$$
となる。よって
$$ QR =|x_1-x_2|\sqrt{1+\frac{s^2}{t^2}} =2\sqrt{2}|t|\sqrt{\frac{s^2+t^2}{t^2}}
$$
である。したがって
$$ QR=2\sqrt{2}\sqrt{s^2+t^2}
$$
となる。
点 $G\left(-\dfrac{s}{3},-\dfrac{t}{3}\right)$ と直線 $\ell:sx-ty-1=0$ の距離を $d$ とすると、
$$ d= \frac{\left|s\left(-\dfrac{s}{3}\right)-t\left(-\dfrac{t}{3}\right)-1\right|}{\sqrt{s^2+t^2}}
$$
である。分子は
$$ -\frac{s^2}{3}+\frac{t^2}{3}-1 =\frac{t^2-s^2}{3}-1 =\frac{1}{3}-1 =-\frac{2}{3}
$$
であるから
$$ d=\frac{2}{3\sqrt{s^2+t^2}}
$$
である。
したがって、$\triangle GQR$ の面積は
$$ \frac{1}{2}\cdot QR\cdot d = \frac{1}{2}\cdot 2\sqrt{2}\sqrt{s^2+t^2}\cdot \frac{2}{3\sqrt{s^2+t^2}} =\frac{2\sqrt{2}}{3}
$$
である。これは $s,t$ を含まない定数であるから、$\triangle GQR$ の面積は点 $P(s,t)$ の位置によらず一定である。
解説
この問題の中心は、$P$ が $H:x^2-y^2=-1$ 上にあることから得られる $t^2-s^2=1$ をどこで使うかである。
(2) では、交点 $Q,\ R$ の座標を個別に求める必要はない。重心には $x_1+x_2,\ y_1+y_2$ だけが必要なので、二次方程式の解と係数の関係を使うのが最短である。
(3) では、面積を直接座標で計算してもよいが、$QR$ を底辺、点 $G$ から直線 $\ell$ への距離を高さとして扱うと簡潔である。$QR$ は $\sqrt{s^2+t^2}$ に比例し、高さは $\sqrt{s^2+t^2}$ に反比例するため、積が一定になる。
答え
**(1)**
直線 $\ell$ は点 $P$ を通らない。
**(2)**
直線 $\ell$ と双曲線 $C$ は異なる $2$ 点 $Q,\ R$ で交わり、$\triangle PQR$ の重心 $G$ は
$$ G\left(-\frac{s}{3},-\frac{t}{3}\right)
$$
である。
**(3)**
$\triangle GQR$ の面積は点 $P(s,t)$ の位置によらず一定であり、その値は
$$ \frac{2\sqrt{2}}{3}
$$
である。